Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【おしごと】寝台車(ハネ)のイラストエッセイ描きました@鉄道デザインEX 08号

2014-06-04 | おしごと。



このたび、イカロス出版さまより、
鉄道をデザインから考察する異色かつ斬新なムック、
「鉄道デザインEX」(Rail Design Explorer)通巻08号にて、
寝台列車についてのイラスト&エッセイのご依頼を戴きました。

誠にありがとうございます。


日頃より懇意にしていただいております、イカロス出版 S編集長との打ち合わせで、
寝台車にまつわるエピソードを、とのお話を頂戴しましたので、
「ハネ(普通寝台)」にテーマを絞り、
歴史、乗ったときの思い出、知恵のデパート個室寝台について
まとめさせていただくこととしました。


ところで。
そういえば思い出すと「B寝台」って最近乗ってないです。

最後に乗ったのは、まだ無くなる前のブームが来ていない581/583系「きたぐに」。
その前は、ちょっとお見送りが増えて
駅が大変なことになりつつあった14系「北陸」でしょうか。
285系サンライズも数年前に乗った記憶も...。



大阪にて発車を待つ「きたぐに」。まだ別れを惜しむファンはまばら。



ピンぼけしちゃってるけど、581/583系の車内。
このときは上段だったので、そのベッドの位置の高いこと!




581/583系は、上段でもまったく外が見えない訳ではないのです。この小窓も旅情のひとつ。








それからわずか数年。
きたぐにが消え、あけぼのが消え、日本海が消えました。
寝台列車のクイーンともいえるトワイライトエクスプレスでさえ、廃止が決定しました。
北斗星も、廃止の危機。
車両が新しいカシオペアやサンライズも存続が検討されているほどです。


子供のころ「あたりまえ」だった寝台列車が消える。
そのインパクトは、計り知れませんよね。


この消え行く「庶民のための寝台」、【ハネ】への懐かしさを込めて
描かせていただきました。

絵のタッチはイラストエッセイらしく丸く、優しく、かわいらしく。
文字も、絵も最大限詰め込んでみました。



「開放ハネの思い出」と、「個室寝台さまざま」。



これが「上段の特権」、荷物置き。



少しでもお読みくださったみなさんが
「懐かしい!」
「面白い!」
「乗ってみたい!」
って思ってくださり誌面を手に取っていただけたら、
これ以上嬉しいことはありません。



>>ご近所の書店以外でも、Amazonにて購入することが出来ます。
今回の特集は「個性派車両のもてなしデザイン」。

・JR九州に登場した「ななつ星」の登場により、
鉄道車両が与えてくれる「おもてなし」や「サービス」が大きくクローズアップされるようになってきた。
そこで今回は、「もてなしデザイン」と題して、
さまざまな時代に鉄道車両が与えてくれた、乗る人のためのデザインを考えてみる。

・第1章・現代の最新もてなし分析
・第2章・1980年代のジョイフルトレイン
・第3章・私鉄車両のもてなしへの挑戦
・第4章・終焉近し?夜汽車が提供する極上のもてなし
・第5章・フリースペースの進化論

>>鉄道に詳しくない方も、デザインに興味がある方にも楽しんでいただける内用になっています。
ぜひ、お手に取ってご覧いただけましたら幸いです。


>>開放B寝台客車の醍醐味、通路側の折り畳み椅子。
ひとつひとつのアイテムが旅情を誘います。
お、Tさん、奇遇ですね(笑



コメント (2)
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【おしごと】フォード・V4エンジン搭載車を描く@カー・マガジン

2014-06-03 | おしごと。


日本では「フォード」っていうと、どうしてもムスタング(マスタング?)や
トーラスなどの大きなアメリカ車が想像されますよね。

でも実はフォードって、世界企業。
1911年にはすでに欧州に販売網を拡げんとイギリス・フォードが設立され
モデルTの英国生産をスタート。
そして1931年にはドイツでもドイツ・フォードの工場が稼働を開始、
同じくモデルTの製造に着手しました。

つまりヨーロッパ・フォードも、すでに100年を超える歴史を持っているのです。


だけど日本では販売戦略上か、知名度の問題で「ヨーロッパ・フォード」という
存在を全面的に押し出してきませんでした。
そのため、それだけの歴史を持ちながらも、欧州の他のメーカーに比べて知名度があまり無く、
車種も日本ではレースやラリーで活躍した車種以外は、
あまり知られていないものが多いのではないかと思います。


イギリス・フォードとドイツ・フォードは当初は前述のように
アメリカ・フォードのモデルTをノックダウンで製造していましたが、
1932年にまずドイツ・フォードがドイツ専用モデルの「ケルン」を発売開始。
一方のイギリス・フォードも同じく1932年、モデルYという
イギリス独自のモデルをラインオフします。
こうして、ドイツ/イギリスぞれぞれのフォードは、
同じ社名を持ちつつも独自のカラーを出して行くことになっていきます。


そして両国フォードは、1960年代後半にヨーロッパ・フォードとして事実上統括化。
これ以降は同一モデルを両国で製造するスタイルに変わり、それは現在でも続いています。


ところで、ずっとお仕事をさせていただているカー・マガジンさん。
最新号となる2014年7月号(5/26発売)の巻頭特集は、
その「ヨーロッパ・フォード大特集」だったのです。
実にカー・マガジンさんらしい特集ですよね。シビれます!





そんな素敵な今号の特集で、
僕も寄稿をさせていただきました。
それが、1970年代にヨーロッパ・フォードではメジャーだった
「V4エンジン搭載車」のイラスト&エッセイです。

ブ、V4エンジン!?


V4エンジンはバイクではホンダのVFRやRVF、ヤマハのYZR、VMAXが真っ先に思い浮かびますし、
クルマでもいにしえのランチアが狭角V4エンジンをフルビアなどに搭載し、
ラリー・フィールドで活躍しましたのはご存知の通りかと思います。

とはいえ、ぱっと思い出しても、そのくらいしかないんですよね、採用例が。


だけど、実は一時期のヨーロッパ・フォードでは、ドイツ/イギリスともに、
V4エンジンは極めてメジャーな存在だったのです。


最初にV4エンジンが登場したのは1962年に登場したドイツ・フォードの「タウヌス12M」
俗にP4と呼ばれるこのモデルは、小さいタウヌスとしては三代めにあたるモデルです。
1.2L/1.5LのV4エンジンで前輪を駆動する、画期的なファミリーカーでした。
アメリカでの製造販売も予定されていたのですが、それは計画だけに終わってしまいました。

タウヌスP4は1967年にスクエアなボディを持つ「P6」型にモデルチェンジ。
車名も「タウヌス15M」となります。
エンジンはそれまでの1.2L/1.5Lのほかに1.7Lも用意されました。


絵には描いてないけど、タウヌスP6。なかなかのグッドデザイン。



P4とP6は「小さいタウヌス(勝手に小タウヌスと命名)」なのですが、
「大きいタウヌス(大タウヌス)」もラインナップされていました。
ややこしいことに、
1952年から1968年のあいだにドイツ・フォードで製造された乗用車は
サイズの大小に関わらずぜんぶ「タウヌス」(涙)

なので、「P4」「P5」などの数字も、
たとえば小タウヌスはP4→P6、大タウヌスはP3→P5→P7だったりと、
数字の順番を見ても車種の大小がわからないんです(涙


大タウヌスでは三代めにあたるタウヌス17M(P5)がV4を搭載していました。
タウヌス17M、20Mがラインナップされ、後者ではV4エンジンに2気筒追加したV6エンジンを搭載。
リーズナブルな価格もあって、高級車市場では健闘しました。
駆動方式はコンベンショナルな後輪駆動です。
V4エンジンはその後P7(四代め大タウヌス)まで使用されました。


タウヌス17M。笑っているような個性的な顔以外は実はとってもコンサバなデザイン。


いっぽう前述のようにドイツとはまた違った英国流に彩られていたイギリス・フォードでも、
ドイツ・フォードにならってV4エンジンを開発。
前者がケルン製のため、イギリス・フォードのV4は製造地の名前をとって
「エセックスV4」と呼ばれました。

イギリス・フォードではこのエンジンをそれまで直4を積んでいた
コルセア」に1965年以降搭載しています。
排気量は1.7L(1.66L)、と2Lだったので、その数値でケルン製かどうかを見分けられました。


このほかV4エンジンは、ドイツとイギリス両フォードが統括されたのち
両国での生産を考慮して1969年に登場したスペシャリティカー「カプリ」にも積まれています。
V4はケルン製が1.3L/1.5L/1.7L、エセックス製が2Lでしたが、ドイツ製には
前者が、イギリス製には後者が搭載されました。
カプリといえばV6エンジンを搭載したRSが欧州のレースシーンを席巻したことで知られますが、
最初のころはV4エンジンだったのは意外ですよね。


また、共通設計により両国で製造され同じくV4エンジンを載せたクルマに、
商用バンの「トランジット」があります。1.7Lはケルン製、2Lはエセックス製で、
まさにドイツ/イギリス・フォードの統一を象徴するような
ラインナップとなったのが特徴です。


マッチボックス製かな?子供のときミニカー持ってたなー。



そしてこのコンパクトなV4エンジンは、
フォード以外の「エンジン搭載に関して制約のある車種」にも供給されました。

それがサーブ96とそれをベースにしたスポーツカー、「ソネット」、
フランスのマトラのスポーツカー「M530」です。

欧州ではメジャーブランドだったフォードのV4エンジンは彼の地では部品供給等にも
問題が無かったこと、また、前輪駆動用のコンポーネンツもあったことが、
このエンジンが選ばれた理由であるはずです。


いかにもヒコーキ屋が作りました!という奇抜な設計が特徴のサーブ96には、
当初2ストロークの3気筒エンジン(!)が積まれていたのですが、
時代が移り変わり排ガス規制に対する対応に迫られた際に
2ストロークエンジンでは限界が出てしまいました。
その小さなエンジンを置き換えるには、フォードV4エンジンはまさに最適でした。
サーブ96には1.5L(ケルン製)が1980年の製造中止まで供給され続けています。

サーブでは「ソネット」というアメリカ市場向けに開発された2座スポーツカーにも
V4エンジンが積まれました。
ソネットはソネット2で市販化に成功していますが、
もとは96をベースにしたクルマですので、
96が「96 V4」に移行したのに伴い、ソネット2も96と同じ1.5Lを積むことになります。

ソネット2は1970年にボディをスキンチェンジしてソネット3に進化しますが、
エンジンは同じく、1.5LのV4のままでした。


これがソネット3。カクカクしててかっこいい!


マトラM530は、世界初の量産型2+2ミッドシップカーという栄誉を持つ、
フランスの小型スポーツカーですが、このクルマにもフォードV4が選択されています。
純然たるスポーツカーというよりは
2+2のスポーティカーのイメージをもって開発されたM530なのですが、
小さいボディで2+2ミッドシップを実現するためには、フォードV4の存在は必須だったのでした。
M530にはケルン製の1.7Lが用意されています。

フランス以外からは絶対に登場しない不思議なデザインのM530ですが、
一時期はアルピーヌよりも売れそこそこの成功を収めることになりますが、
1969年、マトラがクライスラー系の一企業になったことにより、
「ライバル会社フォードのエンジンを使うなぞまかりならん!」ということになり
数年後の1973年に惜しくも製造を中止することとなりました。

M530の後継が、比較的我が国でも前席3座で有名な「マトラ・シムカ・バゲーラ」になります。
エンジンは、もちろんシムカ(クライスラー系)でした。


霧の中のマトラ・シムカ・バゲーラ。
ああ、こういうシチュエーションたまらないです。もやもやした風景が好き(汗



今回はそんなクルマたちを集めて、描いてみました。この投稿の赤い車名が描いたクルマです。
カー・マガジン副編集長Uさんの「スポッターズガイド」風にしてみては?という
アイデアを戴いたことで(ありがとうございます!)、
あえてクルマの下の影を取り、
クラシカルな感じを出すためにフチを淡く、べた塗り気味で描いています。
ちょっと新しいでしょ?^^


スポッターズガイドってこれです!見たことある方も多いかも!


WEBの画面よりも本誌のほうが綺麗に掲載されています(*^^*)ので、
カー・マガジン最新号2014年7月号(5/26発売)を
書店/通販などにてぜひぜひお手にとってご覧くださいませ(≧∇≦)






>>小林旭の「自動車ショー歌」にも「タウヌス(タウナス)」が出てきますし、
ドラマ「ザ・ガードマン」にもタウナスが劇中車として印象的に登場しています。
当時は正規輸入もニューエンパイヤモータースなどで行われていて、
比較的よく売れていた外国車だったようです。

>>楕円ライトが特長のタウヌス17M(P3。大タウヌスの二代め)。ザ・ガードマンで活躍。
タウヌスといえばこの顔、というイメージがありますね。




>>そして宮城のとある中古車屋さんには...
当時の正規もののタウヌス17M(P5)が売っているのです...
ううう、見に行きたいーーー!
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【シトロエンな話】拾った画像でAMI(アミ)シリーズまつり。

2014-05-26 | シトロエンな話。



1960年代に入ったばかりのシトロエンの販売ラインナップは、とても変わっていました。



というのも、下は2CV、上はDS/IDシリーズ「しか」無かったのです。
トヨタで言えば、ヴィッツとクラウンしかない、って感じです。


そんな、このあまりにもぽっかり空いた「穴」を埋めるべく、シトロエンが用意したのが、この「AMI(アミ)シリーズ」。


1961年に登場した最初のアミは、「AMI6(シス)」。
新しいシリーズとはいえ、外皮以外は2CV、というあたりが
いかにもフランスって感じなのですね。
まあその話になれば、初代ルノーサンクも中身はR4ですものね...。





ほんとにこのクルマ、中身はエンジンの排気量など以外は、
単純な設計ながらもとんでもないほどの組み立て精度で作られていたフラットツイン、
前後関連懸架、4速ギアボックス、ボディのコンストラクションの方法にいたるまで、
実は中身は「まんま2CV」なのでした。
なので、派生で新しい車種を出しました!と謳った割には、
シトロエン社内では2CVと同じコード(Aタイプ)で呼ばれていたそうです。




AMI6 なんで、どうしたらこんなデザインが出来るんだw


最初のアミ、「AMI6」は、「げじげじ眉毛の歯抜け口」とまで言われたヒョウキンな顔、
クリフカットと呼ばれる大胆なルーフ後端の処理、
2CVとはまた違った手法でプレスを入れて強度を持たせた外板など、
われわれ日本人の目からは明らかに「おかしな」スタイルなのですが、
彼の国のひとたちにすれば、機能が形作ったデザインであって、
経済的で、中が広く、荷物がつめれば外観は意に介さないということなのか、
AMI6は実際によく売れ、1966年にはなんとフランスのベストセラーに(涙
そういうところもまた、フランス人、そしてフランス車が好きなところなんですよねぇ。



クリフカットに注目 この処理によって後席の頭上空間確保も実現していた


ちなみに、AMI6の名称は、
「L'ami6(ラミシス)」=「La missis(ラミシス、夫人)」と名前を掛けたもので、
モータリゼーションが発達し、セカンドカーとしての重要も出始めた時代、
ミセスが乗れるクルマとしての性格付けもあったようです。
ちなみに、英語でいう「ミス」は、「La misses」になります。
さらには、「AMI」は、「友達」という意味です。






2CVに負けず劣らす軽く(700kg無かった)、2CVよりもパワフルで空力性能もよく、
最終的には32PS版になったAMI6では115km/hくらい出たらしい。
これは2CV乗りならわかるんですけど、「うらやましい」速度ですよねw


デザインは、DSを手がけたフラミニオ・ベルトーニ。
むかしの本では、情報が少なかったのか、
DS/ID(Dシリーズ)が「ベルトーネ」の作だと書かれていることがありますが、これはむろん間違い。
ただし、彼、フラミニオ・ベルトーニのことを書くと長くなるので、それはまた別の機会に譲りましょう。
なお、AMI6が、彼の最後のデザインしたシトロエンになります。



Dシリーズとの類似点はデザイン的に多分にあり、ステアリングやドアノブなどは、共通したイメージになっており、
メーカーとしては2CVの豪華版というよりは、小さなDシリーズを作りたかったのでは、
と思わされます。






AMI6には、その後1964年、ブレークボディが追加されます。最初から用意されていたかのようなグッドデザインで、
実際、AMI6の生涯の中で、その後半の販売のほとんどがブレークでした。
2CVの経済性とトラブルの無さ、
それに2CVのように我慢をたくさんしなくてもいい
「ふつうのクルマ」としての外観と装備、そしてブレークボディによる
収納性と汎用性。たしかに、AMI6ブレークはとても魅力的です。






こういう60年代的カタログ写真を再現したい...。



ですがさすがのAMI6も、発売以来7年が経過し古さも見えてきたため、大幅なフェイスリフトを行います。
名前も「AMI8(ユイット)」に変更になり、フロントマスクは歯抜け口も多少、ふつうのクルマぽくなりました。




とくに大きな変更は逆反りデザインのAMI6のクリフカットが無くなって、
「ハッチバック風」なファストバック・デザインになったことです。
「風」なのは、ルノーなどがもうハッチバックをR16などで積極的に採用していたのに、
AMI8は独立トランクの「サルーン」だったためです。


この写真がまたいいねw


また、内装はクラッシュパッドがダッシュボード全面に張られたり、
プラスチックの色使いが変わったりして、大きく印象を変えています。


ただ大きな変更は正直、メカニズム的にはほとんど無くて、6が8になって、
その数字の変わった意味は何だ!って感じですw


1969年にはブレークもAMI8に進化。後ろから見るとAMI6とAMI8の違いは
サルーン(ベルリン)ほどわかりやすくないのですが、AMI8はテールランプが
ベルリンと同じなので、それで判別できます。




AMI8ブレーク


なおAMI8は1978年まで製造されました。1978年って201系が出る1年前じゃないかw
それなのにこんな古典的なデザインのクルマが作られてたんだなあ。



そしてAMIといえば忘れてはいけないのが、1973年、AMIシリーズに追加になった「AMI SUPER(シュペール)」。
なんと、AMIのボンネットにひとクラス上に用意されたGSシリーズの1015CC空冷フラット4を詰め込んだモデルです。




1015ccのフラット4は、53PSもあり、AMI8の32PSの倍近いパワーで、145km/hまで
古いAMIのボディを引っ張ることが出来ました。




2CV派生のAMI6、AMI8が2CVと同じくダッシュから「生えた」シフトレバーを前後にぐりぐりするのと違い、
エンジンがGSのAMI SUPERは立派なフロア・シフトを持っていました。


だいぶ近代的な内装


ただし、GSとAMI8の間を埋めるというニッチな性格が災いしたのか、
シトロエンが経営危機に陥りプジョー傘下に入ったことによるものか、
わずか3年で姿を消してしまいました。その生産台数はわずか4万5000台程度だと言われています。

なお余談ですが、AMI SUPERに1015cc(GSの初期のエンジンですな)が積まれることになったいきさつには、
「GSがアンダーパワーの評判をなくすために1220ccに移行、
そこで余ってしまった1015ccユニットを消費する」という事情があったそうですw
でもいかに軽いAMIを持ってしても、1015ccユニットの欠点であった低速域のトルクが足りないところは補えず、
AMI SUPERも1015ccのGS同様、「まわしにまわして」乗る必要があったそうです(涙


なお、AMI SUPERにはブレークももちろんありました。
個人的にはAMI SUPERのブレークなんて、すごくいいなあ。





ちなみに、このAMIシリーズの後継が、VISAシリーズになります。
AMIシリーズはこんなに突飛な外観なのに、生涯を通じて売れた車種にあたり、
その総生産台数は184万台に上るそうです...。



>>ie的には、シトロエンのフラットツインモデルは大好きなので、DIANEと並んで、
いつかまた「フラットツイン・シトローエン」を手に入れるなら、
このAMIだろうなって、勝手に思ってますw

>>なお、AMIの派生モデルで有名なものに、「M35」があります。
これ、れっきとした生産車で、1969年から2年間、267台が販売もされたのですが、
その販売相手は吟味され(長距離使うユーザだったそうだ)、テスト環境ではなく、
実際に使用してみて耐久性を見よう、という大胆な作戦だったのですが、
なぜこんな販売・テスト方法をとったのかというと、
何しろこのM35、シトロエンが次世代エンジンの夢として
NSUと共同開発したヴァンケル・ロータリーエンジン搭載車なのです!
しかも足回りは、AMIシリーズ派生なのに、ハイドロニューマチックだったのだ(驚





>>ボディはあのユーリエ製。価格はなんとGSより上に位置していたそうです。
ただし、実際には低速域でのトルク不足、悪い燃費(このあたりはマツダも散々苦労したところ)、
しかもエンジンはすぐに壊れてしまったそうです(哀

>>ただ、このM35の成果として「GSビロトール(Birotor=ツインローター)」
がGSシリーズの切り札として登場するのは有名な話。
でもこのビロトールも、結果としては...になってしまいました(涙



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【おしごと】アヴェンタドールに乗りました&描きました

2014-05-09 | おしごと。


ということで復活を果たしましたマイブログですが、今しばらくはおしごとの発表をさせてください^^


カー・マガジンさんでも記事やイラストを載せていただいています。
絶賛発売中の最新2014年6月(432)号の巻頭特集は
【クルマ通10人が選ぶ「感動したクルマ」】。

こちらにランボルギーニ・アヴェンタドールのイラストと記事を載せて頂きました!




アヴェンタドールには実際に運転しました。
いつも実用小型車などを話題にしているぼくですが、
でも元来はスーパーカー世代なのです。
やはり、クンタッチ(カウンタック)などの系譜にあるアヴェンタドールのド迫力には
クルマ好きのハートはぐわんぐわん揺すられました!




低く、見事なまでのウェッジ・シェイプ。
ドライバーの背後に大きなパワーを抱えた物体が潜むことを示すボリューム感。
跳ね上がるドア。太いサイドシル。徹底して反復される六角形のモチーフ。
車内に並ぶ無数のスイッチ類(これも徹底して六角形)。
コンソールの赤いカバーの下に潜むイグニッションスイッチ。
過剰なまでのエンジン始動音。アクセルをベタ踏みすれば脳味噌が飛んでいってしまう加速。
そして4000万円を越える価格...!
アヴェンタドールは、非日常感の演出も含め、すべてが、やはり、スーパーカーだったのです。
様々な要素に無条件で「男子」を感動させる要素が詰まっていました。
そう、子供のころに見た「夢」のクルマは、まだこうして、
エコカーがメインになったこのご時世にも存在するのです。
なんて素晴らしいことなんでしょう!





>>さすがに700馬力は速かったー!

>>しかしまったくもってぼくと現行スーパーカーってイメージが合いませんね^^
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【おしごと】ティーポ300号でインプレを書かせていただきました。

2014-05-07 | おしごと。


すごく久しぶりの投稿になってしまい申し訳ありませんでした。

盛んに(笑)ネットでの活動はしていたのですが、主体をフェイスブックに移していたのです。
また、しばらくここを更新していない間に、いろんなことがありました。

まずクルマですが、VISA+C5の2台を一昨年C4クーペVTRに乗り換え、
昨年8月にさらにプジョー309(しかもSI!)に乗り換え、
仕事もイラストレータ&ライターで正式に活動開始することになりました。
ですのでもうハンドルネーム「ie」はなく、今後このブログでも「遠藤イヅル」として
書いて参りますので、みなさま今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

復活の第一弾は、その「おしごと」のご紹介。



今月発売(5/7)で、自動車雑誌Tipo(ティーポ)はついに300号!

この記念すべき300号の特集は、
ズバリTipoらしいクルマを集めに集めた「ティーポなクルマ大集合!」です。
メッサーシュミットKR200からタイサンF40(!)まで
幅広いクルマたちが取り上げられていて必見ですよ!
この記念すべき節目の特集内で、2CVをはじめとして
何台かインプレッションを書かせていただいております~*^^*

ほんとうに有り難く思います。



大抵のクルマは車輪が4つで鉄とゴムとプラとガラスで出来ています。
でもその性格、性質、出来上がりは驚くほど千差万別。
【クルマはみな同じ】なんてことは絶対に無いのです。
その違いの面白さをなんとかしてこれからも伝えていきたいと思いました。

みなさま、ティーポ300号はほんとうに必見ですよ!
(大事なことなので2回言いました(笑

書店・コンビニ・webなどでぜひぜひお買い求めください^^



>>ちなみにフェイスブックは、個人用と「イラストレータ」としてのページがそれぞれありますので、
ぜひ見てみてください。個人用は全体公開があまりないので、もしフェイスブックをしていらっしゃったら、
友達申請をいただければ幸いです。
イラストレータとしてのページにはいろいろ載っていますが、こちらにも
どんどん掲載していこうと思います。

>>まあ、フェイスブックでも基本的にはこのブログでやっていたことを書いているので、
目新しさは無いかもしれません(汗

>>とはいえ、いまこうしてクルマ関連のお仕事をさせていただけるようになったのも、
10年前からコツコツと書き綴ったこのブログと、支えてくださった皆様のおかげです。
改めまして、ありがとうございます!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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【セダン蒐集癖】Vol.282 VWらしいド級高級車、その名はフェートン

2012-08-20 | セダン蒐集癖。



VWといえば、ビートルやゴルフといった「大衆実用車」という印象が強いのですが、
最近ではそのゴルフクラス...ゴルフV(5)くらいから「プレミアム化」が進み、
実用車でありながらも高級感あふれる内外装を持つようになってきました。


ところが、やはりそんなVWといえども、
高級車路線化の一環として高級車をラインアップに持ちたかったのでしょう。
当時のフォルクスワーゲンの取締役会会長、フェルディナント・ピエヒ自身の旗振りで、
VWはDセグメントのパサート=ライバルはBMW3シリーズやメルセデスCクラスの存在では物足りず、
さらに上級の「Fセグメント=メルセデスSクラスや同門アウディA8など」の市場を狙った
意欲的な最上級車種を2002年のジュネーブショーに登場させます。


それが、このフェートンです。

VWの最上級車種であり、同社の象徴でもあるフェートンは、
ドイツ・ドレスデンにあるグレーゼル・ マヌファクテュア(Die Glaserne Manufaktur=ガラスの工場)」と称される
製造工程が外から見える構造のフェートン専用工場で1日に30台程度が製造されているとされます。



ガラスの工場 ベントレーも生産したことがあるとか


直訳すると「国民車」となるVWがド級の高級車を出す、という矛盾のようなものを
2002年当時も多くの人が感じたとは思いますが、この車の存在意義は
「新しく生まれた『豊かな大衆』」に向けた高級車」というスタンスだったようで、
実にVWらしい考え方だなと思わせますよね。


Fセグメントに属するだけあってフェートンのボディサイズは
全長5055×全幅1903×全高1450mm、ホイールベース2881mmという堂々たるもの。
太いCピラーが特徴的でしたが、
でも全体的にはデザイン的には押し出しは強くはありません。


エンジンは、アウディA8やベントレー・コンチネンタルシリーズにも搭載される
6LのW12、5L V10TDI、4.2L V8、3.2L V型6気筒エンジン、3.0L V6TDIなど豊富に用意され、
駆動方式はV6搭載車以外には「4モーション」(VW自製のフルタイム4WD)が標準となっています。


ところが、このフェートン、残念なことに本国ドイツをもってしても販売は芳しくなく、
頼みの綱とも言えた米国市場からも2006年には撤退、
日本には正規で導入されませんでした。


ただ、2012年もVWのラインナップでは変わらず存続しており、
内外装も最近のVWファミリーに準じたものにアップデートされている(フロントセクションはほぼ一新)ので、
10年前に登場した車には見えません。

現在、フェートンは欧州やアメリカでの販売よりも、VWにとっても大事な市場である
中国市場における富裕層をターゲットにすることにしたようで、
北京や広州にはなんとフェートン専用店舗もあるというチカラの入れよう!
それなりの成功を収めるに至っているようです。



中国向けプレスの写真。ナンバーが中国ナンバー!



>>それにしても日本未導入のフェートン、並行で入っていたのですね。
見かけたとき、感動して思わず「すっげー、フェートーン」って声だしちゃいました(汗

>>フェートンは「新しく生まれた豊かな大衆」に向けたクルマであるならば、
まさにいま、中国市場がメインで販売されていることに大きな意味があるように思えてなりません。
それにしても2002年当時、このクルマが中国で成功することを想像できた人はいたでしょうか(^^;

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【いう゛ぇんと】第11回東京ドイツ村オフに行ってきた。

2012-06-30 | いう゛ぇんと



ちょっと前の話になってしまいましたが、今年もとくさん主催の
東京ドイツ村オフに行ってまいりました。

今年でなんと11回目(11年!)を数えるこのイベント、実はieは2005年から欠かさず行っております。
前回のエントリー(イベント告知)にも書いた通り、このイベントの素敵なところは、
「特に予定が無いこと」。
最初の自己紹介も、最後の集合もありません(笑)。
周回式の駐車場を生かした試乗体験、バーベキュー、芝生でのんびり、など、
とにかく、自由ということなんですね。

時期的にも暑くもなく寒くもなく(まあ実際には晴れれば暑いし雨降れば寒いのですが)、
新緑の芝生を眺めれば気持ちもすっきり。
毎年の楽しみの一つなのでありました。

ということで、今年も行ってきた次第なのです。


もとはtwingo系のイベントだったのですが、その後ルノー主体となり、
いや実際にはもうメーカーも国籍も不問となり、
最近はプジョー・シトロエン、BMWなどの車種の参加も
大幅に増え、より一層ゆる~い集まりになりました。






こんな感じで、VISA、DS3、206、ゴルフ3、BMW X3、M3、アルファMITO...などなど、
メーカー固定系イベントや仏車のイベントでは見られない光景が◎なんですねえ。





とはいえもとはルノー系のイベントだけあって、ルノー各車は今年もさすがの参加台数。
ルーテシア/クリオは1、2、3の全世代が集合しました。



メガーヌ3のRSのblancheが2台も!それにしても、このかっこよさ。
フォルムといい、細かなディティールといい、デザインに手抜きが無いように思うんです。
ところで先日出た新型カローラのデザイナーさんは、
「新型カローラはデザインしつくしました」と言われていたそうだけど...(涙
このデザイン、存在感。これがルノーのメイン基幹車種なんですから、
ルノーというメーカーの底力を感じますよね。



そして赤いアルピーヌが、なんと2台!V6TとA610。
その戦闘的な2台に対して、横にいる屋根を取り払ったプルリエルのほのぼのさと言ったら(涙



さらに!「ついにドイツ村に来た」、シトロエン2CVとDS。
シトロエン系のイベントでは珍しい存在ではありませんが、もとがルノーの集まりだったドイツ村オフでは、
「ああ、ついに!」という感じで、主催のとくさんとちょっと感動しました(^^



これもまたこの日の白眉だった、ジャンピーの欧州仕様、6MTディーゼルターボ。
環八お茶会では何度か座らせていただいたりしたのですが、この日は念願叶って、
そのステアリングを握ることに...。
さすが欧州のディーゼルターボ、その乗りやすさ、パワフルさは素晴らしい。
そしてこのジャンピー自体も、商用車が出自でありながら、見晴の良さ、操作系の自然さ、
乗り心地の良さ、ステアリングフィールの正確さ、そしてシートの快適さが素晴らしい!

ルノーのマスター、トラフィックなどもそうですが、
向こうの商用車の出来の良さには毎回驚かされます。これで仕事したい(涙




毎年その勢力を少しずつ減らしていくTWINGOですが、今年は4台も集まりました。
時代の流れですべてカラーバンパーのフェイズ2以降ですが、
そのためもあってか、このカラフルなこと!カラフルなだけではなく、4台それぞれの色が違うのも見事です。



だいたい午後は自動車メーカーのTVCMやカタログ撮りにも使われるほどのドイツ村のロケーションを利用して、
撮影したりするんですが、わがVISA代も、お花畑の前でパチリ。
しかしまあ、このクルマの「愛くるしさ」、ただごとではないですねえ(^^





>>...と、この日も最後までこんな感じで写真撮ったり、クルマに乗せていただいたり、
ドイツ村の食堂でバーベキューをしたり、とにかくまあ、のんびりしました。楽しかった。
何かをしたってわけじゃないのですが、それがいいんですよね。


>>とくさんほか、主催のみなさまありがとう!
来年も必ず行くぞー!

>>過去のこのブログのドイツ村記事(と、参加したときのクルマ)です~。
2011年 シトロエンVISA
2010年 シトロエンC5
2009年 シトロエンC5
2008年 サーブ900
2006年 プジョー505


2005年 ルノーエスパス
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【セダン蒐集癖】Vol.281 今みるとすごいボリューミィ 5代めグロリア(330型)

2012-05-09 | セダン蒐集癖。

基本的にはなんのクルマか、ほぼ100%当てられるieなのですが、
古いクルマ...しかもランプ類で差別化を図るような兄弟車ともなると、
さすがにその違いをもう忘れがちです。

ということで、前回の430型グロリアに続いて、今回はさらにひとつ前の世代、
330型グロリアです。


正直、これ、セドリックか、グロリアか、どっちか迷いました...。
精一杯記憶を辿り、ああ、連続してるランプなので、これはグロリアだ、って思い出しましたけど、
それ以上のこと...これが前期なのか後期なのかを思い出すのは、ちょっと大変でした(汗

ええと、これ前期型であってます?(汗



というわけで、この個体は、330グロリアの4ドアHT、グレードは「SGL-E」。

なお、厳密に言えば4ドアHTモデルは「セダン」ではないのですが、
この「セダン蒐集癖(しゅうしゅうへき)」では、
類型としてのセダンボディや、スバルR2やVWビートルのような「2ドアセダン」まで、
幅広くカバーすることにしています(しかも投稿日前後に撮影して、ナンバー付きのもの)。
なので、4ドアHTも、セダン蒐集癖の対象にしております。

このコーナーでは以前、330の(セドリック)セダンは取り上げておりますが、
それにしても、今見るとずいぶん抑揚のあるデザインですよね...。
バンパーはボディのデザインに溶け込みつつある時期ですが、思い切りメッキ・バンパー。
そしてリアドアのウインドウも、下端部がすごい勢いでキックアップされています。
5ナンバー枠いっぱいの4.7m×1.7m以内のボディですが、
それを感じさせない押しの強さとボリューミィな造形が今見ると新鮮ですよね。
230型の正常進化版ともいえるデザインかもしれません。

ダンツー調の内装、ボッチのついた家具調の、「沈むだけの単に柔らかいシート」に身を預け、
あまり回りたがらない、ひゅるひゅると音立てるL20エンジンのノートに耳を傾け、
窓全部あけてBピラーのない解放感を味わいつつ、
オートマでだらーんと乗るのもかっこいいなあ。




>>なんとなく、いまの「華流デザイン」を持つセドグロの後継車「フーガ(の2代目)」が、
この妙に抑揚のあるデザインを持つ330型を思い出させるんですよね。

>>いつもながらのことなのですが、こういう国産旧車をしれっと流すように乗るのも
かっこいいなーなんて思ってしまいます。

>>330型だと、刑事ものドラマではどれがもっとも「らしい」のかな?
「大都会PART3」?「西部警察」は当然だよねw
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【いう゛ぇんと】第11回東京ドイツ村オフのお知らせ>今年は5/13(日)開催!

2012-05-08 | いう゛ぇんと





毎年恒例、春の超お楽しみのんびりイベント、「東京ドイツ村オフ」。
今年もその告知でございます。いよいよ今週末、5/13(日)に開催です!


不肖ieも、2005年から参加させていただいている、
とくさん主催の毎年とても楽しみにしているイベントです。


ドイツ村オフの良さは、「特に予定が無いこと」。
周回式の駐車場を生かした試乗体験、バーベキュー、芝生でのんびり、
などなどとにかく自由。
参加者の最大勢力は毎年ルノーですが、実際にはメーカーも不問、製造国も不問な
ゆるゆるさが魅力です!
昨年はプジョー505などもお越しになられています(し、自分でも数年前に行ってるw)。





特筆すべきは、このドイツ村、駐車場が園内の周回路自体がそれなので、
この周回路を利用して、ご参加の方々の好きなクルマを
オーナーさんのご厚意でたくさん乗れる(もちろん自らの運転で!)ことです。
安全運転が絶対ですが、それでも1周の距離はそこそこあるので、
かなり楽しいですよ!






ということで、みなさんドイツ村でお会いしましょう(^^
参加希望、場所、日程などはとくさんのブログをご参照ください~。
(このブログに参加表明コメントいただいてもOKです!また飛び入り参加もお待ちしています)



>>過去のこのブログのドイツ村記事(と、参加したときのクルマ)です~
2011年 シトロエンVISA
2010年 シトロエンC5
2009年 シトロエンC5
2008年 サーブ900
2006年 プジョー505
2005年 ルノーエスパス
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【くるま】外車、夢の80年代(その2)

2012-04-03 | くるま。




「まだ外車が外車だったころ」...1980年代の雑誌を見て涙を流そうという記事、
「外車、夢の80年代(その1)」の、ようやく続きでございます。
お待たせいたしました(汗


ちなみに、1984年のCG誌の外車特集の中身が渋すぎて、
明らかに一般向けじゃないそのラインナップに泣くという記事もその前にあったりします(^^;



さてさて、前回同様、ネタ本は、「ル・ボラン」の1983年6月号。
「その2」では、チラ見せしたもう一個の素敵な特集、「ヨーロピアン・ミニ・ワールド」をお送りいたしましょう。

この特集の前口上は、
「ライバルに差をつけたい!
これはカー・マニア共通の夢である。(中略)自己主張をさらに満足させたいのなら、
個性豊かなヨーロピアン・ミニに限る(後略)。」





で、内容は、1983年当時の欧州小型車11台を集めた比較試乗記事になってるのですが、
その11台は、以下。


・Fiat PANDA 45
・Innocenti Mini
・BL Mini 1000
・Autobianchi A112 Abarth
・Renault 4 GTL
・BL MG Metro 1300
・Renault 5 GTL
・Citroen Visa GT
・Lancia Delta 1500
・VW Golf Ci
・VW Jetta Ci



ご覧のように、クラスはバラバラではありますけど、
イタリア、イギリス、フランス、ドイツ各国の、
魅力的で、いまよりもキャラクタが濃厚で個性的、お国の違いが顕著に現れていた頃の
クルマたちを11台、うまい具合に集めてます。



一応、ページ構成的には3セグメントに分けて説明してあるので、早速見てみましょう...。


そのひとつめ...。




ご覧の通り、まずはパンダ、A112、ミニ、イノチェンティミニの今で言う、Aセグメント対決です。

パンダは「45」ですので、まだOHVで、リアにオメガアクスルも持たない初期型。
それにしても平面ガラス、ハンモックシートなど、
ミニマムな仕様で最高のパッケージやデザインを持ったパンダは、
いまもって魅力いっぱいですね。
鉄板グリルの初期モデルは、ジウジアーロの描いたパンダの設計思想をより濃く出していますよね。

ミニ1000も、クラシックなスタイルでも、初代ミニ末期の「クラシカル風」でもなく、
シトロエン2CVクラブのような「中途半端な近代化」が施された頃会いで、
そういうところが80年代ラヴな自分には萌え萌えですねえ(^^

イノチェンティミニは、非デトマゾ!すごくクリーン、すごくプレーン、
すごくモダン。さすがガンディーニだと唸らずにはいられません。
この写真見て、ますます欲しくなってしまいました(って、どこにも売ってないよw)。
ちなみに、外観はこんなにモダンですが、中身は「あの」ミニのままなんですよ。
エンジンは最初はミニのA型そのもの、998ccと1275ccを積んでいたのですが、
82年にはダイハツ・シャレードの3気筒に変更されました。

なお81年にマイナーチェンジされる前は、もっとプレーンで質素なデザインでした。




A112はジュニアだとなおよかったんでしょうが、ここはイタリアン・スポーツとしての
参戦ということになっているようです。
でもいまや貴重になった、ヘッドライト下にターンシグナルランプがついた後期型の「初期顔」ですね。
日本に入っていたのは1050ccの70HP版だったでしょうか。
ああ、いいなあ、サソリ飼ってみたい、一生に一度は。



続いてふたつめ。



ルノー4GTL、MGメトロ、ルノー5GTL、シトロエンVISA GTの4台で、いうならばBセグメントにあたりますでしょうか。

ルノー4GTLは2CVと並ぶフランス濃縮袋のひとつですね。
ルノー4(R4)は、ルノーらしさ・ルノーの良さがたっぷり詰まった、良い意味での旧さを持っています。
濃厚なルノーの味、そしてフランス車の味もこれでもかと押し寄せてくるのです。
しかもそれが「我慢しなければならない」ほどの年式の古いクルマではなく、
80年代後半の「ちょっと、古い、クルマ」のレベルで運転できます。
そして実用的な車体、別段日常では不満のないパワー、トドメは1960年代そのままのスタイル。
R4は、そんな魅力で一杯なのです。
友人が乗っていたので、ずいぶん自由に使わせてもらえました。いい車だったなあ。

・のちに日本でもスマッシュヒットとなったローバー114のもとにもなった、MGメトロ1300です。
カンタンに言うと、「あの」ミニの後継車として1980年に登場しました。
メトロには、998ccと1275ccのエンジン・前輪駆動・4速トランスミッションとサスペンションなど、
Miniの機構が一部受け継がれ、サスペンションはアレグロと同じ「ハイドラガス」が採用されています。
オースチン・MGともに「メトロ」という名前でしたが、MG版はさすがに「MG」だけあって、
スポーティな味付けが施されていました。

・俗に「縦サンク」と呼ばれる、初代ルノー5のGTLです。
外観は近代的ですが実際には中身はR4のままで、縦置きのFF、左右で長さの違うホイールベースを持ちます。
初代サンクのデザインはいまもって傑作の誉れ高いものですね。
可愛いヘッドライト、短いフロントオーバーハング、得も言われぬリアのスタイル、
細くてハイトの高いミシュラン、3穴の貧相な鉄チンホイール...。
乗れば柔らかいサスが生む、優雅な大ロール。回しても回してもハンドルが切れない、
すっごくスローなステアリングレシオ。古い、ふる~いフランス車の味(^^


なつかしいなー。遠出がほんとに楽なクルマでした。


・そして、キターーー、シトロエンVISA GT
この本は1983年のものなので、1982年に日本に西武の手で導入されたVISA GTは、最新のクルマであったのでしょうね。
日本には最上位グレードのGTだけが入りましたが、ほんとは素のモデルも正規輸入してほしかったですね。
ちなみにこの本では、
「フレキシビリティの高いエンジンによる動力性能、乗り心地を重視したハンドリング、
居住性の良い室内を確保したこのビザGTは、すべての性能が高い次元で調和している優れた車」
と、ベタぼめされてます(汗



最後に、みっつめ。




Cセグメントに相当する、ランチアデルタ1500、VWゴルフCi、ジェッタCiが、この特集のトリをつとめます。

ランチア デルタ1500、いいですねえ。そう、非スポーツモデル、非HF、非インテグラーレですよ。
これもまたジウジアーロ先生の作品ですね。オーバーフェンダーのないプレーンなスタイルは、
スケッチそのまま飛び出して来たようなイタリアン・モダン・デザイン!
なおこの特集のクルマは、3ATです。イタ車なんでMTで乗りたいですけど、
こういうクルマをオートマでタラーンって流すのも悪くないですね(^^;
1500のエンジンは、DOHCではなく、リトモ用のふつうのOHCです。そんなとこも、なんだかいいのだ。




ゴルフはまだ「1」のころ。
派生セダンであるジェッタも含め、この当時からすでに「スタンダード」としてトータルで高い完成度を誇っている、
と評されています。
「市街地走行から高速クルージングまでをこなすフレキシブルなエンジン、
剛性の高い足回りによる安定した走りっぷりが光る。
装飾やデザイン面でこれといった目玉は無いが、昨日と実用性、動力性能、価格を含め、
日常の足として全体にバランスの取れた仕上がりは、世界に通じるベスト・セラーカーであることを再認識させられる」
とのことで、いつまでも、いつの時代も、「6」になった今でも、ゴルフはこのクラスのベンチマークなのですね。
それにしても、華の無いこの実用性を突き詰めたスタイル、これこそ「実用車のカガミ」。
一瞬、直線定規だけで引かれたようなデザインですが、実はどこもまっすぐなところがない。
ジウジアーロ先生の仕事の凄さを、知らされますね...。


15年くらい前に描いたゴルフ1。



>>2012年になった今、ここに並ぶ11台は、30年くらい前のクルマたちになるのですが、
古いといえば古いし、でも実際自分はVISAを日常に使っています(夏以外はw)ように、
クラシックというわけでもない。
それでいて、各国、各メーカーの特徴的な設計、個性的なスタイル、
独特の存在感はまだまだ濃密にあった、そんないい時代です。

>>そして、いま。これらの「らしさ」は薄くなったとは言うものの、
それでもフィアットはフィアットだし、ルノーはルノーだし、
ランチアはランチアだし、シトロエンはシトロエンなんですね。
まあ...ミニはBMWになってしまいましたが、でもやっぱり、ミニらしいといえばらしい。
あ、シトロエンもVISAとDS3が同じメーカーのクルマとは...いや、そんなことは、無いですよね。

>>逆にいえば、ここまでの個性があったからこそ外車はガイシャだったわけだし、
現在は、それがないからこそ、ガイシャといしてではなく、
ふつうの選択肢の俎上に乗ることが出来ているのでしょうね。


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【セダン蒐集癖】Vol.280 古典と近代との境 6代めグロリア(430型)

2012-04-01 | セダン蒐集癖。




えらく間隔が開いてしまってすみません...。

ということで、今日は前回の続き(【くるま】外車、夢の80年代(その1))ではなく、
これまた久しぶりに、「セダン蒐集癖(しゅうしゅうへき)」をお送りいたします。


今日の一台は、6代めグロリア、430型です。後期の2L、SGLでしょうか。
懐かしいですね。430型は、1979年~1983年まで製造されていました。

この430の前モデルの330型は、メッキバンパーがボディに合わせて丸目に造作されていたり、
立体的なグリル造形だったり、抑揚の大きなアメリカン調のデザインで、
「さすがに古いなあ(悪いと言う意味では無い)」って思うのですけど、
明らかに直線基調の430型は、新しい・古いでいえば「新しくはない」のでしょうが、
でも、別段、ものすごく古いデザインでは無い、と思います。

話は脱線しますが、そう思うと、1980年代に入るか入らないかのあたりに、その「古典」と「近代」の境目があるように思うのです。
現に、80年代初頭デビューのクルマは、ディティールこそ今ではもう見られないものが多い
(独立した黒いウレタンバンパー・サイドモール、というより最近はもはやバンパーの黒モールなど)にせよ、
純然たる70年代登場の車に対して、現代から見ても「ものすごく古い」感じはしないですよね...って僕だけかしら。


まあ、何はともあれ、この430型セドグロも、デザイン的視点で見れば古いけど、あまり車に詳しくない方が見れば、
へえ、30年も前のなんだ、意外!って思うかもしれないようなスタイル・ディティール・デザインだと思います
(内装は古いんですけどもね...)。

この車が出た当時からもちろん、車好きだったieなのですが、もう「こんなの売られたらいいな」っていう車の絵も描いていて、
そのころの絵を思い返すと、それまでに比べて明らかな変化を感じていたのです。

その変化とは
・「窓回りからメッキが減った」
・「バンパーが黒になった」
・「直線的な形になった」
でした。
つまり、小学生の自分にも、このころの車のデザインの変化は、衝撃的なこととして受け止められたのです。


とくに、ie少年、この430と同時期...1981年前後に出た車...たとえば
殊更430のマイチェン後のボディ同色バンパー+黒モール、
シルビア・ガゼールS110型ハッチのマイチェン後のボディ同色バンパー+端部だけ黒モール、
ZのS130の...以下略(笑)などには、、さらにさらに、ほんとに衝撃を受けるほど「かっこいい」って思ったのです。
ieの黒モール好きは、このころ刷り込まれたのかもしれません。



そうこれよこれ...FRコロナのボディ同色にも感動したなあ。変な子供だったんだなw




>>おおっと、430の話ではなく、脱線したまま終わってしまった(汗
このころのクルマらしく、デザインだけではなく電子デバイスなどの発達もエンジンパワーの増加も目覚ましく、
ECCSによるエンジン制御、日本初のターボエンジン搭載、
オートマもそれまでの古い3速ATに対して、途中から電子制御4速ATを採用するなど、
技術の日産を鼓舞するような、技術的エポックも多い車でした。

>>そう、この時代のターボと言えばスカイライン(ジャパン)を思い出すのですが、
実はグロリアが初めて。そして、このL20ETエンジンは、むろんスカイラインにも登載されることに。
こうしてしばらく、「ターボの日産」は、「ツインカムのトヨタ」へと対抗していくのでした。

>>2000ccターボの、ジャックニクラウスバージョンとか懐かしいですね。
バージョンといいつつ限定車ではなく、「カタログモデルで1つのグレード」だったんですが、
セドリックには無くグロリア専用だったあたりが、当時からプリンスびいきだったieを喜ばせました(笑
あれ、そういやY30にもジャックニクラウス仕様ってありましたっけ...。

>>こういう「古典」と「近代」の線引き、鉄道にもあります。
鉄道の場合、昭和30年代前半あたりではないかな?
このころに出た車両はまだ各地で見ることが出来ますが、たしかにいまの電車に比べれば相対的に古く見えますけど、
例を国鉄101系(昭和32年登場)に取れば、その数年前までは当たり前だった木造内装の73系とは各段の進歩ですから、
後者に至ってはどんな人が見ても「古いね」って思うのではないでしょうか。


>>ちなみに、奥のほうに写っている「着ぐるみ」は、これです...(笑

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【くるま】外車、夢の80年代(その1)

2012-01-25 | くるま。
以前、1984年のCG誌の外車特集の中身が渋すぎて、
明らかに一般向けじゃないそのラインナップに泣くという記事を書いたのですが、
今回も同様に、「まだ外車が外車だったころ...」1980年代の雑誌を見て涙を流そうという記事でございます(笑


なぜかたまに家から出てくる古いクルマ雑誌。捨てないでいた親父か、自分をほめてあげたくなります(笑
そんな今日の本は、ル・ボランの1983年6月号。
ieは小学5年生、ボトムズにはまっていたころですね(どうでもいい情報w)。





まず表紙からして、渋い。ポンティアックの6000です。ってマイナーだなあw(嬉
オールズモビル・カトラスなどと兄弟でしたっけ。

第一特集は「AMGチューン」ってありますが、それよりも(汗)やはり目が行くのが、
「現地試乗:ヨーロッパ・ニュー・モデル プジョー205/フィアット・ウーノ/
ルノー・フエゴ・ターボ/オペル・コルサTR・・・」
ですよね(笑


というわけで開いて見る。
「AMGチューン特集」はさらっと流し(汗...それでもこのころは外観も派手ではなく、
パワーアップを主眼とした「チューナー」のイメージが今より強くて面白い)、


そして現地試乗特集へ(わくわくわくわくw



で、いきなりのお出迎えが、ほい、ルノー・フエゴ・ターボ(滝涙



って記事を良く見たら、しかもターボディーゼルだった(号泣

R18(ディズユイット)をベースに作られた「スペシャリティクーペ」がフエゴ。
実はルノー・カラベルあたりからR15(ケンズ)・R17(ディセット)、そしてこのフエゴにいたるまで、
この手のスペシャリティを欠かした事のないメーカーだったりします。
いまもラグナクーペとかありますし。

シトロエンCXをデザインしたロベール・オプロンが手がけたスタイルは、
ポルシェ924風のキャノピータイプのリアハッチや、ボディ前後を貫く
飾り帯などを持ち、きわめてモダンかつクリーン。
フル4シータークーペとしての実用性も併せ持っています。

そしてハイライトのひとつであるターボ・ディーゼルは、
ギャレット製のターボ+2068ccOHCエンジンで88馬力を誇っていました。
当時の日本ではスペシャリティにディーゼルを積むという発想は
きわめてユニークに受け止められたでしょうね。



で、次。うわあ、これまたノックアウトォオオオ!



アルファロメオ スプリント クワドリフォリオ・ヴェルデ(QV)!

スッドに2台乗った(1.5スーパー 4ドア・1.2ti 2ドア)に乗ったieとしては、
あとはスッドといえばクーペ・ボディを持つスッドスプリントに乗らずにはいられない!って
ずっと思っているんですが、銀バンパーのオリジナル・スプリントもいいけれど、
いかにも80年代風の近代化が図られているこの頃のも捨てがたいですねえ。

エンジンはむろん水冷フラット4。この頃は、スプリントは「スッド・スプリント1.3」と、
この「スプリントQV」に名前が別れていて、この1.5はダブル・チョークのウェーバー
ツインキャブによって105馬力を発生。915kgしかないボディを活発に走らせます。

フロントのブレーキをインボード化するなど凝りに凝った足回りを持つ
スッド系の「夢のようなハンドリング」と、
フラット4特有のビートと、アルファエンジン特有のざらついた感触を伴った
官能的とも言えるサウンドによって、本流ではないといわれるスッドも、
やはりこいつはアルファなんだ!と思わせてくれるのです。



ノックアウトものはまだまだ続きます。
はい次はコレ!



アルファロメオ GTV6 2.5!

アルファのジュリア系の後継として1970年代中葉に登場した「アルフェッタ」をベースに、アルファ6(セイ)のV6をノーズに押し込んだのがこの「GTV6」です。
その後も164、155、156、GTV、SZなどに搭載され、名機とも呼べるアルファ6用のV6は、
さすがにアルファ6のときの「悪夢の6キャブレター(涙)」ではなく
インジェクション化(ボッシュLジェトロ)され、160馬力を発揮。
ジウジアーロデザインの2+2クーペボディは、これもまた80年代特有の
ウレタン・バンパーによってモダンに改装されています。

もとよりアルフェッタは、トランスミッションをリアデフの前に置く「トランスアクスル」方式で前後重量配分を50:50とし(GTV6はさすがにこの比率が違うと思うが)、
リアサスもレーシングカーが古くは多く採用していた「ド・ディオンアクスル」とすることで、
ハンドリングと乗り心地は抜群と言われていました。
それにパワフルなV6が載ったGTV6は、さらにGTカーとしての性格も与えられ、
イタリアンGTとしてきわめて魅力的です。
...エンジンの回転数で回るドライブシャフトが泣き所なんですけどもねえ(涙



そして、お次はこれ、当時まさしく出たばかりのブランニューモデルだった、プジョー205です。



プジョー205は、激しい競争を繰り広げていたルノー・サンクとの戦いに勝つべく、1983年に登場。
従前の104よりもひと回り大きなボディは、これまでのプジョー同様にピニンファリーナのデザインによります。
今見ても色あせませんね。
この205の持つ若々しさは、それまでのプジョーにはなかったキャラクターで、
現在のスポーティなプジョーのイメージは、この205が与えたといっても過言ではありません。

日本では販売の中心が3ドアのGTIになりましたが、本来ヨーロッパではこのGRのように
5ドアで非スポーツグレードがメイン。
グレードは下からGL、GR、SR、GTとなっていました。
スポーティな外観のGTIも魅力的ですが、何もついてないこの「素」の205もまた、
本来のベーシックカーのスタイルでなんともカッコいいです。
日本でも「automatic」などがこのGRのような5ドア、装飾なしでわずかながら導入され、購入する事が出来ました。





そして次がフィアット・ウーノ ES。



パンダの開発コードが「ゼロ」だったので、その次に開発されたこのクルマが「ウーノ(1)」になったということらしいのですが、
それだけではなく、いまのフィアットのクルマのイメージやクルマ作りの基礎となった一台です。
ウーノの前身が127だと知れば、いかにウーノが新しく、
そして今売られているフィアット各車の礎になったのかが、わかります。

これまたジウジアーロによる、クリーンでモダン、登場以来29年たっても
まったく古くなっていないデザインを持つウーノ。
1301cc、1116cc、903cc(いずれも直4)が登場時には用意されましたが、
取材対象になったのはそのうち903ccエンジンを積んだ「ES」。
「エコノミーセービング」の略を持つ燃費重視のグレードで、日本には入ってきていないと思います。

外装に限らず内装もステキ。灰皿はパンダ同様にダッシュボードを左右に自由自在に動かせ、
ポップなメータパネル、そしてサテライトスイッチなどなど、80年代らしさが横溢しています。

ウーノはその後I・DE・Aによるリスタイルを受け、後継のプントに道を譲る事になります。



しかし、この頃はほんとうに外車がまだまだ一般的ではなく、
「ガイシャ」って感じがしますよね。
バブルの前ですから、記号性っていうことでもなく、通常の「クルマ選び」の選択肢にはない、
「好きな人だけが買う」という世界。
でもだからこそ、ガイシャが外国そのもののにほひを運ぶものだったものでいられたのですね。


外車が売れるのはすばらしいことです。
でも、願わくば、やはり、乗るだけで・持つだけで、
その外車を作っている本国に瞬間移動出来るようなものであって欲しいと願ったりします。




>>うむむ、この記事、タイトルが「その1」なんだが、
「その2」はあるの?って思われた方、正解!
この号、実は後半にもとんでもなく面白い記事があって、それを載せないわけにはいきません!

>>その特集の名は「ヨーロピアン・ミニ・ワールド」。
欧州小型車11台の競演です!お楽しみに!

>>ではちら見せw


>>ちなみに、いつもお世話になっているアウトレーヴさんに、
スプリントQV、入荷中!うおお、これは見に行かないとー!
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【セダン蒐集癖】Vol.279 魅力ありすぎ、ハコスカ。スカイライン2000GT(C10型、1969年式)。

2012-01-13 | セダン蒐集癖。


2012年一回目の記事となります。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。より一層、コアでマニアックなブログを目指しますので、
みなさんどうぞご愛顧のほどを!


ということで、まず一回目はセダン蒐集癖から行きましょう。
このコーナーでも3回目の登場になる、ハコスカ(C10型スカイライン)の2000GTです。


ハコスカはVol.270で出たばかりだったりするんですが、
今回は今までの個体と違い、かなりオリジナルに近い姿でした。
しかもいまや希少な1969年型。つまり、最初の2000GTの顔です。


それにしてもこのころの車はだいたいが
下から「スタンダード」「デラックス」などといったグレード名を持っていたのが多いのですが、
その「差異」が、装備は無論のこと、外観にもそれがあり、
とくに「グリルが違う」というのが一般的でした。
いまのご時世ではそういう差別化はあまりなくなってしまいましたね。

このC10型も例外ではなく、スタンダードに比べてオーバーライダーがついたり、
グリルやホイルキャップが違ったりしてます。

C10型のエンジンは、プリンス直系のものと、日産系の両方が積まれていました。
直4の1500ccは、プリンスのもの(G15)を、
GT系の直6 2000ccは日産セドリックのものを移植(L20)していました。
ただし、GT-Rは、むろん、プリンスの技術の結晶であり魂である、S20型です。




>>ちなみに、C10型からはもう「日産スカイライン」の時代になります。
ローレルやブルーバードとの部品共用化が進んでいるのですが、
設計やシャーシセッティングに関しては、プリンスと日産では考え方に差があり、
その違いを埋めることがたいへんだったようです。

コメント (9)
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【くるま】自分のクルマのデザイナー、まとめてみた。

2011-12-27 | くるま。



いま乗っているのは、先日のエントリーでも書きましたがシトロエンのVISAと初代のC5なieなのですが、
この2台とも、デザインはシトロエンの社内デザインです。



と思ったら、過去乗ってきたクルマ、「誰が線を引いたのか」なんてまとめてみようと思ったりして。相変わらず唐突ですみません(汗
ではではスタート...。



■1989 RENAULT SUPER5 BACCARA (JAXもの、キャブ5MT、LHD)



★言わずと知れた「スーパーカーデザイナー」、ガンディーニおじさんの作品ですね。
今見てもこのクルマ、小型車の造形として完成されています。すごくいい。
バランス、細かいデザイン処理、言うこと無い。リアビューはサンク以外のなにものでもないです。


■1982 ALFAROMEO ALFASUD 1.5SUPER (伊藤忠もの、5MT、RHD)



★イタル設立後のジウジアーロの作。
小型実用車の傑作中の傑作だとieは勝手に思ってます(汗
後期モデルはバンパーなどが大きくなってますが、
このあたりにはさすがに関わっていないと思います...。
でもほんとこのクルマ、パッケージすごいですよ。後席の広さとか半端ないですもん。


■1987 FIAT PANDA 1000CL (チェッカーもの、4MT、LHD)



★これもジウジアーロの最高傑作のひとつ。
コストの安い平面ガラス、効率的なパッケージング、
なんでもほうりこめる布のダッシュボードなど、今見ても画期的なクルマ。
あー。また欲しくなってきた。ヒエラルキーって何?って笑い飛ばせる一台。

気持ちイイ風をいっぱいに窓とサンルーフから取り込んで、大きな声を出してCDに合わせて歌えば、
何も付いていないパンダには「自由」がいっぱいついていることに気づく。
45PSしかないエンジンを釈迦力にまわしきって走れば、難しいことなんざどうでもよくなる。
柔らかいハンモック調の椅子。バスケットみたいなダッシュに財布や携帯を無造作に放り込む。
薄い鉄板を通して容赦なく入るエンジンのノイズ。近い外界。車内は閉ざされた空間ではない。
道といっしょになって走る、素っ裸の感覚。素晴らしいゲタ(拙文より)。


■1976 ALFAROMEO ALFASUD 1.2ti (日英自動車もの、5MT、RHD)



★スッド2台め(笑)。言うまでもなくジウジアーロ
こっちのがオリジナルのデザイン。メッキバンパー。シンプルさがより光る。
スパっと落としたテールデザインが好きだ。


■1985 RENAULT 5 GTLフランセーズ (キャピタルもの、4MT、LHD)



ルノー社内デザインと言われている。各部のディティールやR4ベースの縦置きFFであるなど、
設計の古さはいかんともしがたいが、いまだに色あせない素晴らしいデザインだと思う。
70年代初頭にプラスチックバンパーを採用してたの、ほんとにすごい。
フランス人のプラッチック好きがうかがえる?


■1994 CITROEN XANTIA V-SX (西武もの、4AT、LHD)



ベルトーネ×シトロエン最後のタッグ。XMを手がけたマルク・デュシャンの作と言われる。
ベルトーネとシトロエンの蜜月は、XANTIAの直前にシトロエンにナイショでそっくりのクルマ
デーウ・エスペロ)を出したことに激怒して終わった、とかいう噂あり!?
ところでXANTIAって、スリークォーターから見るとたまらなくかっこいいと思うのは自分だけ?


■2001 PEUGEOT 206XT (ブルーライオンもの、4AT、RHD)



★ピニンファリーナと決別し社内デザインとなったプジョーの新生デザイン第一弾。

端正を旨とした205にくらべ、アグレッシブなデザインになったが、
そのあとさらに派手になった207、308などに比べれば、まだまだ大人しい。
個人的にはこのクルマの凝縮感あるデザインは好き。
5ドアのリアドアの切り方やリアドアのウインドウグラフィック、
まだ黒バンパーバリバリ採用してるってのもいい。


■1988 CITROEN 2CV6 (マツダが入れた実験車らしい。4MT、LHD)



★DSをデザインしたフラミニオ・ベルトーニの作。
ちなみに彼の最後のクルマ作品はAMI6(アミ6)。
むかし、情報が海外からぜんぜん入ってこなかったとき、ベルトーニを「ベルトーネ」と勘違いして、
DSがベルトーネデザインだと書かれていた文献があったことを思い出す。
機能だけで作り上げられた機械の美しさを見よ!


■1987 CITROEN BX19TRS (西武もの、4AT、LHD、実家のクルマ)



★これまたガンディーニおじさんの作品。
当時ベルトーネのチーフデザイナーだった彼は、
1977年に試作だけで終わった、トルコのメーカー・アナドール向けに開発された
リライアントFW11のデザインを持ってきたのか、
BXにはその要素が強く感じられるものとなった。
なお、ベルトーネとシトロエンの関係の最初の一台。

気になるリライアントFW11のことについては、また別の機会に書くことにしましょう。


■1995 CITROEN  ZX BREAK1.8(新西武もの、4AT、RHD)



★これもまたベルトーネ。1991年当時のチーフがマルク・デュシャンなので、これもまた彼の作品か。
ゴルフクラスでありながら、ハーフ・スパッツに猫背のキャビン、比較的傾斜したリアハッチ、
無表情でちょっと切れ長の顔など、みごとにシトロエンルック。
自分のはブレークだったけど、まさに「四角い箱」で、
4.3mも無い車体なのに、とんでもないくらい荷物が積めたです。いいクルマでした。


■1988 RENAULT 19 TXE CHAMADE (JAXもの、4AT、RHD)



ジウジアーロ社内デザイン。6年前の記事「ルノー19、ガンディーニ案!?
にあるとおり、
R19をデザインしたのはジウジアーロとなっているのだけど、
どうやら彼がすべてをデザインをしたのでは無く、
結果的にはその後ルノー自社でリデザインがされているようです。


■1987 プジョー505 V6 (西武もの、4AT、LHD、友人ねこさわ君との共同所有)



ピニンファリーナ
これまた美しい一台。「ジドウシャ」なスタイルはピニンファリーナの傑作のひとつであります。
長いホイールベースとオーバーハングのバランス、スラントノーズ、
大きな目なのに違和感を感じさせない絶妙な形状、
サイドを走るえぐれのキャラライン、どれもパーフェクト!

全長4.6mにも満たない、しかもFRでありながら、
昨今の同サイズのクルマたちと比べ物にならない車内とトランクの広さは、
切り立ったウインドウと、見事なまでの3ボックススタイルのなせるワザ。
クルマって、こうでいいじゃない...って思わせちゃう。


■1993 SAAB 900 TURBO16(ミツワもの、3AT、LHD、クラシック最終型)



自社デザイン
ぜいぜい、やっとここまで来たか(涙
もとは1967年登場の「99」。それの前後だけがのばされたスタイルゆえ、
クラシカルなのはいうまでもないうえに、クラシックサーブ900特有の
きり立ってるのに大きく湾曲したフロントウインドウ、
ドアを開けるとサイドシルが無い独特の構造など、特長も多く、
これぞサーブ、というデザインだと思います。
これの5ドアとか、3ドアコンビとかは、なおいいねえ。


■2001 CITROEN C5 2.0 (新西武もの、4AT、RHD)



★自社デザイン。
それまでのベルトーネの低くキレのあるデザインから一転、
ミニバン風ルックで車高も高く、とらえどころの無い造形になったC5。
ただ、フロントオーバーハングは異様に長く、とがった鼻先、
そして猫背のビッグキャビンと短かめのリアともども、
シトロエンらしいスタイリングではあるのでした。
ただいかんせん、全体のデザイン処理が眠いんですよね。
どこかにバシっとメリハリあるラインでも入っていれば。


■1983 シトロエンVISA GT(西武もの、5MT、LHD)





★自社デザイン+ユーリエ(Heuriez)。
最初はシトロエンの自社デザイン、のちにユーリエが手を加えてVISAIIになりました。
どうもシトロエン自社の「豚顔」はさすがに衝撃が強すぎて、売れなかったみたいです(涙
104のボディに2CV系のエンジンを詰め込んだ「LN/LNA」では
デザインが何もシトロエンが手を出せなかったためか、
VISAでは思う存分シトロエンが仕事しちゃってますw





>>ということで、なんだか長くなってしまってすみません。
思ったより短くまとめられなかったです(涙

>>それにしてもジウジアーロ好きねie(笑

>>おまけ。
ダイナミックな開き方で大好きだったサーブ900のボンネットオープンgif(笑)


※スマホ(iphone含)版で見るとgif動かないみたいですね。スマホの方も「PC版」でご覧くださいー。



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【シトロエンVISA】「非GT」化を進めるために(その3

2011-12-21 | シトロエンVISA GT。


さて。わが愛しい犬?Citroen VISA GTの「非GT化」も、
なんだかんだで「その3」になってしまいました(笑


というのも、いよいよ「あれ」を装着したので、ご報告をしたいのであります!




そう、「あれ」とは、「これ」のことです...。







ががーん。そう、eBayで取り寄せた(というか、アウトレーヴさんで取り寄せていただいた)、
VISA用のホイールキャップ!



アウトレーヴさんから引き取ったのが、2カ月前のFBM(えーもう2カ月、早いわあ)。
そのとき、ieはもう喜びいさんでVISAに取りつけようと...したのですが、


取りつけ金具の位置も、エアキャップの逃げの位置も、いやそもそも取りつけ金具が
自分のVISAの鉄ホイールと合わないのでした。がががーん。


な、なんでだーーーー。


試行錯誤するも装着は出来ず、仕方なく「置いて楽しむ」ことにしたのですが(笑
やはりちゃんと付けてしまいたい!
このキャップはホイルの穴に金具をひっかけるタイプで、それが合わないとなると、
もとからホイルの真ん中に開いてる小穴を用いて、キャップを付ける等の策が必要になりますね。



真ん中の穴が利用できないものか




ちなみに、どうもVISA、LN系には2種類鉄ホイールがあるようで...。って、なんで鉄ホイールが2種類あんのよ(涙
フランス車って、合理的っていいつつ、たまにこういう謎なことをしてくるので困ります(汗



写真はちっこいのだけど、たしかに前後でホイルが違う...。
買ったキャップが装着できるのは前輪のタイプで、ウチのコについてるのは後輪用なのだと思う。





時間があればこの程度なら自分で出来るんですけど、
今回もまたまたアウトレーヴさんにお願いをしてしまいました(汗)。
いつもいつも無理なお願いばかりですみません。ありがとうございます(謝



ということで、装着が完了!
いまのVISA代さんの雄姿はこんな感じなのです!



ちょっと写真暗いけど



ただよう「日本では見たこと無いぞ!」っていうオーラw





ふふふ、もはやGTには見えまい(笑)
キャップを着けると逆にしょぼくなるなんてなかなか無いよね




さあさあ、残り、あとすることは、リアスポイラーの取り外し(汗
これはちょっと難儀。リアスポ、ネジでがっちり車体に固定されてるので、リアスポ取ってからそのネジ穴を埋めるのをどうするか考えないとなんです。
要板金。もしくは昔のクルマのエンブレムを外した後をピン金具で埋める、あの(絶滅した)方式!?





>>ちなみに、VISAのリアスポなしだと、こんな感じ。

グレードのエンブレムもさ、
こんな感じでVISA SUPER E か、CLUB あたりにして!
いい!いいー!たまんない。出来ればいま黒々しちゃってるバンパーもカスカスに...(汗
良く見たらワイパもウォッシャーもないぜ!


>さらに!>シートカバーをつける!!
出来ればやっぱりこのあたりだな...(笑)ってこれはeBayでも手に入らないだろうなあ...。
もはや走る受け狙いみたいになってくるがw





>>そうそう、いよいよ冬が来ましたね。
思っていた以上に、VISAと冬、似合います。嬉しい。

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