1493、まにあった

100年前のタイタニック号と同じ航路をたどる豪華客船は4月8日、サウサンプトンを出航直後に乗客の1人急病になってアイルランドに引き返しました。
沈没した15日午前2時20分までに沈没地点に到達できるか心配されていましたが14日夜、沈没現場の海域に到着し、船が沈んだ時間に遺族を含む乗客らが犠牲者1512人を偲んで黙とう、海面に花輪を投げるなどして追悼しました。
今頃はニューヨークに向かって航海していることでしょう。

100年目の今年はさまざまな催しが行われています。
建造地の北アイルランドのベルファストでは犠牲者を悼む記念庭園が公開され、出航したサウサンプトンでも追悼の行事が行われています。
沈没前日の一等船客用ランチメニューがイギリスで競売にかけられ、7万6000ポンド（約1千万円）で落札されました。
タイタニック号への潜水ツアーも計画されています。
一方、海底に沈むタイタニック号への接近が容易になっていることで、船体の保存が危機に瀕しています。
遺物の持ち去りやゴミの散乱、接近によるダメージなどの問題が起きています。
深さ4000メートルに沈む船体は管轄権を主張する国がなく、船内の遺品が持ち出されるケースが相次ぎ、ユネスコはタイタニック号を「水中文化遺産保護条約」の保護対象にしました。