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BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

スティル・ライフ

2009-06-10 16:19:06 | 読書感想文
「スティル・ライフ」は池澤夏樹の芥川賞受賞作品です。
この文庫には、ほかに短編「ヤー・チャイカ」も含まれてます。
どっちも短編なので読みやすく、池澤夏樹らしい独特の世界観があります。
そして、とても美しい文章だと思いました。
ちょっと村上春樹をも思い出してしまった。
なんかみずみずしいと言うか、爽やかというか、不思議な感じ。
久々文学作品を読んだという感じ。
「スティル・ライフ」は主人公が佐々井というある工場で一緒に勤務した男性と過ごす何ヶ月間を、「ヤー・チャイカ」はある日本人親子とたまたま知り合ったロシア人の男性との何年間かの交流です。
個人的には「ヤー・チャイカ」のほうが好きかな?
「ヤー・チャイカ」はロシア語で「私はカモメ」。
ロシアで初めて宇宙を飛んだ女性宇宙飛行士の名台詞だそうで、なんか時代を感じさせますね。
大学で物理学科だったせいか、なんか物理学的な話もロマンチックに出てきます。
宇宙や微粒子の話や、雪や光について。
ガリレオみたいだけど、もっと表現がきれい。
解説が私の好きな須賀敦子だったのは、偶然かなぁ。
○スティル・ライフ 池澤夏樹 中公文庫