BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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涙のJFK

2006-07-20 05:45:00 | のほほん日記
今日はジウンがプサンに里帰りするので空港に見送りに行きました。
昨日はセントラルパークでNYフィルハーモニックの無料野外コンサートがありました。それに一緒に行ってからジウンの家に行きお泊りをして、今日は最後のお別れを空港でしました。
実はコンサートの前の晩、私の住むクィーンズで事故がありました。そのためクィーンズ一帯が事故のため電気が使えなくなるという事態に陥りました。エアコンが使えないので私はほとんど眠れず、この日の気分は朝から最悪でした。セントラルパークでもコンサートが始まるまでなんとか睡眠を稼ごうとしたのですが、あの暑さのために横になっても息苦しく、しまいに疲労と睡眠不足、加えて暑さによるバテから頭痛がひどくなり寝込んでしまいました。一緒に居た友達のクーも自分が持ってた薬をくれたのですが、これを飲んでも全然効かず困り果てました。
しかし側にいた親切な老婦人の方々が私に頭痛によく聞くという錠剤をくれました。「あなたすっごく具合が悪そうだわ・・・」って。なんて親切な!
神に仏!とはこのことで、早速この薬を飲んで、30分ほど休んでるとみるみるうちに私の頭痛は消え調子が戻ってきました。なんとかコンサートが始まる頃までは起きれるぐらいに回復してアメリカの薬に効き目のよさに感心しました。
コンサートは第一部がジョンアダムスとその他一曲、休憩を挟んで私にとって本日のメインベートーベン交響曲5番です。星空の下、少し涼しくなったセントラルパークに吹く風を受けて聴く、クラシックはとっても素敵で私はこのイベントが大好きです。寝転んでまどろみながら音楽に身をゆだねるのもよし。こんな風にクラシック音楽との壁が薄いNYは最高です。終わってからは後方の湖から恒例の花火が上がりました。Macy‘sび比べると迫力は劣りますが、夏だって気がします。終わってからしばらくするとすぐに雨が降ってきました。雨を警戒してでしょうか、今年のコンサートはすごーく短かった気がします。一時間半(休憩を入れて)という急ピッチなコンサートだったけど、先週のようにキャンセルにならずに楽しめてよかった!
ジウンの家では私の他に友達のドギャンもやってきました。ドギャンと私も昔同じクラスだったこともあり、かなり前から知ってる数少ないお友達です。ジウンとはよく一緒に遊んでる男友達です。カラオケが大好きでマイクを握り締めて熱唱する姿は幸せそうです。ジウンの荷物はものすごく多くて、そのほとんどが家族へのお土産みたいだけど、パッキングが終わらず大変そうでした。私たちは夕ご飯を食べて、ジウンのパッキングが終わったらゆっくり話すつもりで私はジウンの寝室で一眠りすることにしました。
彼女の寝室にはエアコンがあって、実はエアコンが使えない私の自宅を避けるためにも今日は事情を話して泊まらせてもらったのです。ジウンは快く受け入れてくれて感謝してます。ところがジウンのマットは高級ですごく寝心地がいいため、眠りについた私はその後3時、6時と2回目が覚めてのですが、まぶたが上がらずその度にあと1時間、、、あと2時間眠らせて。。。という具合にとうとう8時まで寝続けてしまいました。やっぱ前の日の寝不足が効いてたんです。朝8時私達は身支度を整え、ばかでかい2つのスーツケースに小さいスーツケース3つを各自一つずつ持ち出かけました。あまりに重いのでついに韓国タクシーに電話して迎えに来てもらいJFKに直行。たった10分でついたからなんてタクシーは安いのだと感心です。
さてチェックインをなんとか終え、(ジウンはさすが2つのスーツケースは超過料金で50$でした)朝ごはんを一緒に食べました。後30分したらジウンはゲートをくぐり旅たちます。そしたら今度はいつ会えるのか、彼女が次にNYへ帰ってくる8月にはすでに私は実家に帰ってるのでもう簡単には会えません。こんなに毎日一緒に遊んで色々はなしてたのに、それがもうできなくなるのかとそう思うと、なんだかものすごく切なくて、今まで考えないようにしてきた思いが急に胸に迫ってきてとてもご飯どころじゃなくなりました。ジウンもドギャンもおいしいおいしいとサンドイッチにスープにかじりつくのですが、私はなんだか胸がいっぱいでどうもうまく飲み込めません。こんな時に泣くのはどうかと思ったのですが、私はついに無性に泣きたくなってきてジウンの顔がまともに見れなくなってきました。ジウンは思ったより悲しい気がしないわと笑いかけてきたので、もうその顔見てるうちにどんどん悲しくなってついに泣いてしまいました。ジウンもドギャンもびっくりしてました。私もまだ泣くのは早いってわかってるのにもう涙が止まらず、何を口に出してよいのかどんな言葉を話せばいいのかもわかりません。ただ悲しくてしょうがなかった。こんなに別れが悲しいのなんてほんとにNY来てから初めてかもしれない。私はあまりこういう場面では涙が出てこないタイプだったのに、外国にいるせいか、歳を取ったせいか。今までたくさんの友達を送ってきたが、今度は自分もNYを去ることがわかってるだけに余計かなしい。ジウンは「泣かないで、お願い。亜里沙じゃないみたいだよ」って慰めてハンカチを貸してくれたけど、そのジウンも涙がうっすら出ていて、見てると余計悲しくなった。でも先に泣いたことでゲートにジウンを送る時はちゃんとお別れの言葉を口にすることができた。
彼女は情にもろくってついついどんな人にもかまいすぎて、時にはそれがひどい裏切りで返って来たりして、自分がものすごく苦しい思いを受けてしまうことがある。だから私は大切なのは自分の体と心だから、それを第一に考えて優しいのもいいことだけど、ほどほどにしてほしいと思うことを最後にいいました。こんな風に彼女に何か話せるのももう最後だからです。これからはメールだけの付き合いになってしまうし。
いつか彼女がプサンに帰ったらもちろん私は彼女を訪ねるつもりだし、もしこれから何年かNYで留学を続けるなら彼女に会いにNYへ来ようと思った。お金をまた貯めるのは大変なことだけど、私の持ち前のしつこさなら絶対できるよってジウンが言ってた。
一生彼女と友達で居られるかなんて私にはわからない。特に私達は英語しか共通語がないからこれから先今以上に彼女に気持ちを簡単に伝えられるのか、私は少し不安に思う。日本に帰ってからも英語はちゃんと勉強しなきゃなぁ思う。それか韓国語勉強するべきか。
この点が日本人の友達とは少し違うところだ。
でもこんな風に日本人以外で心から好きな友達ができるなんて思ってもみなかった。NYじゃ出会いと別れなんてたくさんあって知り合いなんてすぐに作れる。それは魅力的だけど、少し寂しいような乾いた気持ちになることがある中で、だから私は彼女に会えて友達になれてほんとに良かったと思う