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サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

蓬莱山から比良岳へ

2013-07-09 | 花と自然
体温を超えるような気温が、京都にやってきた。今年に限ったわけではないが、梅雨明けの頃のこの暑さは、体が慣れていないせいか、もっとも辛く感じる。ここのところ、週末は京都市内のいろんなイベントや講演会などでつぶれてしまい、そのせいか体がなまり、体重は高止まりのままだ。先週末は、本当に久しぶりに山歩きをした。しかし、体を動かしていないせいもあり、寄る年波もあって、とても長い間歩く自信がなくなっている。そこで、一日はケーブルカーを利用した山歩きにして、もう一日は、温泉で体を休めることにした。

 ケーブルカーによる山歩きは、比良山系のびわ湖バレイからだ。休日だけ動くケーブル駅までの始発バスに乗って、びわ湖バレイに到着。ケーブルカーは、20分おきに出発している。120人乗りの大型ゴンドラだ。琵琶湖の風景を見ているうちにすぐ頂上駅に到着した。わずか5分。でもここは打見山の頂上1050mだから、京都の気温が35度のときなのに、ここは20度。霧が掛かり、高山の様相もする。でもそれも早朝だけだった。霧が晴れてくると、打見山から比良山系第二の高峰である蓬莱山まで、レジャーランドの芝生が続く。冬はスキー場になるところだ。きっと開発される前は、湿地帯などもある高山の草原が続いていたのだろう。腹立たしい光景だ。ゲレンデスキーが自然を破壊する好例がここにある。

 ドッグランまで作られているレジャーランドに目を背け、ジャイアントと称する標識のあるスキーのゲレンデを下りる。かなりの急傾斜だ。下りきる前に右にキャンプサイトがあり、そこから右手の登山道に入る。登り始めるとすぐに木戸峠だ。そこから比良山系縦走路が始まる。足慣らしのつもりで来たので、帰りもケーブルカーに乗って下りるつもりだ。日が昇るにつれて気温が上昇してきた。それでも風は高原の風で心地よい。比良岳までの道は尾根伝いなので、比較的平坦だ。写真を撮りながらのんびり歩くことにした。帰りもケーブルの駅まで帰ってくれば、あとは座っているだけで家に帰りつく。そう思うとあまりにも怠惰な山歩きだなあと思う。それでも、山の空気はすばらしい。しばらく山歩きをしなかったので(大文字山とか比叡山程度は歩いていたのだが)、山の空気を吸うことも、うれしい。いつかなどは、うれしくて歩きながら涙を流しながら歩いたこともあった。そういえば、小学校の低学年の頃、冬の終わり頃、近くの山の麓を歩きながら、やはり涙が出て止まらなかったことがあった。哀しいのでは無く、うれしいのだ。まだ寒いときだったので、目に入ったのはヨモギの芽生えに、瑠璃色のヨモギハムシを見つけただけだった。だが、それが子供心に涙を流すほどうれしかったのだ。こんな気持ちは、きっと他の誰も分からないのではないかと、子供心に思った。

 比良岳までは40分ほどの尾根歩きだった。しかし、しばらくぶりの山歩きだったので、体がなまってしまっていた。わずかの登りにも足が悲鳴を上げた。いかんなあ。こんなことでは。比良岳から帰って、そのままケーブルに乗るのはもったいない。ちょっと味気ないが、ついでに蓬莱山の頂上まで歩く。そのあたりにたくさんいる人たちは、ほとんどがリフトに乗って蓬莱山まで行く。その横を、スキー場のゲレンデの中の草地を、登っていくのは、うれしくない。しかし、リフトに乗ったら何しにきたのか分からない。黙々と汗を流しながら歩いた。蓬莱山頂上に来たら、リフトと反対側の山麓をのぞき込む。レジャーランドと逆の方向を向いて、後ろを無視すれば、比良山系第2の高峰の雰囲気が少しだけ味わえる。展望はすばらしい。時間があるのでゆっくりと腰を下ろし、周りの展望を見る。残念ながら白山の雪景色は霞んで見えなかった。すっきりと晴れたら、若狭湾も見えるらしい。

 傍らに若いアベックがやってきたのを潮に、ケーブルまで帰り、帰途につく。久しぶりの山歩きにしては、良い景色を眺められ、良かった。また、ここから比良山系の縦走をしたいものだ。

 もう一日の休日は、大阪市内にある温泉施設で半日のんびりと静養した。ここの岩盤浴で寝っ転がっていると、体中の汗といっしょに疲れが飛んでいく。何も考える必要の無いときには、ここの温泉施設で夜までごろごろしているのが、もっとも心身の癒やしになる。

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