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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

色づき始める高雄のモミジ

2008-11-09 | 花と自然
朝夕は寒さが身に浸みる季節になった。10月も上旬が終わる頃なら、そろそろ山の紅葉も始まっているのではないかと、少し期待しながら京都北山の高雄行きのバスに乗った。山に近づくとときどき赤くなっているモミジが目につく。高雄は北山杉と高雄モミジで有名なところだが、標高はせいぜい100mくらいであまり深山という感じではない。

 バスの終点を降りると、やはり秋のせいか、天候は小雨模様だったにもかかわらず、人がわさわさといる。石の階段を降りながら渓谷のモミジが赤くなっているのを眺める。同じイロハモミジであっても、木によって真っ赤になっているものから、まだぜんぜん紅葉していない緑一色の木まで、実にいろいろだ。とくにこの時期として、一本の木の中でも葉によって緑から赤までいろんな紅葉の段階を示している木がたくさんあったのが興味深い。それも木の枝の先端が赤くなっているというのでもなく、同じ枝の中でも同じ位置の葉でも、右と左の葉がまったく色が違っているというのには驚いた。近くの葉はみんな同じ紅葉の段階をしているのではないというのは、いままであまり見たことがなかったように思う。もっとも今年のように、10月のはじめからずっと毎週のようにモミジの葉の色具合を観察し続けることもこれまで無かったからかもしれない。



 今年は京都というところに来て、紅葉がきれいな名所がいっぱいあり、埼玉や北海道の人から、京都のモミジはもうきれいに紅葉しているだろうかなどと、メールや手紙に書かれるとやはり気にせざるを得ない。また、このあたりは山に入ってもイロハモミジの木が多い。

 モミジの名所、高雄に来て、石段の途中で買ったものは「モミジせんべい」。モミジの葉の天ぷらにしたもので、なかなか美味しい。そこいらに落ちているモミジの葉を拾って天ぷらにしているかと思ったけれど、聞いてみると去年の葉を塩漬けにして一年置いておき、今年の季節になって天ぷらにするのだそうだ。簡単なお菓子だけれど、それなりに手間を掛けている。天ぷらにしているから中身の葉っぱは赤くなくても判らないから良いような木がしたが、やはり食べると中から赤い葉っぱが出てくる。これが青い葉っぱだとやはり騙されたような気がするのかもしれない。天ぷらは低温で1時間近く掛けて揚げるのだそうだ。そうしないと焦げてしまうとか。それも大変な作業だ。

 いったん川まで下がって、あらためて神護寺の参道の石段を登り返す。日頃の山行に比べれば歩きやすい石段だし、距離もたいしたことはないので楽勝だが、観光客はけっこう大変な思いで登っているらしい。悪態をつき、二度と来たくないなどと言いながら歩いている人もいる。しかし、韓国人、台湾人、中国人などの観光客がとくに多い。最近は日本中どこもこれらアジア人の観光客が多いから、京都が特に多いわけでもない。それにしても韓国人、中国人の団体客はにぎやかである。悪く言えば品がないし、マナーが悪い。そう言って悪口を言う日本人も多い。しかし、ほんの20年前の日本人が世界中でそう言われていたのを思い出した方がいい。彼らは2-30年かかって日本人に追いついたのだ。彼らをわれわれが悪く言う資格はない。

 神護寺の本尊は国宝の薬師如来だ。おそらく1000年近く経っている木像なのだろう。劣化をおそれて灯りは1本の蝋燭だけだから、最初見たときは暗闇の中の黒い像だから、まったく見えなかった。しかし、正座して心鎮めて祈りを捧げて待つうちに、薬師如来の顔がぼんやりと見えてきた。目が暗順応してきたのだろうけれども、いかにも心ある人に仏様がお姿を現すというふうに思える。そして仏の前に静かに正座をしていると、心も洗われるような気になってくる。宗教というのは、やはり原理だけではなくて、その雰囲気で心を支配することだと思った。それでその人が幸せを感じるかどうかなのだろう。



 神護寺は真言宗。弘法大師の木像も特別拝観とやらで見せていただいた。それだけで拝観料は800円。お寺に参詣に行くのにお金を払うというのもなんかしらおかしな気分だが、観光客のほとんどが参詣に行くのではなく、見物に行くのだから、お金を取って当たり前なのかもしれない。それにしても京都はお寺が多く、見物にもお金が掛かる。高雄に行ってもお寺に行かないとモミジが見られない。あちこちのお寺をまわって紅葉見物するだけで、お金が羽が生えて飛んでいく。ああ・・・・。

 急に寒くなってきた。きっと次の週末は綺麗な紅葉がみられるだろう。でも高雄は人の波かも。
  

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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もみじの天ぷら (mmadoka)
2008-11-10 06:53:29
「もみじ」も食べられるのですね!
まぁ、食べられない植物って殆どないのかもしれないですね。食べて美味しくないって言う場合は食べないだけでしょうか?
昨夜初めて「サツマイモの茎」を食べましたが、ちゃんと食べれました。
自分で栽培していたら、ニンジンの葉も大根の葉も捨てられなくなっちゃいそうです。
まさか、もみじまでは食べないと思いますが^^。

京都のお寺は昔は無料でしたよね。
維持するにはそれなりのお金は必要だと思いますが、パスポートとかを安く発行していつでもぶらりと散歩に行けるといいですね。
鎌倉とかも有料のお寺は入りにくくなっちゃいました。
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おいしいのは外 (比呂志)
2008-11-11 14:51:54
もみじそのものはおいしいとは思いませんでした。ただ繊維質が強くて、食べにくいだけ。味もないし。サツマイモの茎の方がおいしいですよね。昔はときどき食事に出ました。懐かしいですが・・。大根の葉はおいしいですよね。炒めたり煮付けたりして食べます。なぜ大根の葉を食べないのか不思議です。
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はじめまして (miko)
2008-11-20 19:43:00
はじめまして。通りすがりに拝見致しました。
京都の紅葉はこれからなのですね。
私も何度か紅葉の時季に高雄を訪れた事があります。
神護寺の紅葉は、それはそれは、綺麗だった記憶があります。たしか、嵯峨野までのハイキングコースもありますね。また、拝見させていただきます。
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いらっしゃい (比呂志)
2008-11-21 07:19:13
紅葉が綺麗な季節になりました。昨日は、鞍馬に紅葉のライトアップを見に行きましたが、鞍馬はあまりモミジが多くなくて、期待はずれでした。でも観光客はいっぱいですね。
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