入行して1ヶ月、先輩から
「独身会の飲み会があるから来てね。新歓なの。」
と、誘われた。
いきなり独身会の飲み会があると言われても、
そもそも、「独身会」って何?
はっきりとした起源は分からないけれど、
未婚の行員の親睦を図るために、
数年前から定期的に飲み会が行われていて
それを「独身会」と、名付けたのだという。
一応会費制になっていた。
集めた会費をプールしておく口座があり
通帳も作って残高管理しているようだった。
要するに、飲み会で仲良くなって
そこからお付き合いが始まる・・・・ことをそれとなく期待した・・・・
いわゆる異性と知り合うチャンスの場・・・・のようだった。
支店に配属されてしばらく経つと、
AさんとBさんは付き合っているんだとか、
CさんとDさんはもうすぐ結婚するんだよ、
などというように、交際関係がだんだん分かってくる。
話をよく聞きくと、そのほとんどが、
独身会の懇親会や旅行がきっかけで仲が良くなったという。
その頃既に今の夫と付き合っていたので
「出会い」を求めて飲み会に参加するつもりは、全くなかった。
でも、「新歓」だと言われれば、出ないわけにはいかない。
場所は支店の近くにある、中華料理屋の二階の座敷だった。
新人は先輩の間にうま~く配置され、
一番古株の男子行員が乾杯音頭を取り、歓談が始まった。
ビールを注げに行け、と言われて
瓶を持って各テーブルを回る。
ようやく自分の席に戻って、料理に箸を付けた。
私の隣には、1年上のT氏が座っていた。
さっきから随分ハイピッチでビールを飲んでいる。
だらしなく壁際にもたれかかり、
完全に出来上がっているようだった。
すると突然T氏、
「彼氏いるの?」
と、私に聞いてきた。
正直、こんなに酔っぱらった人と話なんかしたくない。
無視しようと思ったけど、
しつこいくらいに聞いてくる。
これじゃあ、誤魔化しても余計絡んでくる気がした。
夫とは、当時、漠然とではあるが、
将来結婚するかも知れないと真剣に付き合っていた。
別に隠すことでもない、と思っていた。
それに、T氏には彼女がいて結婚する予定であるとも聞いていたので、
「彼氏いるの?」
なんて、単なる興味本位で聞いてきたに違いない。
そこで、私は本当のことを言うことにした。
「ええ、彼氏いますよ。」
すると、T氏の態度が急変した。
酔っぱらってニヤけた顔がキッと険しくなり
吐き捨てるようにこう言った。
「お前みたいなヤツは、来なくていいんだよ。
銀行なんか辞めちまえ!」
なんて言い方。
いったい何なのよ。
唖然として怒りがこみ上げてきた。
彼氏はいるか?とそっちが聞いてきたから答えたんでしょ。
それなのに、なんでこんなこと言われなきゃいけないの?!
帰りの電車の中、女子の先輩と一緒の時は何とか持ちこたえていたが
一人でバスに乗った途端、悔しくて涙が溢れてきた。
その晩、夫に電話して、
T氏の暴言のことを泣きながら話した。
男の人って、電話口で泣かれると
どうしていいか分からないのだそうだ。
今から思うと、随分夫も困ったと思うが、
それでも彼は、こう言ってくれた。
「あのさ、向こうはちょっと引っかけてみようと思ったんだって。
彼氏がいなかったら手出してみるつもりが、
はっきり『います。』って返されて、調子狂ったんだろ。
大丈夫、もう声かけてこないから。
っていうか、もう格好悪くて何もできないって。」
彼は更にこう言った。
「可愛いって思われた証拠じゃん。」
そっか、可愛いって思われたんだ。
私はようやく泣きやんだ。
↑何年も経ってから、
「あの時、『可愛いって思われた証拠』だって、言ってくれたよね。」
と、夫に確認したら、
「覚えてないな~。」
と、はぐらかされてしまった。
う~ん、私の記憶違いか?(爆)
さて、いつまでもくよくよしている私ではない。
翌日から、T氏とは仕事以外で話をすることは絶対にしなくなった。
持ってきた伝票、書類を受け取るときも、
机に目を伏せたまま無言で受け取り印を押す。
向こうも自分の言ったことをよく分かっているので
それ以上話しかけることはなかった。
3ヶ月後、T氏に東京へ転勤の辞令が出た。
支店での最後の日、一人一人に挨拶をして回るのが
うちの店の習慣だった。
T氏がうちの部署にやってきた。
私の机のところに来ると、
「どうも、お世話になりました。」
と、ばつが悪そうに言った。
「こちらこそ、短い間ですがお世話になりました。」
目も合わせず頭を下げる私。
T氏、口ごもったように何かごちゃごちゃ言い始めたが、
聞く気など更々無かったので
「では。」
と席を立ってその場を離れた。
誰もいない廊下に出て拳を握り、小さくガッツポーズをした。
「勝った!」
T氏は、1年後、付き合っていた彼女と無事結婚したそうだ。
「独身会の飲み会があるから来てね。新歓なの。」
と、誘われた。
いきなり独身会の飲み会があると言われても、
そもそも、「独身会」って何?
はっきりとした起源は分からないけれど、
未婚の行員の親睦を図るために、
数年前から定期的に飲み会が行われていて
それを「独身会」と、名付けたのだという。
一応会費制になっていた。
集めた会費をプールしておく口座があり
通帳も作って残高管理しているようだった。
要するに、飲み会で仲良くなって
そこからお付き合いが始まる・・・・ことをそれとなく期待した・・・・
いわゆる異性と知り合うチャンスの場・・・・のようだった。
支店に配属されてしばらく経つと、
AさんとBさんは付き合っているんだとか、
CさんとDさんはもうすぐ結婚するんだよ、
などというように、交際関係がだんだん分かってくる。
話をよく聞きくと、そのほとんどが、
独身会の懇親会や旅行がきっかけで仲が良くなったという。
その頃既に今の夫と付き合っていたので
「出会い」を求めて飲み会に参加するつもりは、全くなかった。
でも、「新歓」だと言われれば、出ないわけにはいかない。
場所は支店の近くにある、中華料理屋の二階の座敷だった。
新人は先輩の間にうま~く配置され、
一番古株の男子行員が乾杯音頭を取り、歓談が始まった。
ビールを注げに行け、と言われて
瓶を持って各テーブルを回る。
ようやく自分の席に戻って、料理に箸を付けた。
私の隣には、1年上のT氏が座っていた。
さっきから随分ハイピッチでビールを飲んでいる。
だらしなく壁際にもたれかかり、
完全に出来上がっているようだった。
すると突然T氏、
「彼氏いるの?」
と、私に聞いてきた。
正直、こんなに酔っぱらった人と話なんかしたくない。
無視しようと思ったけど、
しつこいくらいに聞いてくる。
これじゃあ、誤魔化しても余計絡んでくる気がした。
夫とは、当時、漠然とではあるが、
将来結婚するかも知れないと真剣に付き合っていた。
別に隠すことでもない、と思っていた。
それに、T氏には彼女がいて結婚する予定であるとも聞いていたので、
「彼氏いるの?」
なんて、単なる興味本位で聞いてきたに違いない。
そこで、私は本当のことを言うことにした。
「ええ、彼氏いますよ。」
すると、T氏の態度が急変した。
酔っぱらってニヤけた顔がキッと険しくなり
吐き捨てるようにこう言った。
「お前みたいなヤツは、来なくていいんだよ。
銀行なんか辞めちまえ!」
なんて言い方。
いったい何なのよ。
唖然として怒りがこみ上げてきた。
彼氏はいるか?とそっちが聞いてきたから答えたんでしょ。
それなのに、なんでこんなこと言われなきゃいけないの?!
帰りの電車の中、女子の先輩と一緒の時は何とか持ちこたえていたが
一人でバスに乗った途端、悔しくて涙が溢れてきた。
その晩、夫に電話して、
T氏の暴言のことを泣きながら話した。
男の人って、電話口で泣かれると
どうしていいか分からないのだそうだ。
今から思うと、随分夫も困ったと思うが、
それでも彼は、こう言ってくれた。
「あのさ、向こうはちょっと引っかけてみようと思ったんだって。
彼氏がいなかったら手出してみるつもりが、
はっきり『います。』って返されて、調子狂ったんだろ。
大丈夫、もう声かけてこないから。
っていうか、もう格好悪くて何もできないって。」
彼は更にこう言った。
「可愛いって思われた証拠じゃん。」
そっか、可愛いって思われたんだ。
私はようやく泣きやんだ。
↑何年も経ってから、
「あの時、『可愛いって思われた証拠』だって、言ってくれたよね。」
と、夫に確認したら、
「覚えてないな~。」
と、はぐらかされてしまった。
う~ん、私の記憶違いか?(爆)
さて、いつまでもくよくよしている私ではない。
翌日から、T氏とは仕事以外で話をすることは絶対にしなくなった。
持ってきた伝票、書類を受け取るときも、
机に目を伏せたまま無言で受け取り印を押す。
向こうも自分の言ったことをよく分かっているので
それ以上話しかけることはなかった。
3ヶ月後、T氏に東京へ転勤の辞令が出た。
支店での最後の日、一人一人に挨拶をして回るのが
うちの店の習慣だった。
T氏がうちの部署にやってきた。
私の机のところに来ると、
「どうも、お世話になりました。」
と、ばつが悪そうに言った。
「こちらこそ、短い間ですがお世話になりました。」
目も合わせず頭を下げる私。
T氏、口ごもったように何かごちゃごちゃ言い始めたが、
聞く気など更々無かったので
「では。」
と席を立ってその場を離れた。
誰もいない廊下に出て拳を握り、小さくガッツポーズをした。
「勝った!」
T氏は、1年後、付き合っていた彼女と無事結婚したそうだ。
同僚にも上司にも言っていましたね。
隠すことないのになぁと思っていました。
こういうひどい人、昔はけっこういましたよねー。
私は入社したての頃「君はもちろん経験ないんだろ?」と聞かれました。
もっとあからさまな言葉でしたが…。
で、おののきながらもその通りだと答えると、
「じゃ、宝くじ、買ってきて」だって…。
どんなジンクスじゃー!と買いに行きながら叫びました。
あ、これ記事に出来そうだわ(笑)。
うち、セクハラパワハラうるさい会社だから
一発で呼び出しだわ・・。
こんな嫌なヤツもいるんだね---。
私だったら一発殴ってたかも・・(* ̄m ̄)プッ
でも可愛いって思われたんだから~♪
きっとtenchanさんに気があったんだね。
拒否られてその暴言・・ちっちゃい男だわ(笑)
当日、幹事は気を使ってお相手探しなど気分が乗らなかった。でもそれぞれがカップリングして行くのを見届け淋しそうにしていた彼女に声かけた。
そしたら開口一番「彼女持とうなんて10年早い」と言われた。そのとき私には彼女と呼べる娘が二人いたので気にしなくていいと自分に言い聞かせていたのだが悔しかった。
後で冷静さを取り戻したときに気付いたんだが、だったら何故合コンに参加したのだろう?
きっとお目当ての彼に振られたのかな~???
ところでtenchanの「勝った!」の意味がわからない私です。
「いろいろ大学で調査させてもらったよ。君、彼氏がいるんだってね。」
所詮、女子って戦力というより、こういう扱いなんだなとがっかりしました。
おしりを触られるなど日常、「声がセクシーだから見に来てみたら...」など失礼なことを言われたことも数知れず。
結婚した途端、飲み会だけではなく、1対1のお誘いが増えたのがどうしてなのか、よくわかりませんでした...
私は最初からもう「彼氏いる」って宣言したから、
逆に楽だったけどね。
「経験ない」と宝くじ当たるって~?
そんなジンクスあるんだ。
今度記事にしてみてね。
特に、今回のtenchanブログの内容など、耳にするだけで自己嫌悪に陥るような話もいっぱいでした。
お酒の席で、私よりかなり年下の新任課長が、「おいOO君、まだあの娘とこの娘がオレに酒をつぎに来ない。君は何をしとるんだ・・・」って。
お膳をひっくり返して帰ってやろうか・・・と思うこともありました。
そんな上司を何人か見たお陰で、いい勉強になりました。反面教師って大切ですね。
そして、電話の向こうで、オロオロしながら精一杯話を聞いてくれる彼の存在。
捨てる神あれば拾う神あり・・・。
やっぱり世の中、面白いですね。
当時は何も知らなくてね。
セクハラ、パワハラって言葉もなかったし。
そうそう、ちょっかいだそうと思ってたんだよね。
それが思惑違いだったから、暴言吐いたんだって。
ちっちゃい男だ!
でも、「10年早い。」っていうのはキツイ言い方よね。
「勝った!」っていうのは
相手に言い訳を言わせなかったっていう
そのときのちっちゃな自分の心境です。
勝負がどうこう、というわけではないのです(汗)
それにしてもけんちゃんさん、
>彼女と呼べる娘が二人いた
っていうんだから、そのほうがすごい!
「お嫁さん候補」になるから、
ぐらいにしか思われてなかったかも知れません。
今はセクハラという言葉が定着しましたね。
1対1のお誘いが増えたのはどうしてかしら?
それも不思議な話ですね。
私はまだ嫌なことが少ない方だと思います。
例のT氏もすぐに転勤になってしまいましたし、
あとは良い上司と同僚に恵まれました。
あの時、夫に電話口で長いこと話を聞いてもらいました。
それで気が晴れましたし、めげずに勤めに行けるようになりました。