アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

大植の第九~ファイナルシーズン

2011-12-31 19:13:51 | 音楽/芸術

 

あと数時間で、2011年が終わろうとしている。この平成23年は、自分自身にとっても激動の年であった。3月11日はもちろんのこと、仕事や趣味を通じても人生観が変わってしまった年となった。こんな数々の経験を乗り越え、来る年2012年は、自分にとっても、また世の中にとっても穏やかな、そして実りある年になってほしいと思っている。

そんなことを頭に廻らせながら、先日新幹線に乗って大阪へ向かった。大フィルの第九を聴くためである。大フィルの第九は、2000年の12月以来11年振りとなる。もちろん当時は朝比奈隆の指揮だったが、今回はファイナルシーズンに入った大植英次である。大植の指揮は、毎年大フィルの東京公演で接してきたが、いつも熱い熱い演奏を我々に届けて、今や自分にとっても注目すべき指揮者の1人となっていた。

会場は、昔とは違いより音響が良いとされる「ザ・シンフォニーホール」で、朝比奈氏の「お別れの会」が催されたホールだ。私もその時以来足を運んでいなかったので、ホールを目の前にした時は、何か感無量の想いであった。あれから10年以上経ち、またここへ来てしまったという思いと、今日これからあの朝比奈さんの音が甦るような気がしてしまった。いやいや、今日は大植英次氏。今日も燕尾服の内ポケットに、朝比奈さんの写真を入れているのだろうか。そんなことを考えながら、会場内へ・・

おや~舞台を見ると、オケの配置がおかしい。そう今年の東京公演もそうであったが、弦楽器が舞台の中央に陣取り、木管が左側、金管とティンパニが右側へ、それぞれひな壇の上へ配置されているのだ。第九でこの配置は如何なものだろうかなんて、聴く前から思ってしまったが、やはり杞憂は的中してしまった。私の座席が悪かったとも思うが、(2階のLサイド)、音が全く残らないで、左右に散った管楽器群がズレて聞こえてしまった。おそらく、センターで聴けば、もっと良かったに違いないが、ちょっと残念だった。そのかわり、大植氏の熱演が見てとれる座席であり、特に木管楽器への指示の時は、左へ顔を向け、我々までも圧倒してくれて、これはこれで満足いくものであったのだ。曲の解釈に関しては、奇手を狙わず、想像の範囲ではあzったのだが、4楽章のコーダのそれも、合唱団が歌い切り、管弦楽のみで、最後を目指すところで、おそらく大植しの即興だろうか、明らかに、リハーサルとは違うだろうと想像できる、アップテンポをとり、それも、かのフルトヴェングラーの第九のような、どんどんアッチェランドして、オケを激走させたのである。最後の音が鳴り響き終わっても、大植氏の勢い余って、思わず指揮台の手すりに掴まって、興奮を収まらない様子。いやはや、凄いものを見せてもらった。これが、まさに一期一会の演奏というものだろう。この内容は、FM生中継されていたようなので、また後日冷静になって聴いてみたいものだ。

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気ままに綴ってきたこのブログですが、どうにか多くの読者の皆様のおかげで、ここまで継続できました。来年も、相変わらずよろしくお願い申し上げます。

                                            2011.12.31.    アントン 拝