母の天敵は蟻

外出から帰ってくると、母が殺虫剤を持ってわめいていました。
汗を拭き拭き、何をしているか、様子を見ていると、どうも家の中に「アリ」が這っているようです。
「その辺に、アリがいないか、よく見ていて。」と、床を指差すのですが、どうもアリが小さくて、よくわかりません。

床に、はいつくばってよく見ると、２～３匹のアリがいます。
母に「ここに、アリがいるよ。」と言うと、殺虫剤を辺り一面に吹きかけます。

なぜ、アリが2階まで来るのでしょう。
多分、木をつたって上がってきたのかもしれません。
アリも増えすぎると、安全で住みやすい場所に巣を作るのかもしれません。
まさか、殺虫剤で殺されるとも知らずに。

母は、昔。と言っても15年ほど前に、アリに痛い目にあっているのです。
台所いっぱいにアリが発生したそうです。
それを覚えていて、どう駆除していいかわからないまま、全滅させたことがあります。

1匹、2匹だと可愛いアリですが、やっぱり群生すると、怖いものがあります。
その上、母は、うじゃうじゃしたものが嫌いなんです。
可愛いミツバチが巣の中で、ひしめき合っているのをテレビで見たときも、身の毛が立っています。
ミツバチでさえ駄目なのに、アリなんか許せない存在なのでしょう。

当分、母の叫び声が聞こえてきそうです。