すずめの野郎

ベランダにあるブルーベリーに毎日、お水をあげている。
つい、この間、見たときは、実がなっていた。
しかし、いつの間にやら、実が全部なくなっていた。

母が、楽しそうに「ベランダにすずめが、ちょんちょん歩いていたよ。」
何の気なしに「ふーん。」と、返事をした。
「ベランダには、ブルーベリーの実が成っているね。あれは、どうなった？」と聞かれ、「実が全部なくなったよ。」と言うと、「みんな、すずめに取られたんやね。」と、普通に言う。

そうか。すずめが、全部食べたんだ。と、言われてから、納得した。
去年は、実が少なすぎて、すずめも気が付かなかったのかもしれない。
せっかく、楽しみにしていた実だったのに。
すずめの野郎。
何のために、せっせとお水をあげていたのか、わからなくなった。
そうでなくとも、ブルーベリーの育て方も試行錯誤しながら、大きくしたのに。
来年は、木を覆うネットを買ってこようと、策を練る。
悲しくて、涙が、ちょちょぎれる。