判事(裁判官)であった著者は法曹界に関する本をいくつか出版していますが、この本は厚生労働省の村木厚子さんの冤罪事件を中心テーマに書かれています。
大阪地検特捜部の前田主任検事が証拠のフロッピーディスクを改ざんしていたという衝撃的な事実。
もっと恐ろしいのは地検特捜部そのものが、組織的にその行為を行っていた可能性すらあるという。
まったく無実の市民が、突然検察の恣意的な見立てによって逮捕・告訴され、ほとんどの場合は有罪となってしまうというのが実態だとすれば、封建時代にもなかったような日本社会であると言えます。
それなりの社会的な地位にある人がターゲットでしょうから、一般市民は日ごろのうっぷんを果たせたような気分で拍手喝采していたきらいがあります。
まるでテレビの時代劇ですが、水戸黄門が出てこないので悲劇が起こってしまうのです。
過去の事件をもう一度検証すべきだと思うのですが、誰もそのような意見も言わないし、行動も起こさないのはなぜでしょう。何か障害があるのだろうか?