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■ 歌は世につれ・・・ (2022年のJ-POP)

2022/02/03 UP

このところのmiletの新曲がどれもすばらしいでき。
先日聴いた「Wake Me Up」もいい曲だと思ったけど、昨日2/2リリースの2ndアルバム『visions』収録曲「One Reason」。
これは名曲だと思う。

かなりクセの強い声質で、単調な曲だとこの声を活かせないかも・・・。
じつは東京五輪閉会式「愛の賛歌」を聴いたとき、はっきりいってピンとこなかった。

低音~中音はエモ-ショナルで演劇性が高く、ハイトーンは突き抜けた透明感あふれる声質。
1粒で2度おいしい的な・・・(笑)

■ milet ライブツアー!番組告知動画「1st tour SEVENTH HEAVEN」

6:35~ 「歌だけで、音として聴いてもらいたい」
こう言い切れる強さがいい。

miletのつくる曲は独特なリズムに繊細なメロディが乗って、スケール感にあふれている。
自作曲を聴いたとき、「これは(これまでの)日本の曲じゃない」と感じた。
誤解をおそれずにいうと、リズムはアフリカンで、メロはケルティック。
躍動感あふれるリズムにヒーリングなメロが乗る、といったイメージかな?

だから
これ ↓ (6拍子やポリリズム(異なる拍子が同時に進行))
■ アフリカのリズムを体感しよう!!~ジンバブエの音楽と踊り~


これ ↓ (ケルティックなヒーリング曲)
■ Enya - Only Time

的なイメージ。

そんなのあるワケないじゃん、と思いきや、あるんですね、これが・・・。
じっさい、最初にmilet聴いたとき、↓これ、思い起こした。
■ Umoya - Miriam Stockley

南アフリカ出身でヒーリング・ユニットAdiemusにいるからこそできる芸当で、こんなのはJ-POPでは絶対にできないと思ってた。

でも、miletは、↑ の曲を上回るようなレベルでつくってしまった。
思春期をカナダで過ごしたというバックボーンもあるのかもしらぬが、ほんとうにびっくり。

■ milet「One Reason」MUSIC VIDEO (映画「鹿の王 ユナと約束の旅」主題歌)

ひょっとして6拍子?

■ milet「Wake Me Up」MUSIC VIDEO (テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」テーマ曲・先行配信中)


こういう曲が流行っていくとしたら、J-POPはひょっとしてひとつの節目を超えたのかもしれぬ。

ps.
じっさいmiletは、J-WAVEの番組中、8分の6拍子といわれるイタリアの『シシリエンヌ』を選曲している。

■ Faure's Sicilienne played by Julian Lloyd Webber



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2021/12/18 UP / 2021/12/31 UP

さっきTV視てたら、miletが ↓ の曲歌ってた。

■ Fly High - milet (NHKウィンタースポーツテーマソング 先行配信中)

前にも少し書いたけど、なにこの異様なスケール感。名曲じゃわ。
これ、東京五輪のテーマソングに欲しかった。

この閉塞感ただよう世相のなかで、よくぞこれだけの高揚感ある曲をつくれたと思う。
そして、「音の隙間」の大切さを改めて思い起こさせてくれた。
(いいものは、素直にいいと認めます(笑))

個人的には、これだけのスケール感&高揚感を感じたのは、kalafina以来だと思う。

■ Kalafina - Mirai 未来


[ 2021/06/12ほか UP ] の再掲

1990年代以降のJ-POPはコード進行のパターン化(とくに王道進行の寡占化)が進み、メジャー・セブンスはおろか、マイナーセブンフラットファイブやナインス(テンションや分数コード)の使いこなしも減って、アーバンな曲じたいも次第に少なくなっていく。

多くの日本人は、根っこにヨナ抜き音階(ペンタトニック)やダウンビートが入っているので、コンスタントに洋楽を意識する局面がないと、どうしてもセブンス(四和音)やアップビートから遠ざかっていく。
最近では洋楽も急速にペンタ化やダウンビート化(というか4つ打ち化)が進みつつあるし、70~80年代に洋楽の影響を受けた多才なアーティストたちも第一線を退きつつある。
2015年以降、日本でペンタ化・4つ打ち化(あるいはほぼフォークソング化)が進んだこと、そして海外からのシティ・ポップの再評価が進んだ背景には、こんな要素もあると思う。

また、2000年以降はテクノロジーの発展もあって楽曲の多様化が進み、「なんでもありの時代」(一部のボカロなどで音楽的にすこぶる高度な楽曲がつくられる時代)になったが、聴き手がこれについてこれなくなり、とくに2015年以降は平易なペンタ化が進んだというのが持論。
これらの曲聴くと、2000年以降のJ-POPがいかに多様化したかがわかる。
でも、聴き手は細分化され、シーンは分断してメジャーヒットした曲は多くない。

でもって2020年代のいまから振り返ると、「シティ・ポップ」も「アーバン」も”お洒落”のワードでひとくくりにされ「シティ・ポップ」のジャンルでマーケティングされているのだと思う。

思い返してみると、
~1970年代前半  ペンタの時代
1970年代前半~中盤  ペンタとセブンスの拮抗時代
1970年代中盤~1980年代中盤  セブンス優位の時代
1980年代中盤~2014年  J-POP 進行(小室進行含む)の時代
(2003年くらい~ ボカロやゲーム曲(一部アニソン)などの高度でマニアックな音世界、メジャー化例は少ない)
2015年~  ペンタ回帰の時代

そして・・・
2020年~  ペンタからの脱却の時代??(シティポップ人気、コード進行ブームやヒゲダン・ワンオクの人気)
2021年 ペンタからの脱却の試行錯誤にもがいた年?

↑ こんなイメージがある。

空前のヒット曲不作といわれた2021年。でも、いよいよ風向きが変わりつつあると感じる動きも・・・。
milet の「Fly High」も出たし・・・。

■ 神はサイコロを振らない - 未来永劫

聴き応えあるわ、この曲。
とくに、
2:42~ のハーモニクスなギター 
3:07~ のXメロ → 落ちサビ
(ドラムス、スタイルや音色ぜんぜん違うけど、なぜかBill Bruford思い起こした・・・) 

それに、素晴らしい才能をもったティーン~20代の歌姫たちもいるし・・・。 ↓
■ 声質のオリジナリティ(数年前のカラバトU-18)
■ 黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)

2022年のJ-POP、いけるかも・・・。


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2021/11/30 UP

今年の音楽番組は、昔のポップス(とくに1980年代)の振り返りばっかりだった記憶がありますが、やっぱり空前のヒット曲不作の年になりそうです。
五輪関係のヒットもほぼなかったし。

2021年11月05日 10時01分 週刊実話Web配信
「NHK紅白歌合戦の“出場歌手選考”に異変…「大不作の年」ドタバタ舞台裏!」
リリースされた曲そのものの魅力に乏しかった気がする、だから昔のポップスがよけいに輝いて聴こえたのかも・・・。

2021年(令和3年)発売の邦楽シングルCD/ヒット曲一覧
シングルを出せるミュージャン(?)が極端に限られてきているような気がする。超寡占状態。

1983年(昭和58年)の年間シングルヒット曲 ベスト100
スタンダード曲てんこ盛り状態。
それにジャンルがバラエティに富んでいる。
だから、この頃はその年のヒット曲だけで紅白が楽勝で構成できた。

名曲の評価が高いこんな曲 ↓ たちがトップ40にさえ入れないとはエグすぎる。

46位
■ 瞳はダイアモンド - 松田聖子


79位
■ ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ~ - 松任谷由実 Yumi Matsutoya (Covered by Nontan)


■ CHRISTMAS EVE 2021 - 山下達郎(クリスマス・イブ)

↑ この曲も1983年のシングルリリース。
12月14日、3万枚限定のピクチャー・レコードとしてシングルカット。最高位44位。
でも、38年経ってもこのコメント・アクション。
これが楽曲の力だと思う。

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でも、洋楽ではSilk Sonicの大ブレークというエポックがあったし、このところのチャートはほんとうに何年ぶりかでメロディやハーモニーを取り戻しつつある感じも。
J-POPも来年は期待したいところです。

関連して、これまでUPしたいくつかの記事を組み合わせ再構成してみます。

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2021/11/22 UP
昨日(11/21)再放送の「ザ・カセットテープミュージック」の ”輝く! 日本カセットテープ大賞” 、面白かった。
大賞は、マキタスポーツ氏いちおしの佐野元春「SOMEDAY」。

■ SOMEDAY - 佐野元春 (1981年)


この曲についてのマキタ氏のコメントがあまりに圧巻だったので、テープ起こし的に紹介させてもらいます。

(マキタスポーツ氏のコメント)-----------------------------
 POPSっていうのは、もう、すべからく、もう、パクリの歴史なんだよ。
 だって、みんなが大好きなものとかの共有財産をどのようかにしてカスタマイズして、その時代の大衆に当てていくってっていうことの作業をずっとやっているのが商業音楽としてのPOPSであって・・・。

 まぁ、(19)85年以降だと思いますけど、だんだんヒップホップとか、ああいうアートフォームが出てくるじゃないですか。
 そしたら結局、あの人達っていうのは、元ネタをどのようにかにして批評して編集していくっていうこととかが、当たりまえになっていく。
 だから、サンプリングとかが当たりまえになって以降のアーティスト、あるいはフリッ●ーズ・●ターとか、まぁ、小●田●吾さんとか、あの辺の人達になると、確信犯的に「元ネタはこれですよ」ってこととかも言っていく、ことになるんですね。
 要するに、「こういうマジックですけど、これ東急ハンズで1,000円ね」って言ってくマ●ー審司的な手の内を明かすっていうことが、1個あったんですよ。

 で、それ以前の(きわの?)アーティストだったんですよ、彼(佐野元春)は。
 だから充分編集マンとしていろんな要素とかをとり入れながら、自分のサウンドっていうのをつくってたし、アーティスト像とかもコントロールしてつくってた。
 つくってたんですけど、やっぱ基本的に言わないんですよ。
 だからのちのち、元ネタとかが当たりまえに検索できる時代になったときに、「佐野元春の元ネタは、(ブルース・スプリングスティーンの)『ハングリー・ハート』だ!」とか、鬼の首とったように言うけど(笑)、いゃ、佐野元春さん以前からもいろんなアーティストとかも、そんなこと当たりまえに・・・。
 「筒美京平さん見てみろ」ってな、話じゃないですか・・・。
 これは、ネガティブな要素も含むかもしらないけど、パクリであることをふまえた上で、これだけちゃんとしたものとかを、普遍性のあるものをつくり上げた、この曲がやっぱ素晴らしいんじゃないかと。
(コメントおわり)-----------------------------

筆者が思っていることを語り尽くしてくれている(笑)
あっ、それと、これ東京五輪のはるか前、おそらく2017年頃のオン・エアーですから念のため。

■ ハートビート - 佐野元春(小さなカサノバとナイチンゲールのバラッド) / LIVE1983

パクリにせよなんにせよ、ここまでのオリジナリティや普遍性に昇華できる才能。
これが「アーティスト」なんだと思う。

それにしても「ザ・カセットテープミュージック」、やっぱりすばらしい番組だったと思う。
個人的には第1回目からすべて再放送してほしい。そして復活も。

↓ 関連記事
「ザ・カセットテープミュージック」


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2021/11/21 UP

Silk Sonicが11/12にデビューアルバム『An Evening with Silk Sonic』を発表。(→こちら
まだ、出してなかったんだ。
この余裕のスローペース振りがまたよし。

【和訳】Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic「Smokin Out The Window」【公式】


曲調的には、ブラックミュージックがBCM(ブラコン)として洗練し切るすこし前の、ソウルといわれていた時代(1970年代後半)のイメージかな。とくにフィリー・ソウル系。
荒削りな勢いや遊びごころを感じて、これがまたいいやね。

これまでは、やれ”レア・グルーヴ”だ、”ヴェイパーウェイヴ”だ、なんじゃかじゃいっても、所詮は借りもので一瞬でオリジナルと聴き分けられる自信があった。(音の質感がちがう)
それに、そんなにグルーヴ系好きなら、パクってばっかいないで自分であたらしく創ってみなよ、と・・・(笑)
(もはやこの時代にそんなこと、できるわけないと思ってた)

でもSilk Sonicは、この時代に自分たちで見事に創ってしまったワケです。
ここまで質感出されると、もはや70'sソウルと聴き分けられる自信なし(笑)

Bruno Marsの歌いまわし、声質は違うけど、個人的にはOne Wayの Al Hudsonに近いものさえ感じる。
■ You´re So Very Special - One Way(1982)

↑ 1970年代の垢抜けしない雰囲気を残している。

■ Angel - Change(1983) 

↑ 1983年当時の洗練され切ったBCMの代表曲(だと思う)。
さて、この質感をふたたび世に出せるユニットがこれから出てくるか・・・。

それにしても、2021年の秋にこんな面白いアルバムを届けてくれるとは・・・。
洋楽もまだ捨てたもんじゃないかもしれぬ。

最近のシティ・ポップや80年代ポップスの人気もそうだけど、人間の音楽的な感性(一定のフォーマットで心地よく感じる展開)なんて、50年やそこらじゃそうは変わらないのかも・・・。
だって、往年のバロックや交響曲越えるクラシック曲って、これだけ時代が進み研究が進んでもつくり出されていないわけでしょ。
みんな喜んで数百年前につくられた定番曲聴いてる。
それと同じことかも・・・。

となると、ここ数十年間はテクノロジーやマーケティングに振り回されて、誰もが(つくり手も聴き手も)ただただムリしてただけ、なんて・・・。
(むろんテクノロジーや32ビート活かした名曲もあるが・・・)

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2021/04/28 UP

「歌は世につれ世は歌につれ」ということばがあります。
バブル崩壊後、日本は「失われた30年」ともいえる世界にも希な長い景気後退局面に入っていくわけですが・・・。

〔バブル崩壊〕
1989年(平成元年)12月29日の大納会は日経平均株価38,915円87銭の最高値、1990年(平成2年)1月から暴落に転じ10月1日には一時20,000円割れ。
景気動向指数(CI)は1990年10月をピークに低下傾向となり1993年12月まで低下。
地価は東京、大阪の大都市圏で1990年秋頃にピークを打ち、下落局面に。

いまから振り返ってみると、バブル崩壊前後(1987~1990年頃)に「祭りのおわり」的な雰囲気をまとった曲がたしかにありました。
思いつくままに10曲あげてみます。

01.SUNAHAMA - 杏里(1987リマスター)


02.とんぼ - 長渕剛(1989)


03.TRUE LOVE - 藤井フミヤ(1993)

ちょっと降って1993年。喪失感がハンパなかった。

04.世界でいちばん熱い夏 - プリンセス・プリンセス(1989)

はじけまくる曲調だけど、どこかに影を感じとっていた。

05.GET BACK IN LOVE - 山下達郎(1988)


06.半袖 - 今井美樹(1990) 

こういった、自分自身を振り返るような曲が増えてきたような気がする。

07.壊れかけのRadio - 徳永英明(1990)

「いくつものメロディが いくつもの時代をつくった」 歌詞が象徴的。

08.空から降りてくるLONELINESS - 杉山清貴(1989年)


09.ANNIVERSARY 〜無限にCALLING YOU〜 - 松任谷由実 (1989年)


10.最後のニュース - 井上陽水(1989年)

時代をまっさきに織り込むという株価が大暴落する直前の1989年12月21日リリース。
これも象徴的な内容。

さてさて、いまはどうなのかな・・・。
音楽に、時代を映す力がなくなったような気もする今日このごろ。


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2021/06/12ほか UP

1990年代以降はコード進行のパターン化(とくに王道進行の寡占化)が進み、メジャー・セブンスはおろか、マイナーセブンフラットファイブやナインス(テンションや分数コード)の使いこなしも減って、アーバンな曲じたいも次第に少なくなっていく。

多くの日本人は、根っこにヨナ抜き音階(ペンタトニック)やダウンビートが入っているので、コンスタントに洋楽を意識する局面がないと、どうしてもセブンス(四和音)やアップビートから遠ざかっていく。
最近では洋楽も急速にペンタ化やダウンビート化(というか4つ打ち化)が進みつつあるし、70~80年代に洋楽の影響を受けた多才なアーティストたちも第一線を退きつつある。
2015年以降、日本でペンタ化・4つ打ち化(ほぼフォークソング化)が進んだこと、そして海外からのシティ・ポップの評価が進んだ背景には、こんな要素もあると思う。

また、2000年以降はテクノロジーの発展もあって楽曲の多様化が進み、「なんでもありの時代」(一部で音楽的にすこぶる高度な楽曲がつくられる時代)になったが、聴き手がこれについてこれなくなり、とくに2015年以降は平易なペンタ化が進んだというのが持論。
これらの曲聴くと、2000年以降のJ-POPがいかに多様化したかがわかる。でも、聴き手は細分化され、メジャーヒットした曲は多くない。

でもって2020年代のいまから振り返ると、「シティ・ポップ」も「アーバン」も”お洒落”のワードでひとくくりにされ「シティ・ポップ」のジャンルでマーケティングされているのだと思う。

思い返してみると、
~1970年代前半  ペンタの時代
1970年代前半~中盤  ペンタとセブンスの拮抗時代
1970年代中盤~1980年代中盤  セブンス優位の時代
1980年代中盤~2014年  J-POP 進行(小室進行含む)の時代
(2003年くらい~ ボカロやゲーム曲(一部アニソン)などの高度でマニアックな音世界、メジャー化はなし)
2015年~  ペンタ回帰の時代

そして・・・
2020年~  ペンタからの脱却の時代??(シティポップ人気、コード進行ブームやヒゲダン・ワンオクの人気)
2021年 ペンタからの脱却の試行錯誤にもがいた年?

↑ こんなイメージがある。


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■ 青春の影 - チューリップ

コード
フォークソングにセブンス、というかオンコードが入って別ものになった1974年の名曲。

■ 生まれ来る子供たちのために - オフコース

コード
後に名付けられる「小室進行」にメジャー・セブンスを絡めるオフコースらしいコード進行。
いまこの時点で、この歌詞は象徴的。
1980年の時点でこの歌詞を生み出していたとは、やはり小田和正氏は先を行きすぎていたのか・・・。

チューリップにしてもオフコースにしても、フォークやニューミュージックの枠には収まらないオリジナリティがあった。
だから、いま聴きかえしても陳腐感がない。

********************
世界的にみても1980年代中盤からは、王道進行(=J-POP 進行)やユーロビート進行の曲がやたらに増えた気がする。
ブレイクビーツや4つ打ちリズムはこれらのスケール(コード)と相性がいいから・・・。
だから、ペンタや王道進行、ユーロビート進行の氾濫に食傷した人たちが、国籍を問わず(メジャー)セブンスの宝庫「シティポップ」になだれ込んだのでは?

Chord 1  スリーコード  C F G
Chord 2  J-POP 進行(王道進行)  F G7 Em Am
Chord 3  小室哲哉進行  Am F G C
Chord 4  小室哲哉進行(マイナー編)  Am Dm G Am
Chord 5  My Revolution 進行  C Am F G7
Chord 6  ユーロビート進行  F G Am Am
Chord 7  イチロクニーゴー  C Am Dm G7
Chord 8  期待感・増幅進行  Am Em F G7
Chord 9  カノン進行  C G Am Em F C F G
(出所:「コード進行に注目した J-POP 音楽の可視化」芸術科学会論文誌 Vol. 15, No. 4, pp. 177-184 (2016) 上原美咲 伊藤貴之 高塚正浩)→ こちら(PDF)
※ 孫引きでした。原典はおそらく→ こちら(コード進行マスター)。← 凄いサイトです。

■ SAY YES - CHAGE and ASKA
コード

意表をついたコード進行。
とくに「まるで 僕を ためすような 恋人の」のフレーズのコード進行は神がかってる。
神曲になるにはそれだけの理由がある。(1991年リリース)

■ DEPARTURES - globe

メジャー・セブンスがらみの小室進行曲だと思う。

■ TSUNAMI - Cover by Ai Ninomiya

コード
王道進行を大胆に取り入れたとされるサザンの大ヒット曲。

■ 愛は勝つ

完璧なまでのカノン進行曲。

■ HOWEVER - GLAY  

これも一部カノン進行入ってると思う。

■ フライングゲット - AKB48

小室進行(6451)の代表例とされる。


■ I LOVE... - Official髭男dism [Official Live Video]

・トゥ・ファイブ・ワン・(シックス)進行
・Just the Two of Us進行
サブドミナントマイナー
ドミナントセブンス・スケール
・sus4コード
(ベース)ラインクリシェ
パッシング・ディミニッシュ

音の質感はシティポップとは違うけど、テンションとリリースのバランス(ドミナントモーション)が絶妙。
シティポップ世代(50歳代)の評価が高い理由がわかる気がする。(→ コード進行の解説


**************************
■ 往年のコカコーラのCM!


↑ 「あの時代はよかった」「あの時代に戻りたい」的なコメントばかり目立つけど、いまの若い世代ってこういうのみてどう思うんだろう?

'90年代以降現在に至るまで、こういう幅広な文化で育ってきたいまの50~60歳代の世代は現役(第一線)としてもっともっとたくさんの名作を生み出せるチャンスがあったはず。
でも、時代に流されてか、勝ちパターンに安住してか、キンタロー飴的な安直な内容が時代を追うごとに増えていった。
それを棚に上げて過去の名作にすがるのはなんだか情けない気も。(自分も含めてですが・・・)

1990年までに前の世代が素晴らしい作品をたくさん残してくれて、その恵まれた環境で育ちながら、結局このていたらく??
つくづく50~60歳代の罪(不作為だとしても)は重いと思う今日このごろ。


〔関連記事〕
■ ザ・カセットテープ・ミュージック
■ サザンのセブンス曲
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