goo

■ 鹿塩温泉 「湯元 山塩館」 〔 Pick Up温泉 〕



鹿塩温泉 「湯元 山塩館」
住 所 :長野県下伊那郡大鹿村鹿塩631
電 話 :0265-39-1010
時 間 :11:00~14:00(受付~13:00、要事前確認) / 不定休
料 金 :700円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (日本秘湯を守る会)

南アルプスの山ふところに、伊那の秘境といわれる大鹿村があります。
南アルプスの急峻な山々を背負うこの村は、赤石岳、塩見岳など南アを代表する名山の登山口で、”中央構造線の村”としても知られています。
南北朝期の興国四年(1343年)、後醍醐天皇第八皇子、宗良親王が南朝方の豪族香坂高宗に迎えられ、この地の大河原城に入られて南朝方の拠点となり、300年来の貴重な大鹿歌舞伎がいまなお演じられるなど、数多くの歴史文化遺産を残します。

大鹿村にはいくつかの湯場がありますが、代表格は鹿塩温泉と小渋温泉で、鹿塩はもっとも規模が大きく、「山塩館」、「塩湯荘」、「山景館」の3つの湯宿(すべて入湯済、他2湯未レポ)があります。

神代の昔、建御名方の命(諏訪大社の祭神)がこの地に狩りをなされた折、鹿が好んで飲む水から、それを味わわれて塩水を発見された。また、一説に弘法大師による開湯伝承も残る古湯です。


【写真 上(左)】 サイン-1
【写真 下(右)】 サイン-2

鹿塩温泉のなかでも有名なのが、日本秘湯を守る会会員宿の「山塩館」。
時間は短いながら日帰りを受け付けてくれるので、攻めてみました。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 玄関脇の意匠

鹿塩の3軒の湯宿は距離をおき、いずれも一軒宿の趣。
谷沿いにがっしりとした外観をみせる「山塩館」。
山宿風ながらどこかレトロな雰囲気もあって、落ちついた大人の宿。館内はよくメンテされていて気分がいいです。


【写真 上(左)】 帳場前
【写真 下(右)】 ロビー

フロントから廊下を渡って手前が石風呂、おくがヒノキ風呂で男女日替り交替制、この日の男湯は石風呂で、連れによると女湯だったヒノキ風呂に源泉槽はなかったようです。
ただ、日帰り交替制なので、宿泊すれば夜か朝のどちらかで石風呂の源泉槽に入れることになります。


【写真 上(左)】 石風呂入口
【写真 下(右)】 ヒノキ風呂入口


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 対岸の紅葉

石風呂は谷に向けて窓を広くとったあかるいもの。向かいの山肌、紅葉がなかなか見事でした。
奥側のメイン浴槽は檜&石枠石敷きで7-8人。手前に檜づくり2人ほどの源泉槽。
源泉槽の側面は金属板貼りで裏手にヒーターが仕込まれ、15℃に満たない源泉を30℃ほどの入りやすい温度に加温しています。


【写真 上(左)】 浴室
【写真 下(右)】 別の角度から

カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜12時で男湯独占~2人、女湯3~4人、週末はコンスタントに日帰り客がいそうです。


【写真 上(左)】 メイン浴槽
【写真 下(右)】 メイン浴槽の湯口

メイン浴槽は石組みの湯口からの大量投入+底面注入+源泉槽からの流し込みに底面吸湯でオーバーフローなし。
源泉槽よりはうすめながら塩味はしっかりでていて、カルキ臭も感じられません。
うすく懸濁したお湯には少量ながらうす茶の湯の花がただよい、よわめの青白発光があります。
ぎしぎしとツルすべがないまぜになった複雑な湯ざわり。
循環仕様ながらお湯はわるくないですが、やはり源泉槽の前に霞んでしまうのはいたしかたないところか・・・。


【写真 上(左)】 源泉槽の湯口
【写真 下(右)】 源泉槽の説明

さて、本題の源泉槽です。
赤茶に色づいた三波石系の石組みから突き出た竹樋から数L/minの冷たい源泉を投入し、
槽内注吸湯はたぶんなく、メイン浴槽へパイプ経由の流し出しは加温かけ流しかと思います。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 注がれる源泉

すこぶる入りごこちのいい浴槽で、メイン浴槽との冷温交互浴が楽しめ、冷泉としては理想的な湯づかいか。

30℃ほどのぬる湯は蒼味がかった茶色にささにごり、うす茶の湯の花が盛大に舞っています。
入ったときは日帰りの一番湯だったらしく、湯面に結晶が浮いていました。
強塩味、金気だし味に僅微苦味を加え、磯の香、金気臭に甘いような樹脂系の香りをまじえた複雑な湯の香。裏でイオウ気が効いていたような気もしますが確信もてず。
この特異な樹脂臭は、最初、浴槽材の檜の香かと思いましたが、そうでもなさそう。
この湯の香は他2軒のお湯でも感じられたので、鹿塩のお湯の個性なのかもしれません。


【写真 上(左)】 結晶
【写真 下(右)】 湯色

ツルすべとぎしぎしが拮抗し、つよいとろみと濃度感をともなうからだの芯に染みてくるようなお湯で、ただならぬあと曳き感を伴います。
塩分濃度のわりにあたたまり感はつよくなく、ついつい長湯したくなりますが、あとからドシッときてかなり湯づかれするので過度の長湯はキケンかも。
強食塩泉ですが、平野部の化石海水系温泉とはあきらかに趣のちがうお湯。
イメージ的には、なぜか八塩温泉にちかいものを感じました。

この日鹿塩の3軒すべて制覇しましたが、やはりここの源泉槽がベストかな。
源泉槽が男女日替わりということを知らずに訪れたのに、折よく源泉槽に入れたのはラッキーでした。
さすがに名湯の誉れ高い鹿塩。
期待を裏切らないすばらしいお湯を楽しませてくれました。

〔 源泉名:鹿塩1号 〕
含硫黄-Na塩化物強塩冷鉱泉 12.4℃、pH=7.9、湧出量不明・掘削揚湯、成分総計=22910mg/kg
Na^+=8135mg/kg (90.90mval%)、Li^+=43.8、Mg^2+=53.9、Ca^2+=367.3 (4.71)、Sr^2+=108.8、Ba^2+=43.3、Fe^2+=0.1、Cl^-=13680 (99.31)、Br^-=23.1、I^-=2.9、HS^-=4.7、SO_4^2-=0.6、HCO_3^-=133.6、陽イオン計=8876 (389.3mval)、陰イオン計=13850 (388.6mval)、メタほう酸=157.9、遊離炭酸=15.2、硫化水素=0.7 <H11.1.26分析>

〔 源泉名:鹿塩の湯3号 〕
Na塩化物強塩冷鉱泉 13.4℃、pH=7.5、湧出量不明・掘削揚湯、成分総計=25370mg/kg
Na^+=9057mg/kg (90.72mval%)、Li^+=66.4、Mg^2+=67.2、Ca^2+=302.6 (3.48)、Sr^2+=249.3、Ba^2+=51.5、Fe^2+=1.4、Cl^-=14980 (99.24)、Br^-=28.4、I^-=3.0、HS^-=0.1、SO_4^2-=痕跡、HCO_3^-=170.9、陽イオン計=9939 (434.4mval)、陰イオン計=15184 (425.8mval)、メタほう酸=199.2、遊離炭酸=28.5、硫化水素=0.04 <H16.10.14分析>

〔 源泉名:鹿塩の湯1号 〕
含硫黄-Na塩化物強塩冷鉱泉 12.2℃、pH=7.94、湧出量不明、蒸発残留物=15610mg/kg
Na^+=5577.0mg/kg、Mg^2+=37.3、Ca^2+=260.3、Fe^2+=0.06、Cl^-=9303.0、HS^-=3.24、SO_4^2-=6.67、HCO_3^-=142.2、メタほう酸=100.5、遊離炭酸=4.59、硫化水素=0.367 <S58.11.29分析>

〔 源泉名:不明 〕
強食塩泉 13.2℃、pH=8.2、湧出量不明・掘削揚湯、蒸発残留物=19806mg/kg
Na^+=7041.0mg/kg (91.20mval%)、Mg^2+=44.6、Ca^2+=437.7 (6.50)、Cl^-=11803 (99.17)、HS^-=0.0859、SO_4^2-=4.460、HCO_3^-=108.3、陽イオン計=7681.9 (335.767mval)、陰イオン計=11321.4078 (335.6976mval) <分析日不明(かなりの年代物と思われる)>

<温泉利用掲示> (30m引湯)
加水:あり 加温:あり 循環とかけ流しの併用 塩素剤による消毒:あり

〔 HPより(山塩館の源泉について) 〕
太古の昔、ユーラシア大陸より切り離された日本列島が、現在の位置に収まる大陸の移動と共に山々が形成された時代に閉じ込められた海水が、現在湧き出しているという仮説が一般的だそうです。
その他にも沢山の「仮想」が存在しますが、どれを取上げても「定説」に成る事は現在までありませんでした。
まさに「山の恵み」の秘湯もしくは珍湯の鹿塩温泉ではないでしょうか。


【写真 上(左)】 山塩
【写真 下(右)】 裏面には分析データが・・・

■ブランドグルメ
〔 鹿塩の山塩 〕
「山塩館」では、この塩気のつよい源泉を薪焚きで一日半ほどもかけてゆっくり煮詰め、”山塩”を精製しています。
職人作業からつくられるその量は100Lの源泉からわずかに30gほどで、その稀少さから「幻の塩」とも呼ばれます。
入手できるのは、「山塩館」と村内の「塩の里直売所」のみ。
やわらかな塩味を帯びた上品な塩で、「山塩館」ではこのレアな塩と地元の食材を活かした料理が楽しめそうです。

〔 2011/09/08UP (2009/11入湯) 〕


E138.3.33.969N35.35.0.337
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

■ やまと温泉 「わらびやまとの湯」



やまと温泉 「わらびやまとの湯」
住 所 :埼玉県蕨市錦町2-7-24
電 話 :048-431-2641
時 間 :9:00~25:00 / 原則無休
料 金 :700円(土日祝 750円)、会員各100円引
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (ぐるなび)

※ 館内の写真はありません。

2003/2/24から温泉を導入したスーパー銭湯。
場所は、JR京浜東北線「蕨」駅とJR埼京線「戸田」駅の間ですが、「戸田」の方が近く、徒歩でも行けます(15分弱)。
「蕨」駅からだと徒歩は厳しいですが、いまは、「蕨」駅、都営三田線「高島平」駅から無料送迎バスが運行されています。(→ 時刻表


【写真 上(左)】 遠景
【写真 下(右)】 温泉井の説明板

住宅地の中にケバ目の外観のスパ銭が忽然と出現します。
併設の食事処やヘアカットはフリーで浴場入場時に課金するシステムですが、原則1回きりの入浴です。(いまはちがうかも・・・。)
2階にある浴場は、内湯ゾーンに機能大浴槽(ジャグジー・ジェットなどいろいろ)、イベント湯(当日は海草風呂)、腰掛湯、サウナ×2、水風呂など。
露天ゾーンに露天(岩造10人位)と寝湯(3人)、足湯という多彩な構成ですが、温泉は露天ゾーンのみです。

カラン33、アメニティ類完備。
平日18時で30人位でしたが大混雑という程でもないです。

内湯ゾーンはカルキ臭がただよい感心しないので、ほとんど露天にいました。
露天は高い壁に囲まれて展望はないものの、風はそこそこ通ります。

適温の露天は、石の湯口から適温15L/min程度の投入と側面注入。
槽内排湯は不明ですが、側溝へのオーバーフローがあり、側溝のお湯を循環使用しているかも?
寝湯・足湯は湯口なく槽内注入の側溝へのオーバーフロー。

お湯は透明度5cm以下の濃~い黒湯。
味は口に含む気になれず不明ですが、茨城鉾田内房青堀に似た、化石肥料のような粉っぽいような温泉臭があります。
重曹泉特有のまとわりつくようなツルすべが強くてびっくり、新宿十二社(現在、廃業)よりもつよいように感じました。
重曹泉ですが、かなり温まりの強いお湯なので露天にはトドが大量発生 (^^;

さほど期待していなかったのですが、予想以上にいいお湯でした。
HCO_3^-=1778 (88.71)、CO_3^2-=77.3というスペックが生きている感じ。
近場で純度の高いツルすべ重曹泉が楽しめるとはなかなかに贅沢。
料金もリーズナブルだしこれは再訪必至かと。土日は混みそうですが・・・。

〔 源泉名:やまと温泉 〕
Na-炭酸水素塩温泉 28.3℃、pH=8.1、220L/min(1,200m掘削)、成分総計=2.846g/kg
Na^+=703.4mg/kg (94.12mval%)、Fe^2+=1.3、Cl^-=38.9 (3.35)、HCO_3^-=1778 (88.71)、CO_3^2-=77.3、陽イオン計=756.5 (32.51mval)、陰イオン計=1895 (32.85mval)、メタけい酸=81.2、有機物=112.0 <H14.8.23分析>

■ブランドグルメ
〔 今井のうなぎ(いかだ) 〕
埼玉南部にはうなぎの名店が多いのですが、蕨市にも創業250年以上という老舗の名店があります。
食べたことはないのですが、うなぎを丸ごと一尾丼ぶりに盛り込む「いかだ」は1日わずか5食(予約不可)の人気メニューとのこと。

〔 2011/09/08内容補強のうえUP (2003/06/13レポ (2003/06以降数回入湯)) 〕


E139.40.41.060N35.49.19.660
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )