民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「朗読とは何か」 鴨下 信一

2016年09月17日 00時03分51秒 | 朗読・発声
 「日本語の学校」 声に出して読む<言葉の豊かさ> 鴨下 信一 平凡社新書 2009年

 「朗読とは何か」 P-18

 朗読・音読とは何か、と聞かれたら<文を(区)切って読むことだ>と答えます。

 日本語は世界一美しい言葉です

 あなたはこれをどう区切りますか?
 ひと息で読めます――いきなり困った答えですが、まあ結構。その読み方を①とします。
でもそのほかに、少なくとも二通りに区切れます。

 ②日本語は/世界一美しい言葉です
 ③日本語は/世界一/美しい言葉です

 ②では「日本語」という言葉に聞く人の注意がいきます。ああ、日本語について話すんだな、ということがはっきりする。文の「構成」、つまり「意味」がはっきりするのです。
 ③では「世界一」に注意がいくでしょう。こうすると何か「気分」「感情」が入ってくるような気がしませんか。感情が生まれるということは、そこに「表現」が存在するということです。この区切り方は「表現」のために区切るのです。