民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「江戸の卵は一個400円」 その8 丸太 勲

2015年03月24日 00時28分54秒 | 雑学知識
 「江戸の卵は一個400円」 モノの値段で知る江戸の暮らし 丸太 勲 光文社新書 2011年

 「二束三文」 P-71

 今でも、価値のない物、安物のことを指して「二束三文」と言う。この二束で三文(60円)とは何を指しているのか。

 「二束三文」の語源としては、江戸時代に売られていた金剛草履が二足で三文と安かったことであると説明されているケースが多い。この金剛草履は比叡山の安寧僧正が作り始めたと伝えられる丈夫な草履のことで、これが二足で三文とは信じがたい。
 冷やめし草履でも六文(120円)したことからしても、金剛草履が三文とは納得しづらい。

 中略

 「二束三文」から思い付く物とすれば、当時安物の鼻緒が二束三文で、棒手振りが「二束で三文~」のかけ声とともに売り歩いたことだ。これが「二束三文」の起源という説もあり、著者はこちらに軍配を上げたい。

 ところで、鼻緒と用途が似た靴ひもの値段は、安い物でも300円前後であり、さすがに60円(三文)の靴ひもは見つからなかった。