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「江戸の卵は一個400円」 その5 丸太 勲

2015年03月18日 00時04分46秒 | 雑学知識
 「江戸の卵は一個400円」 モノの値段で知る江戸の暮らし 丸太 勲 光文社新書 2011年

 江戸の100円ショップ P-40

 すべての商品を100円の均一料金で売る「100円ショップ」。今や生活に根付いたこの商売形態は、実は江戸にも存在した。

 明和5年(1768年)、一文銭よりやや大きい真鍮製の四文銭が発行され、多くの品物の値付けが四文または四の倍数となった。一串に五個刺さって五文(100円)だった串団子も、四文銭の発行を機に一串四個となり、値段も四文(80円)となった。

 そこで、江戸の100円ショップの均一価格は四文、どれでも四文で「四文屋(しもんや)」というわけだ。
 ただし、四文屋が商うのは今の100円ショップのような日用雑貨ではなく、焼き豆腐、きざみするめ、こんにゃく、れんこん、ごぼうなどを串に刺し、大鍋で煮込んだ総菜を売る屋台店だった。

 ほかにも、ワンコインでというわけにはいかないが、全品均一料金で日用雑貨を商う店も存在した。こちらはすべての商品が19文(380円)で「十九文見世」と呼ばれた。人通りの多い場所にむしろを敷き、日用品や玩具などを商った。その後、もう少し高級な品を商う38文(760円)均一の店「三十八文」も登場した。