世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●中国ウォッチ “爆買い”だけじゃない中国人の実像

2015年04月24日 | 日記
日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか
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●中国ウォッチ “爆買い”だけじゃない中国人の実像 

多分、中国を知る手がかりは、案外、こういうコラムを読むことなのだと思う。本日は体調不良のため、引用のみで失礼するが、「爆買い」で中国人観光客を、半分馬鹿にしている向きもあるが、中国人の歴史的事情や生活様式なども踏まえて、温かい目で観察する必要もあるのだろう。アジアのライバルは、いまだに元気で、成長途上だが、生活GDP世界一は、アメリカではなく日本なのだろう。ゆえに、安倍政権が無茶苦茶な政策に邁進していても、暴動が起こらないと、霞が関が読んでいる。国民は、腹の中を見透かされているという事だね(笑)。


≪ 「日本旅行は個人で来てこそ」と考え始めた中国人 中国人観光客最新トレンド【前編】
  なんだかもうはるか昔のことのような気がするのだが、春節の中国人観光客の「爆買い」は今年の流行語の候補になりそうなほど注目を集めた。「爆買い」ならぬ「爆花見」にもかなりの中国人が来日していたし、間もなくやってくるゴールデンウィークは中国の労働節休暇(3連休)とも重なるため、再び、 どっと観光客がやってきそうだ。
 すっかり目に焼きついた感のある中国人観光客の波、波、波――。昨年は年間で241万人もの中国人が来日し、全外国人の中で1位となった。春節や 国慶節(中国の建国記念日)などの大型連休中に集中して来日する人々が多いため、私たちは「わっと押し寄せられた」威圧感みたいなものを感じるし、購買額が大きいのでそれがニュースにもなる。
 しかし、私たちがそうした風景を見るようになったのは、まだほんの1、2年だ。中国人の海外団体旅行が解禁されてから20年足らず、個人旅行の解禁は6年にも満たない。それ以前は海外どころか、経済的な事情などにより、国内旅行にすらほとんど行けなかった。海外に行ける人は一部の特権階級だけに限られていた。だから中国人自身、「旅行した経験」がまだほとんどないといっていい。
 観光庁発行の「訪日外国人消費動向調査(平成25年版)」によると、中国人観光客は団体旅行が全体の60%、個人旅行が40%で、団体のほうが多 い。というのは、個人旅行は今年1月からビザが緩和されたとはいえ、まだ取得のハードルは高く、団体観光のほうがはるかに日本に行きやすいという背景があるからだ(こちらの記事「中国人の海外旅行は大変だ!」を参照)。

 ■中国人にとっての「海外旅行」とは
 日本人ならば、たとえば私(40代後半)くらいの年代であれば、たいていの一般家庭で、家族で海水浴に行ったり、2~3日程度の国内旅行に行った経験くらいはあるだろう。たとえ家族旅行をしたことがなくても、日本の中学・高校には必ず修学旅行がある。かつては多くの会社で慰安旅行もあった。私の親 くらいの世代であっても「農協ツアー」などで海外にも行っているし、固有名詞を出して恐縮だが、「JALパック」の旅などで、ツルのマークのカバンを背 負って、団体で海外旅行に出かけた人も相当多い。
 バカンスが苦手で、あまり遊んでいないというイメージの日本人だが、もしかしたら、旅行した回数だけは、世界的に見てかなり多いのかもしれない。  少なくとも、戦後、平均的な日本人の日常生活の中に、常に「旅行」は存在するものだった。多くの人は意識していないだろうが、それだけ、日本人は豊かな生活を送っている、ということだ。
 しかし、中国人の人生に「旅行」という項目は欠落していたものだった。
 それが急速な経済成長やビザの緩和などによって、数年前から、ようやく一般の人々が“旅行というレジャー”に目覚め始めた。それこそ、多くの人々にとっては、生まれて初めての経験のオンパレードだ。その結果、国内はもとより、いきなり海外にまで、まるで熱に浮かされたようにバンバン出かけるようになり、それが昨今のあり得ないほどの「爆買い」につながっている。
 前述の調査によれば、中国人が訪問する都道府県の第1位はダントツで東京(68%)となっている(ちなみに、2位は大阪、3位は京都)。つまり、大都市への旅行が断然多いのだ。彼らの滞在日数は4~6日間(67・5%)が最も多く、1年間の訪日回数は1回(68%)が最多。これらの数字で裏づけられるように、まだまだ圧倒的に「団体観光ツアーに参加して、初めて日本のゴールデンルートを5~6日間で駆け巡る」のが中国人の日本旅行の定番なのである。
 ゴールデンルートとは、東京(浅草・銀座)、ディズニーランド、横浜、箱根、富士山、京都、大阪を巡るコースで、大阪から東京へ、という逆を辿る コースもある。最近では、「北海道と東京6日間コース」や「沖縄4日間コース」などのツアーもあるが、やはり、メインは東京・箱根・京都といった「ザ・ ニッポン」といえるところだ。第1回目の旅行は、何はともあれ日本のメジャーな観光地に行ってみよう、ということなのだろう。
 日本人の中国旅行にたとえていえば、「北京の万里の長城や故宮に行き、北京ダックを食べて、上海に移動してテレビ塔や高層ビルを眺め、小龍包を食 べ、空港で天津甘栗のチョコレートを買って帰る」という3泊4日のツアーと同じようなステレオタイプのものである(日本でも、日中関係が悪化する2012 年までは、こうした中国ツアーに参加していた中高年はけっこう多かった)。
 私の中国の友人たちは、日本との接点がある人が多かったので、団体旅行に参加して、日本のゴールデンルート観光を経験した人はひとりもいないのだ が、親戚がそうした旅行を経験した、という人がいたので話を聞いてみると、「とにかくあっという間の出来事で、必死でガイドさんのあとをついて歩き、よくわからないままに日程が過ぎてしまった。どこにどんな特徴のある名所があったかも、あまり思い出せない。とにかく、身内に頼まれたお土産だけは、ちゃんと買えたのでよかった」(上海の60代の女性)と話していたという。

■ 「日本人は本当にこんなのを食べているの?」
 基本的には団体旅行の内容に満足していたそうだが、不満もあったそうだ。この女性は日本で食べる本場の日本料理に期待していたそうだが、それほどおいしい、と感じなかったという。 「午後1時過ぎだったでしょうか。銀座のちょっといい定食屋みたいなところに着いてみると、すでにツアー人数分のお膳がずらりと並べられていて、冷 めた天ぷらや煮物がお皿に乗っていました。ご飯とみそ汁は全員が着席してから温かいものが運ばれてきたのでよかったのですが、天ぷら、煮物は冷え切った状態。これって日本人が普通に食べているものなの? と疑問に思いました」
 これは日本人がヨーロッパなどにツアーで出かけて、「何これ、これが本場のピザなの? 日本のピザのほうがおいしいじゃない」と疑問に思ってげん なりしたり、疑問を持ったりするのと同じだ。団体ツアーだと予算に制限があり、昼食に長い時間を掛けられないため、どうしても決まりきった食事になってしまいがちなのだろうが、食事=温かいもの、と認識している中国人からすれば、冷えた料理を食べるのは耐え難い。
 ならば、「もう日本旅行はいいや」と思うかといえば、もちろんそういう人もいるだろうが、案外そうでもない。
 この女性は「動いている観光バスの車窓から見て、おもしろそうだと思ったお店や、ちょっと不便だけど足を伸ばしたいと思っていた観光地にも行って みたい。もっとおいしい、本格的な日本料理も食べてみたい。やっぱりツアーじゃ自由が利かないからダメだ。次回、日本に行くときには、絶対に個人旅行にする!」と友人に語ったそうだ。 それはそうだろう。ビザ取得などで日本人の何倍も大変な思いをして来日しているのだから。それに、周囲では、すでに個人旅行をしていて、自由に日本 を満喫している友人もいる。街はきれいだし、日本人はおおむね対応が親切でおとなしい。漢字が多いので、なんとなく「なんとかなりそう」な気もする。次に 日本を訪れるときには、自分で選んだ店に行って、そこでたっぷり見たり食べたりしたい、と思うのは当然の欲求だ。
 実は、すでにその動きは始まっている。まだデータ上には現れていないが、「団体よりも個人旅行」「ゴールデンルートよりもゆっくり1カ所に滞在型」を選ぶ人々が急増しているのだ。
 日本人の団体旅行は前述した通り、少なくとも30年前から続き、今も中高年などを中心に一定の需要があると思うが、中国人はあっという間に「団体 旅行で満足できる時期」を通り過ぎ、早くも個人旅行が主流になりつつあるのである。そのスピードたるや、ドッグイヤーどころか、さらに速い。
 上海で旅行関連企業「上海征西広告」を経営する袁静氏は、最近の中国人で日本旅行する人々は、大きく分けて3つに分類できるという。
1、初めて日本を訪れる団体や個人客
2、これまでヨーロッパなどに出かけていた富裕層
3、もともと日本が大好きな日本オタク  人数が最も多く、私たちが日頃よく目にするのは圧倒的に1だ。3は日本のレアなものが好きで、年に5~6回以上も出かけているような「日本フリー ク」ともいえる人々だ。1の中で団体から個人へとシフトしてきているのが現在のトレンドというわけだ。そのまま3へと発展していく人も多い。

■情報源は、留学生!?
 団体旅行のマナーの悪さに辟易して個人旅行に切り替える人もいる。今年1月、札幌、小樽、函館を9日間かけて旅行した私の友人夫婦(とその娘) は、娘が大学の日本語学科を卒業しているので、思い切って3人で個人旅行で出かけた。大雪の影響で帰国便が飛ばず、空港内で一夜を明かすというハプニング があったが、天候不順で飛行機が飛ばないのに、同じ便で帰国する中国人の団体客たちが航空会社のスタッフに詰めよって暴言を吐き、胸ぐらまで掴んでいる姿を見て「情けなくて、泣きたくなった」と話していた。彼らは富裕層ではないごく普通の人々だが、「団体さんに混じるのはいや。正直いって、同じレベルの中国人だと思われたくない」とつぶやいていた。こうしたきっかけもあるようだ。
 とはいえ、不案内な日本での個人旅行には不安が大きい。中国人の情報源となっているのは、在日中国人や微信(中国版ライン、Wechatとも呼ばれる)などのSNSのツールだ。
 ある在日中国人の友人は、昨年夏ごろから、中国に住む友人から微信を介して問い合わせが急激に増えてきたという。
 「『都内で居酒屋に行くならどこがいい?』『あなたはどこで靴やバッグを買っているの?』『お店の名前と具体的な場所を教えて』『ついでに有名企 業の工場見学もしたいんだけど、申し込みはどうしたらいいのか?』など、さまざまな分野の問い合わせが増えました。これらをすべて有料で手伝っていたら、 かなりいいアルバイトになるんじゃないかな(笑)」 実際、言葉ができない友人や親戚、その知り合いなどのために5時間つきあってあげてアルバイト代を2万円もらった、なんていう留学生もかなりいると いう。これだけ来日する人が多いと、日本に住んでいるというだけで、けっこう割のいい副収入になりそうだ(うーん、私もやりたい)。 「団体ツアーのコースには入っていないけれど、微信で取り上げている人が多かったから行きたい、という場所への問い合わせも多いですね。たとえば中 国人は日本といえばラーメンを思い浮かべるので、新横浜ラーメン博物館は人気です。あとは、浅草神社とか…。浅草寺は団体で誰でも行けるけど、浅草神社はひっそりしていて誰も行かない。でも日本的な情緒がある。ここにいった中国人はほとんどいないので、特別感があり、“日本通”の気分になれるのでいいよ~とか(笑)」

 ■じっくり、のんびり、に流行が移りつつある
 以前は、日本人が今でもやっている団体ツアーのように、朝昼晩とスケジュールをびっしりにして、分刻みで旅行することに満足する人が多かったが、 最近では「せっかく高いハードルを超えて来るのだから」と、高級旅館でのんびりして、じっくり選んだよいお店でおいしいものを食べようよ、という人も多いのだそうだ。  そうした個人客の流れは、中国人の観光トレンドの最先端を行く、富裕層の旅の仕方に端的に表れている。【後編】では上記の2に該当する富裕層の日 本文化への傾倒ぶり、そして、その驚くべき優雅なジャパン・トラベルライフをご紹介しよう。恐ろしいほどのスピードで垢抜けていく彼ら彼女らに、ため息が出るに違いない。 ≫(日経ビジネス:アジア・国際-再来一杯中国茶)

注:日本は中国富裕層の“心のオアシス”です。中国人観光客最新トレンド【後編】のURLは http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150415/279980/?n_cid=nbpnbo_top_rcmd


*『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか』中島恵
春節に温水洗浄便座や医薬品などを「爆買い」していった中国人。中国はGDPで世界第2位になったのに、なぜこれほどまでに日本製品を買い求め、日本製品が好きなのだろうか。
物質面だけではない。中国人が感嘆するのは、日本の自然やおいしい水、日本人の日常生活の「質の高さ」にある。彼らは、この先どれだけ中国が経済成長しても「日本の暮らし」には決して追いつけない、と感じ、日本こそ「暮らしGDP世界一」の国だと思って一目置いている。「再来一杯中国茶」の中島恵さんが、当連載などを元に、政治経済の報道だけでは到底理解できない中国人の暮らしぶりや本音を、中国人の生の声を通している。

なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか? - 「ニッポン大好き」の秘密を解く (中公新書ラクレ)
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