世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●生活直撃・値上げラッシュ 賃上げ効果ゼロからマイナス

2015年04月03日 | 日記
東京劣化 (PHP新書)
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●生活直撃・値上げラッシュ 賃上げ効果ゼロからマイナス

「消費者としては、交際費や趣味に使えることで初めて生活にゆとりを感じます。賃金を手にした消費者の購買意欲が高まり、物やサービスの価値が上がって物価が上がるのが本来の好景気。物価だけを上げても意味がありません」この言葉が象徴するように、消費マインドが上がったら、そりゃ狂気だろう。株価の値上がりで好景気を装うテクニックもバレバレだ。株価が上がっても、ご利益がないことに、漸く生活者も気づいてきた。この調子で、消費税10%が始まったら、国民の嘆きは悲鳴に変わるのだろう。

安倍政権が確実にやっている事は、人からコンクリートだ。福祉から遠ざかり、人口減少している国土強靭化と云うコンクリートを流し込み、世界に向かって原発と武器を輸出し、下手をすれば自衛隊員の命をも捧げると言っている。時折、日本は、安倍ミリタリー国家に乗っ取られたような錯覚に陥る。“安倍ミリタリー国家”とは、何処から来た国なのだろう?宇宙から来たのか、御嶽山のマグマから抜け出して来たのだろう。まさか、半島から来たとは思いたくないが…。

毎日新聞の表はコピー不可なので、00年と14年の比較表が掲載できないのが残念だが、惨憺たるものだ。大企業の内部留保は右肩上がりだが、そこの部分に狙いをつけるのも、筋違いな感じだ。やはり、どこかに食い荒らされているとしか思えない。中央集権と云うシステムが、金食い虫なのだと思う以外、解説が出来ない。この調子で、支出が増え続け、収入が実質的に下がり続けると、蓄えのない人は、どこかで限界点に達するのだろう。ただ、生活者の疲弊は、最終的に企業にとっても致命的市場の縮小に繋がる。自民党と経団連の利益相反と云う時代も来るかもしれない。

 それにしても、00年と14年の比較表を眺めると、日本人てのは、本当に怒らない国民だと思う。逆に言えば、まだまだ貧困までには間があると、霞が関は見ているのだろう。00年と14年の比較表で目立つのは、
 *世帯の実収入が542,382円から519,761円と22,621円減少している。世帯主の収入の大きな減少を、奥さんのパートなどで穴埋めしているが充分に埋め切れていない。
 *消費支出は00年333,501円だったが14年318,755円で、14,746円の減少になっている。家計のやり繰り努力はあるが、アバウト月額1万円分生活水準は落ちたと云うことだ。
 *食費は引き締め傾向がみられるが、今後は値上げラッシュと更なる消費税アップで、この引き締めも限界が来るだろう。
 *被服費や小遣い、交際費へのしわ寄せが明確で、生活における潤いを感じる面での支出減は、心の豊かさや共同体意識を感じさせなくなるのだろう。
 *光熱費などは逃げるに逃げられない費用が大きく伸びているのが目立つ。おそらく、国家の政策が、ステルス的に個別生活者を攻撃しているようだ。
 *社会保険料が00年48,489円に対し、14年には54,694円と大幅に上がり、生活を圧迫しているわけだが、保障の内容は全体を通じて減額され、保険料は増額が決定している。
 *その結果、可処分所得は00年456,217円に対し、14年は423,541円で、32,676円のマイナス。可処分所得が7%も減少している事実は、国家が凋落傾向なのか、誰かがくすねているか、多分どちらかなのだろう(笑)。


≪特集ワイド:「ベア相次ぐ」とは言うけれど… 小遣い上がりました?
「過去最高水準の賃金ベースアップ(ベア)相次ぐ!」。この春は、ずいぶん景気の良さげな話が聞こえてくる。ところが、どうも生活が豊かになった実感がない。私だけか? サラリーマンの街、東京・新橋で聞いてみた。「あなたの小遣い、上がりましたか?」【田村彰子】

◇世帯主の収入減 増える社会保険料 衣服、食費、飲み代…削るしか
 「もちろん、今年のベアはなし。生活は何とかできていますが、厳しいのには変わりない」。送別会などでにぎわう金曜日の夜、JR新橋駅前広場で友 人と待ち合わせをしていた団体職員の男性(45)は苦笑いした。妻と小学生の子どもとの4人暮らし。「自分の飲み代は減る一方。今日もほんとーに久しぶりに飲みに来ました。普段は自宅で第3のビールを飲んで節約し、子どもの教育費に必死にまわしています」と話す。
 20人以上に声をかけたが、小遣いが上がった人はなんとゼロ! 
「会社の業績は伸びているけど、還元されたとしてもベアではなくボーナス。それぐ らいだと自分の懐には来ない」(男性会社員・52歳)と言う人もいれば、ベアがあっても小遣いは上がらない人も。「ベアは多少あったみたいだけれど、社内で話題にもならない。自分たちには関係ないからね」(男性会社員・41歳)とサラリーマンたちはどこか人ごとだ。
 給与のうち、基本給の引き上げを意味するベア。今年は「賃上げラッシュ」と言われるほどなのに、なぜこんなにも実感が薄いのか。

 「長い目でみれば、理由は一目瞭然です」
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部研究員の尾畠未輝さんはそう言い切る。尾畠さんが総務省の「家計調査」を基に作成した、2000年代 前半(00〜04年)の平均と14年を比較した「家庭の収入・支出」の表を見せてくれた。「小遣い」は、なんとこの10年で月約1万2000円も減って1 万4385円に。おそらく世のサラリーマンたちは、この金から飲み代や自分の趣味代などを出している。仮にちょっと上がったとしても、「厳しい」のは当然だ。
 それだけではない。この間、「食料費」「旅行費」など他の項目は上下しているが、悲しいことに小遣いは一貫して下がっている。どういうことか。続けて表を見てみよう。
 00年代前半と比較して、世帯主の収入減は大きいのに、社会保険料は増額。配偶者の収入は増えているが、大きな助けになっていない。14年の可処分所得は00年代前半より月3万2676円も減った。必然的に支出削減が求められる。
 新橋で声をかけた美容師の男性(42)は開口一番「賃金なんて上がりっこない」。数年前まで卒業式のシーズンは大忙しだった。数日間で約30人の 着付けやメーク、ヘアセットをこなした。ところが今年の予約はたった2人。「驚いて『みんなどうしてるの』と店に来た女子大生に聞いたら、『動画を見て、 友人たちとヘアメークをし合ってます』とか言うんだよ」。一生に一度の卒業式でも節約の対象だ。「10年以上同じ場所で美容師をやっているけど、大学生の仕送りって本当に減っている気がする。家計上絞るところを絞りきって、あとはどうするかって感じだよね。もうやってらんないよ」と居酒屋ののれんをくぐった。
 確かに表には涙ぐましい努力の跡が……。尾畠さんの試算では、洋服や靴などの「被服および履物」の月2164円減少は、年間なら女性用スカート約7枚分にあたる。「食料」の月1910円は、1カ月分の米代に相当する。
 では「小遣い」の削減分1万2308円は? 尾畠さんは「飲み会代に換算すると月2回以上、喫茶代だと月20回以上減らさなければならない金額で す。朝、喫茶店でコーヒーを飲んで出社していた人が、家で飲むイメージですね」と解説する。教育費などと比べ、一見必要なさそうに見える「小遣い」は、やはり削減の対象になってしまう。
 尾畠さんは言う。「消費者としては、交際費や趣味に使えることで初めて生活にゆとりを感じます。賃金を手にした消費者の購買意欲が高まり、物やサービスの価値が上がって物価が上がるのが本来の好景気。物価だけを上げても意味がありません」 ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの矢嶋康次さんは「毎年賃金が上がっていかないと、消費拡大が継続するまでにはいかないでしょう」と話す。そ れでも政府の要請でやむなくという側面が強かった去年よりは、ベアを実施する企業が増えた。理由は「人手不足」。少子化の影響で優秀な人材を集めるには、賃金を上げざるを得ない時代になってきた。「これまで企業は人件費を削減して経営を維持してきた。これからは優秀な人を雇って良いサービスや物を提供し、 しっかりもうけて社員に還元していかなければ、生き残れなくなる。今年のベアからは、その傾向が垣間見られた」と話す。
 特に今回のトヨタ自動車のベアのように、子育て世代や若者への重点配分が重要だと矢嶋さんは強調する。「若い人に仕事があって金が行き渡らない と、国は豊かになりません。企業も自分たちの競争力の源がどこにあるのか見極め、その分野を担う人材の賃金を上げていくべきです」。20〜30代の非正規 雇用者の正社員化を進めるためには、少なくとも今の景気が維持されなくてはならない。
 この4月からは食品の値上げが相次ぎ、家計の負担感は増す。サラリーマンたちの真の「春」は、まだ先のようだ。 ≫(毎日新聞)


 ■4月から値上げ(負担増)になる商品サービス等(安くなるのは、収入のみと云う笑えぬ喜劇)
・介護保険料
・年金(実質目減り)
・輸入小麦関連商品 パン・パスタ・うどん
・牛丼(すき屋) 60円 *吉野家は年末80円値上げ
・インスタントコーヒー 15~20%
・ミスタードーナツ 10~11円
・ウィスキー 20%程度
・牛乳・バター・チーズ 2~8%
・食用油 12%
・ケチャップ 13%
・即席めん 5~8%
・文具 9%
・印刷用紙等 10%
・トイレットペーパー 10%
・カレールー等 8~10%
・味の素冷凍食品 3~10%
・ティーバック 5~10%
・森永アイス 10%
・軽自動車税
・ディズニーランド・シー
・チョコレート
・ケチャップ、乳製品の値上げ連鎖で外食の値上げ予測 ‥等

日本の大課題 子どもの貧困: 社会的養護の現場から考える (ちくま新書)
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