世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●官邸が怖れている古賀茂明「第四の政党」 ドジ踏んだ御用コラム?

2015年04月11日 | 日記
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●官邸が怖れている古賀茂明「第四の政党」 ドジ踏んだ御用コラム?

東京新聞で「社説」を書かせて貰えない新聞社の副主幹が、以下の古賀茂明バッシング・コラムである。反吐が出るとお思いの方は、読まない方が良い(笑)。一見、ニュートラルな観察眼をご披露しているが、官邸がテレ朝・報道ステーションに圧力はかけたことはない、“事実無根だ”菅のこの言葉を擁護しようと、ジャーナリズム精神風味に味つけされた、官邸回し者コラムになっている。

どこが、どのようにそうかと言えば、官邸内に於いて、古賀憎しの話は常在的であるかもしれないがと、現に、そのような会話がなされている事を臭わしている。そのようなことはジャーナリストの世界では日常茶飯事であって、言論界で飯を食う以上、その程度のバッシングには耐えるべきだと云う。その挙句に、リベラル左派はだからイカンと、古賀氏に対してレッテル貼りをしている。この部分は、古賀氏ら「フォーラム4」に対する政治圧力になると感じたのだろう。「フォーラム4」が政党になるのであれば、自分自身が黒子になっても良いなどと、アリバイ文を挿入している。

菅官房長官が、古賀氏の逆襲劇の翌日、「事実無根。極めて不適切。放送法という法律があるので、テレビ局がどう対応するか、しばらく見守っていきたい」と常日頃から、振りまわしている法律の名称が自然と出てきている。この発言自体が、「報道の自由」への縛りである。なぜなら、コメンテータごとき(敢えてこの場合使用する)が、事実無根を語ったのだとしたら、生放送なのだから止めようはないわけで、責に帰するのは、当該コメンテータであって、当該放送局が放送法に触れると言わんばかりの発言こそ、言論の自由への挑戦である。

このように書くと云うことは、長谷川ら、官邸の側に入る人間達は、筆者も左翼になるのだろうが、れっきとした天皇中心主義に傾倒する、真正右翼である。多くの日本人が間違っているのだが、親米の右翼なんて云うのはあり得ないのだ。欧米に右ならえしている連中に、右派などと自称されるのは、極めて不快である。今上天皇の存在を無視するような生き様に、右翼などあり得ない。今までの安倍官邸の政治的動きは、今上天皇が政治的発言をすることが出来ない事を良いことに、都合の良い時だけ、都合よく使ってやれと云う姿勢に終始している。

まさに、戦前の軍人であり、官僚の思考そのものだ。古賀氏の言い分が伝聞であり、傍証的であったとしても、弱者には、それは許されるのである。村上春樹が、≪「エルサレム賞」授賞式の記念講演で「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」そうなんです。その壁がいくら正しく、卵が正しくないとしても、私は卵サイドに立ちます。他の誰かが、何が正しく、正しくないかを決めることになるでしょ う。おそらく時や歴史というものが。しかし、もしどのような理由であれ、壁側に立って作品を書く小説家がいたら、その作品にいかなる価値を見い出せるので しょうか?≫と云う一節を思い出す。

古賀がどこまで頑張っても、官邸の権力に比べれば屁のような抵抗に過ぎない。しかし、もう世間では古賀の逆襲劇を忘れた頃に、長谷川はコラムを上梓している。色々と苦労して書き上げたのはよく分る。しかし、官房機密費から何某か掴まされたと勘ぐるのは下衆なのだろう(笑)。ただ、次期参議院選で、台風の目になるかもしれないと云う不安が、現官邸に存在している事を確認させてくれた点では、有効な情報である。そう、ニュートラルでリベラルな古賀茂明の雰囲気は、安倍官邸にとって威嚇になるに違いない。早目に芽を摘む急を要するのだろう。

また、なぜ菅が、今後のテレ朝がどのように対応するか見定める、と言った中には、テレ朝に対して、あの古賀逆襲劇はヤラセだったのではないか?と疑心暗鬼になっている官邸の姿も見えてくる。つまり、政敵の芽は摘み終わった、統一地方選も参議院選も楽勝だ。株も官製相場に、海外の提灯が付いたので、2万円をつけ、経済不況は当分騙せる。ただ、実は実体経済はすこぶる悪いのだから、化けの皮が早晩剥がれることは、官邸も覚悟している。ただ、その時期が参議院選が重なった時、この新党の動きはかなり気味が悪い。どこまで古賀茂明、フォーラム4が成長するか判らんが、こいつらは胡散臭いと云うプロパガンダを徹底すべきと云う官邸の意志は見えた。

その意味では、この長谷川幸洋のコラムは、官邸の杞憂を反映させたコラムと言えるので、非常に貴重だ。出来ることなら、気が狂った古賀茂明情報で、国民を洗脳したいところだが、かなり古賀茂明が「ニュートラルでリベラル」と世間から受けとめられているだけに、激しい古賀バッシングは仇となるので、こういう長谷川のようなコラムで、味方の顔をしたインテリジェンス手法で、潰そうとしているのかもしれない。また、チャンス到来と思えば、政権交代劇を、朝日新聞、テレ朝が仕掛けてくる事への不安も拭えていないと云うことだろう。二度ある事は三度だからな(笑)。


 ≪ 『報ステ』古賀茂明氏の騒動をどうみるか
元経産官僚の古賀茂明氏がコメンテーターとして出演していた3月27日放送のテレビ朝日「報道ステーション」で、自分の番組降板などをめぐってキャスターの古舘伊知郎氏と異例のバトルを繰り広げた。この問題は「報道の自由」や「言論の自由」とどう関わっているのか、いないのか。

■テレビ朝日も菅官房長官も「圧力」を全否定
古賀氏が番組で指摘したのは、主に2点だ。テレ朝の早河洋会長と古舘プロジェクトの佐藤孝社長の意向で自分が降板することになった。それから、菅義偉官房長官から自分が激しいバッシングを受け、官邸は裏で番組に圧力をかけてきた、という。

当のテレビ朝日は「(官邸からの圧力といった)ご指摘のような事実はない。古賀氏はコメンテーターの1人。降板ではない」と否定している。菅官房長 官はといえば、翌日の会見で「事実無根。極めて不適切。放送法という法律があるので、テレビ局がどう対応するか、しばらく見守っていきたい」とこちらも否 定した。

古賀氏は番組中で「陰でいろいろ圧力をかけたり、官邸から電話をかけてなんだかんだと言ったりとか、そういうことはやめていただきたい」と言っている。さらに番組終了後には、待ち受けていたジャーナリストのインタビューに答えて、こうも語っている。

「菅長官は『とんでもない放送法違反だ』と裏で言っている、と聞いている。それは大変なこと。免許取り消しもあるという脅しですから」「政権が圧力 をかけるのは日常茶飯事」「脅されて、常に不安を持ちながらも『黙ってはいけない』ということで無理矢理、自分を追い詰めていた」「自分の利益でやってい るわけではない」

仮に「官邸から電話」があったのは事実だとすると、問題はいったいどんな電話の内容だったのか、という話になる。古賀氏はそれを「圧力」と受け止めているが、テレ朝も官邸も「事実無根」と否定している構図だ。

もしも古賀氏が録音なり、やりとりのメモでも持っているなら、ぜひ公開してもらいたい。内容次第では、官邸からの番組に対する介入になる可能性もある。それは議論するに値する問題だ。

だが録音もメモもなく、インタビューで自ら言ったように古賀氏の伝聞にすぎないとなると、真相は藪の中だ。電話自体がなかったなら、たとえ官邸の人間であれ、古賀氏や番組への感想を漏らすのは勝手なので、問題は雲散霧消してしまう。

古賀氏は賢明な元官僚なので、こういう重大問題を指摘する際は、たしかな確証を握っていることが決定的に重要であるのは百も承知のはずだ。それがなくて伝聞情報を基に生番組で指摘したとなると、私は古賀氏の判断と意図を疑う。それについては後で述べよう。

■「官邸の圧力」は受け手側の問題
事実関係が判然としないから、以下は一般論として、官邸が報道や識者のコメントに不満を抱いて電話をかけた場合、圧力になるかどうかを考えたい。そ れは話の内容と双方の行動次第ではないか。担当の取材記者やテレビのディレクター、プロデューサーは日常的に官邸の人間と接触している。面談する場合もあ るし、電話で話をする場合だってある。

やりとりの中で、政治家や官僚が「あなたの意見には反対だ」とか「そんなことを書いたら出入り禁止だ」くらいのことを言うケースはあるだろう。「放送法をどう考えているのか」と言う場合もあるかもしれない。

私はかつて資源エネルギー庁長官のオフレコ懇談の内容を当コラムに書いたところ、経産省の広報室長が私の上司に抗議電話をかけてきたうえ、私とは関係のない現場の取材記者が出入り禁止になったという経験がある(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/5036など)。これは出入り禁止という具体的処分に及んだから、私は圧力だったと思う。だが、抗議電話を受けた時点では「これは面白いネタが飛び込んできたぞ」程度にしか思わなかった。

実際、電話の内容を含めて、この件の顛末はすべて細大漏らさず数回にわたってコラムに書き続けた。最終的には、出入り禁止処分もうやむやのうちに解 除された。その後、私が経産省からの圧力を心配して書くべきことを書かなかったかといえば、そんなことはまったくない。経産省の論説委員懇談会には呼ばれ なくなったが、だからといって、なにか取材に支障をきたしたかといえば、それもまったくない。

ようするに、圧力が圧力として効果を発揮するかどうかは、受け手側、つまりマスコミとジャーナリストの側の問題なのだ。「官邸から電話がかかってき た。なんとか報道に手心を加えなければ大変だ」と報じる側が受け止めて自制してしまえば、圧力成立である。だが、そんな電話を気にせず報道姿勢も変えなけ れば、何も変わらない。

古賀氏が今回、あえて表で問題にしたのは「自分が降板させられた」と考えたからだろう。逆に言えば、降板させられなければ、あんな行動には出なかったかもしれない。そこで次の問題になる。古賀氏は安倍晋三政権に反対していたから降板させられたのか。

■リベラル左派の破綻
古賀氏は自分が激しい政権批判を繰り返していたから、政権の逆鱗に触れて降板させられたと信じているようだ。だが、私はコメンテーターの起用も降板 もまったく番組とテレビ局の自由裁量の内だと思っている。もっと言えば、それは「報道の自由」そのものだ。もしも番組が自由にコメンテーターの起用、降板 を決められないようだったら、それこそジャーナリズムの死を意味するだろう。

なぜ古賀氏が降板させられたか。私に事情はうかがい知れない。古賀氏が「政権批判のせいだ」と考えるのは自由である。だからといって、もしも「私を 降板させるのは許せない」と主張したら、それは行き過ぎだし思い上がりというものだ。だれを使うかは番組とテレ朝に選ぶ自由がある。その1線を踏み越えて はいけない。

また私の話で恐縮だが、私は現在、東京新聞論説副主幹でありながら、東京新聞の社説を書く環境にない。私が論説責任者の考えと違って、たとえば憲法 改正や集団的自衛権行使に賛成であるからだ。だからといって、私は「東京新聞が私に社説を書かせないのは許せない」とは思わないし、そういう考えを述べた こともない。東京新聞がどういう社説を載せるかは、東京新聞の自由であるからだ。

その代わりにといってはなんだが、私は自分の考えを当コラムを含めて社外の媒体で自由に書いたり発言している。そこで、ときには東京新聞の社説の内 容も厳しく批判している。そのことで東京新聞から文句を言われたことは、ただの一度もない。そういう関係が報道や言論の自由なのだ。

このあたりは、古賀氏も実は十分に認識しているのではないか。私は本人をよく知っている。古賀氏はそれが分からないほど、愚かではない。

では、なぜ古賀氏は勝負に出たのか。考えられる理由の1つは、テレ朝の姿勢に不満だったからだろう。口論バトルの中で、古賀氏は古舘氏が自分の話に承服できないと言うなら「録音を出す」とまで言っている。これまでの2人のやりとりを録音テープで公開するというのだ。

これを聞いて、私はかつての左翼の内ゲバを思い出した。過激派が戦いの途中で日和見主義に転じた穏健派を「お前は裏切るのか」と問い詰める。これとそっくりだと思った。古賀氏は古舘氏をある時期まで「安倍政権と戦う同志」のように思っていたのではないか。

放送の後半部分で古賀氏は「古舘さんにお贈りしたい」と言って「知らないうちに自分が変わってしまって、本当に大きな問題が起きているのに気がつか ないってことがあるんですよと」と指摘している。肝心の視聴者に語るのではなく、隣の古舘キャスターを指して「あなたは変わってしまった」と批判したの だ。

これは、まさしく古舘氏を「お前はオレを裏切った」と責めた台詞である。このあたりは痛々しくて、私は思わず目を背けたくなった。

過激派が穏健派を日和見と切り捨てるのは、何十年と変わらぬリベラル左派のお家芸である。そんな場面がテレビの生放送で報じられるとは、リベラル左派がいよいよ破綻しかかっている証拠ではないか。

古賀氏はそれなりにリベラル左派の立場を守っていた報ステの変身をかぎとって、許せなかったのだろう。ただ本当に変身していたのかどうかは、私には分からない。

■古賀氏の真の意図は?
それはともかく、古賀氏の真の意図はなんだったのか。先に指摘したように、公然と「官邸の圧力」と言うからには証拠が必要だとか、コメンテーターの 起用降板は所詮、番組の裁量権であり、報道の自由そのものであることくらい、古賀氏のような百戦錬磨の元官僚であればとっくに分かっていると思う。分かっ ていて、あえて番組を利用した。こちらが本当の理由ではないか。

古賀氏は「フォーラム4」というネット上のプラットフォームを作っている(http://forum4.jp)。これは「改革」と「戦争」を基準に縦軸と横軸に4分類して「改革はするが戦争はしない」という政治勢力を組織するのが目的だ。別の媒体では次のように、古賀氏はフォーラム4を基盤に新しい政党結成を目指し、自分が来年夏の参院選に立候補する可能性を語っている。

「次の参院選が来年夏ということを考えると、今年中に『第四象限の党』(注:これが4の意味)が生まれてほしい。僕はそれを陰で支える黒子役を努め たいと思うのですが、その党が立ち上がる時に誰も音頭をとる人がいなければ、僕が一時的にその役目を引き受けて、その後、若い層にバトンタッチすることも 考えなければいけないかもしれませんね」(http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/07/46184/2/

これが古賀氏の本当の狙いなのだ。つまり、新党結成への起爆剤として世間の注目を集めるために、今回のバトル騒動を意図して起こしたのではないか。 フォーラム4の書き込みから推測すると、このプラットフォームは最近、立ちあげたようだ。そうだとすると、報ステとテレ朝は古賀氏の政治目的のために、体 よく公共の電波をジャックされてしまった形になる。

私は古賀氏の主張に何から何まで反対ではない。改革志向など共鳴する部分もある。だが、マスコミで仕事をするジャーナリストとしては、今回の騒動は政治運動活動家とコメンテーターの役割を混同した、まことに残念な出来事だったとしか言いようがない。  
≫(現代ビジネス:ニュースの深層―長谷川幸洋

注:古賀茂明氏の「フォーラム4」のサイトは下記URL
http://forum4.jp


国家の暴走 安倍政権の世論操作術 (角川oneテーマ21)
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