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●日本の憂鬱 国の舵取り、このままで大丈夫なのか?
以下の「The huffington post」の解説コラムを読みながら思うこと。この国の政治家、政党、官僚たちは、真面目に国家運営に携わっている積りなのだろうかと。昨日の拙コラムのように、「足るを知る」国を目指すのか、「更なる成長」を目指す国なのか、その「そもそも」のところが、まったく、安倍の会見や、菅の会見から見えてこない。各論的には、アメリカ主義に則り、アメリカ主義で行くと云う点は見えるのだが、国の行き先が「アメリカ主義」と答えられても、納得は出来ない。
たしかに、アメリカの軍隊に70年間も駐留し続けられているのだから、守られているのか、脅されているのか、多分、事実は半々なのだろう。しかし、20世紀中期までならいざ知らず、米軍が日本に駐留していないと抑止力がないと云うのも解せない話だ。本音は、脅しと恐喝性が強いと見るのが妥当だろう。守ると言っても、どこから守ると云うのだろう。仮想敵国は北朝鮮と中国だろうが、前者は金王朝を守ることに汲々としていて、とても他国に攻め込むわけもない。
それでは、仮想敵国は中国だとして、本当に中国が日本に侵攻してくると云う危惧には、どうも作られた危機が散乱している感じがする。何ゆえに、中国が日本に攻撃を仕掛け、侵攻する理由があるのだろうか。防衛や外交の関係者は、尖閣を持ちだして、時と場合によれば沖縄も危ない等と云う。そりゃ、あり得ない筈の「米中開戦」にでもなれば、日本の米軍基地はすべて標的なのだから、ピンポイントの攻撃目標を用意しているという考えにもなる。しかし、現実には、自然の成り行きで、世界の覇権が転がり込みかけている中国が、乱暴狼藉をすると云う発想が不自然だ。
乱暴狼藉をしなければならない状況の国は、なんちゅうことないアメリカ様であり、その議論はする必要もないくらいの事実が、今中東・北アフリカ・ウクライナで展開しているのだから、論を待つ必要はない。歴史の大きな流れで現状を俯瞰すれば、中国を中心とするユーラシア大陸への覇権の流れは出来ている。おそらく、50年後には中露同盟関係を中心にしたユーラシアに権力は移行する。この流れが見えているからこそ、英国はじめ欧州各国はAIIBで明確なように、そろそろアメリカ様にも気づいて貰わないとね、という按配だ。
ヨーロッパやロシアの動きは、21世紀の中盤以降はユーラシアに覇権が移ると見えるのだろう。筆者も残念ながら、そう思う。そういう事実が、日を追うごとに、年を重ねるごとに増えてきているのだから、幾らなんでも気づいても良さそうなものだが、気づかない。何故かとなれば、それは、日本の指導層のすべからくが、アメリカ主義に洗脳され、迎合することで、その地位が保証されていると云う事実に依拠する。
これは、時代の節目では最悪のパターンなのだ。アメリカからユーラシアに覇権が移動しつつある時に、アメリカ主義により一層しがみつく国の生き様は、所謂、思考停止状態なのである。正直、今の日本に出来る事は、世界に向かう日本ではない。内向きに、以下に実質的国を形作れるかの瀬戸際にいるのだ。以下の日本の貧困問題は内政的に、本気で対応すれば一気に解決するような問題なのだ。それもアメリカ様の顔色を見ずに出来ることだ。明治新以降、日本がやってきたことは、猿真似に過ぎない。たしかに、発展途上において猿真似の意義はある。しかし、もう猿真似は中国・韓国にお任せして、質実剛健な国内体力確立することである。
にも関わらず、日本政府のやっている事は、真逆な方向ばかり好んで選択している。「吉里吉里国」のように、他国に干渉されずに生きていける国がユートピアだとすると、日本には、あっと驚くほど条件が整っている国土なのである。森林があり、水が豊富で、地熱はふんだんにあり、海の幸、山の幸の宝庫だ。太陽も降り注ぐし、風も吹く。科学の力もそこそこだ。人と争うことが好きな人種も僅かにいるが、概ね怒ることも争うことも好まない民族集団である。これほど理想的素材を与えられているのに、それを壊すことにばかり執着しているのが、日本の政治家であり、官僚機構なのだ。何がどのようにしてボタンを掛け違えたのか。多分に、明治維新に元凶があると筆者は思っている。
最後に、非常に気になる話題をひとつだけ提供する。どうも、今に日本では、静かに「反天皇運動」が展開されている気がしてならない。「今上天皇」をどうこうする動きではないが、今上天皇の御意思素直に引き継いでいる皇太子では好ましくないと云う雰囲気を作ろうとしている気味の悪い流れを画策している勢力が、権力を握っている勢力にいる感じだ。秋篠宮家に死に物狂いで光を当てているのが、今のマスメディアであり、出版界だ。佳子さまへのメディア露出は異様である。この動きは、今上天皇。皇后への揺さぶりにも見えてくる。
少なくとも、安倍政権の政治的動きに対して、憂いを持って眺めていられるのは事実で、お言葉の端々にちくりと棘が見え隠れしている。筆者は、日本の良識のシンボルとして、今上天皇・皇后を尊敬しているし、日本の誇るべき良識の砦だと認識している。しかし、現政権にとっては、耳の痛い御意思が示されることが多く、快く思っていない勢力が間違いなくある。秋篠宮家のご夫妻に、幾分その気があるように見えるのも、世相の流れを作ろうとする動きが急速に動き出している事から感じるのであろう。
≪ 「母子家庭」「20代前半男性」「子ども」に際立つ日本の貧困
国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩部長が解説
日本の貧困化が進んでいる。
2014年7月に発表された「平成25年国民生活基礎調査」に よると、18歳未満の子どもの貧困率は16.3%と過去最悪を更新した。「日本は平等で貧富の差がない」というのが私たちの“常識”だったが、最新のデータや海外との比較は、それを裏切る結果となっている。「子どもの貧困」(岩波新書)などの著書で知られる国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩・社会保障 応用分析研究部部長は9月17日、東京・内幸町のフォーリン・プレス・センターで講演、日本の貧困の実態やその背景について語った。
■高齢男性の貧困率が下がると同時に若い男性の貧困率が上昇
阿部部長によると、日本では長年、貧困がないということが常識とされてきた。貧困の実態をモニターする指標である相対的貧困率が初めて発表されたのは、 2009年になってからという。「日本は平等」という私たちの“常識”の根拠は1970年時点のデータで、実際には1980年代から所得の格差が拡大し始め、現在もそれが継続しているのだ。
「2012年は、子どもの相対的貧困率が16.3%となり、初めて社会全体の貧困率16.1%を上回りました」と阿部部長。年齢別に見ると、これまで日本の貧困率は、若いころが低く、中年期に最も下がり、高年期になってぐっと上がる「J字形」を描いていたという。
「しかし、社会保障制度の中で公的年金が成熟してくるに従って、高齢の男性の貧困率が徐々に下がり、同時に若年層の貧困率が上がってきたことによって、近年は男性に限ってみれば、人生の中で最も貧困率が高いのは若い世代という現象が起こりました」と説明する。
また、2010年の資料によると、65歳以上の一人暮らしの女性の貧困率も高く、46.6%と半数近かった。現役世代でも、一人暮らしの女性は31.6%と3人に1人が貧困だ。 「若い男性の貧困率が上がってくるのは、時系列で見れば鮮明にわかります。1995年から、2007年を比較したのが左のグラフですが、20〜25 歳のところで貧困率が徐々に上がってきて高いピークになっています。右のグラフでは点線が2007年の山に比べて、2010年ではさらに裾野の広い山になってきています」。阿部部長によると、これが一時的な貧困なのか、継続的なものなのかの判別が必要だという。
■「低い学力」「夢がない」貧困層の子どもたち
日本の貧困の実態において、特に注意しなければならないのが、子どものいる世帯だ。7月の発表では、過去最悪の貧困率を更新している。
「一時的に電気が払えない世帯があっても、電気が止められるまでには時間がかかるので、今は、それほど問題ではないと思われるかもしれませんが、子どもの貧困状態は、学力、健康、自己肯定感などと相関関係にあることがわかっています。
全国の学力テストの点数と親の年収の比較を見ると、きれいな相関があります」 また、これもひとつの例として阿部部長が提示したのが、大阪市の小中学校児童4100人に調査した結果だ。小学校5年生と中学2年生の調査では、「夢がない」と答えた貧困層の子どもの割合は、小学5年生だと24%、中学2年生だと44%で、非貧困層の18%、38%をそれぞれ上回っていたという。
■「ひとり親世帯」の貧困率は国際的に最悪
では、国際比較から見て、日本の貧困はどうなっているのか。阿部部長は、その特徴をこう語る。
「まず1つ目は、日本の貧困は、失業ではなく、ワーキングプアが多いということです。ヨーロッパなどでは無職による貧困世帯が多いのに比べ、日本はワーキングプア率が高いです。
2つ目は、母子世帯や単身世帯、高齢者世帯を始めとする特定世帯の貧困率が突出して高いということ。特に、ひとり親世帯の貧困率は OECD諸国の中で最悪です。
3つ目は、政策による貧困削減効果が少ないことが挙げられます。公的扶助の受給率を比較すると、日本では生活保護制度があり、これは国民の1.6%をカバーしていますが、他の国に比べて受給率は低いです」 公的扶助の受給率の低さは、子どもの貧困にも影響を与えている。
「子どもがいる世帯の貧困率について、税金や社会保険料を払う前の 『再分配前』と、税金や社会保険料を払い、児童手当や生活保護など政府からの給付を受けた後の『再分配後』を比較してみます。通常の政府の機能としては、 再分配後の方が貧困率は低くなるのが当たり前なのですが、日本とギリシャだけは再分配後の方が貧困率が高いという状況になっています」
■既存の社会保障制度の「仮定」が崩壊
このような貧困が起こっている理由はどこにあるのだろうか。阿部部長が指摘するのは、既存の社会保障制度の「仮定」が崩壊していることだ。
「1つとして、日本の社会保障制度は働いていればまっとうな生活ができることを仮定としています。つまり、ワーキングプアは想定されていません。
2つ目の仮定は、家族というものがあることで、一人世帯になった途端に貧困になるリスクがとても高くなります。日本は3世代世帯も多く、家族の人数が多いというのが一般的な常識だったのですが、実は、現在のデータを見ますと、単身世帯が最も多くなっています」
「3つ目の仮定は、一度転落しても再チャレンジできるということでした。日本のさまざまなセイフティネットは制度的にはありますが、多くは貸付金や一時的な免除制度で、失職して所得が下がったので一時的にお金を借りることができても、いつかは前よりさらに高い所得を得てお金を返さないといけません。
しかし、日常生活が苦しくてお金を借りた場合は、いつまでたっても返せません。転落しても戻ってこられるというストーリーは、日本の場合は難しいのです」 こうした仮定の崩壊によって何が起こるのか。
阿部部長が警鐘を鳴らすのは、現在の社会保障制度への影響だ。
「国民皆年金、国民皆保険が崩れてきています。国民健康保険の社会保険料を払えない人が急増しており、国民年金にいたっては、4割の人が払っていない状況です。そして、『恒常的な貧困』も存在するようになりました。
先ほど申し上げた通り、日本の多くの制度が貸付制度です。例えば、貧困世帯のお子さんが学生ローンで学費を借りても、奨学金ではないので、返せなくて多重債務に陥ることが社会問題になっています」 さらに、公的扶助の役割が増大していると阿部部長は指摘する。
「唯一の制度として生活保護がありますが、国民の2%程度しかカバーしていない。すべての貧困世帯をカバーしようとしたら、その何倍もの予算が必要です。それができない状況なので、公的扶助もパンク状態にあり、ますます締め付けが厳しい。」
■ネットカフェ難民やフリーター、社会問題化する「新しい貧困」
阿部部長は、こうした日本の貧困を「新しい貧困」として解説する。 「このような多くの貧困層が政府からの支援を受けられない状況は、いろいろな形で社会問題になっています。ホームレスやネットカフェ難民、ニート、フリーターといった形で現れてきているのです。
彼らの多くが単に仕事がない、お金がないというだけではない問題を抱えています。その1つが精神的な問題。長い間、厳しい状況に置かれることによって鬱病などを発症します。
また、日本では自殺者が高い率の状況が続いています。まだ海外のように麻薬やアルコールといった社会問題は少ないですが、今後、そうした問題に移行することも予想されます」
こうした事態をふまえ、政府も対策を打ち出している。2014年 1月に施行した「子どもの貧困対策推進法」に基づいて、8月末には子どもの貧困対策に関する「大綱」を決定した。
苦しい家計の人の生活を再建する「生活困窮者自立支援法」も2015年4月から施行されることになっている。
「政府も対策は立てていますが、日本の財政が厳しい中、貧困問題に対する財源的投入が非常に難しい状況にあります。今は、生活保護に陥らないようにという目的をもって支援していますが、相談機能におさまっていて、新しいセイフティネットを築くことができていません」 政府の貧困対策が、どこまで効果を発揮できるのか。今後の問題は、財政的なバックアップとそのコミットメントにあると阿部部長はみている。 ≫(The huffington post)
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