世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

米国には幾つ権力が存在するのか? オバマの方針に逆らってアルカイダを動かす勢力

2013年01月28日 | 日記
日本財政 転換の指針 (岩波新書)
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米国には幾つ権力が存在するのか? オバマの方針に逆らってアルカイダを動かす勢力

 日本では、安倍自民党政権による、13年度の予算の枠組みが決定した。総額は92兆6100億円で、民主党下で組まれた12年度の実質規模92兆9000億円を下回る、敵ながら上手な予算配分で一定の範囲で財政規律にも配慮した格好が出来あがった。まぁ個別に検証して行けば、先の補正で10兆円増額したのだから、実質102兆円の予算と考えても良いわけである。補正も含め、人からコンクリートへの政策予算が増えたのが特長で、庶民に優しい予算ではなさそうだが、財務省との関係も良好なようで、色々と知恵を出させたようである。今日にも閣議決定して、本会議での論戦に挑むようだが、肝心の論戦相手がフニャフニャなのだから、当面は楽チンな国会運営になることだろう。好事魔多しと言うが、その辺を愉しみに待つことにしよう(笑)。

 ところでアルジェリア日揮社員殺害事件について、日本政府も報道機関もイスラム勢力・アルカイダのテロと云う捉え方が一般的だ。しかし、一定の知識人であれば、あの事件が単なる金欲しさの事件でもなければ、逮捕監禁されている仲間の釈放要求とか、そういう類の事件ではないかも、程度には疑うものである。日揮関連の人々の死は痛ましいものだが、単なる偶然的悲劇と云う憤りだけを喧伝しても、一時の情に流されるだけのことである。

 テロが許し難い行為である事に、特に依存はないが、なぜイスラムによるテロ行為が起きるのか、その源流を突き止める思考を停止した時、唯一信ずるしかない民主主義と云うシステムが、一定の正体不明の勢力によって支配されてしまう事も考えておかなければならない。勿論、個人の推理力には限界があるし、その知識力にも限界があるので、定かなところまで行き着くことはないだろうが、一つの事件を独立した問題として吟味する事は徒労に終わるような気がする。だからと言って、掘り下、拡大解釈を連続させれば、際限のない泥沼に嵌るのも事実である。

 にも拘らず、短絡的言動に出る政府関係者がいるものである。自民党の石破幹事長は、アルジェリア日揮社員殺害事件を契機にして、「今は邦人の輸送しかできず、救出はできない。相手国の主権を十分配慮しながら、憲法の許された範囲でどこまでできるか結論を出さないといけない」などと発言したようだ。米英の特殊部隊でさえ手も足も出せなかったテロ実行犯からの、人質救出が可能なように要件を緩和する等と云う能天気な人気取りの発言をするなど、国際的な笑い者である。なにを惚けたことを言っている。アルジェリア政府の強引な突破手法を咎める発想もなく、救出行動可能な態勢作り考えるとは、軍事オタク、そのものである。

 問題の根っこは幾つかある。一つは、二度の世界大戦における覇権争いは、オイルを真ん中に置いた争奪戦だったわけで、今もその中核にオイルが置かれている事実を認識する必要がある。東西冷戦終了後に起きた、中東問題も民族や宗教対立問題と云うよりは、オイルを真ん中に置いた、利権の争いなのだろう。911事件の真相は判らないが、この事件も中東イスラエル問題に起因するのだろう。アメリカでは、未だにどちらの勢力が行った行為なのか、論争が長引いている。

 二つ目の問題は北・西アフリカ地域の勢力争いだが、この地域は英仏の植民地時代を経験しているので、どうしても英仏などEUとの関わりが深い。当然バックボーンにはNATOがあり、親玉としてスーパーパワー米国が後ろ盾として君臨している。英仏米と当事国の権力者と云う構図だけの時代には殆ど問題があっても揉み消されてきたのだが、新興勢力中国が、その地域に参加する事で問題は複雑化した。その上、FB革命と言われるように、ネット環境が、それらの問題を一層複雑なものにしていった事情が考えられる。

 もっと問題を複雑化したいのなら、此処に我が国の原発事故に起因する原子力発電への懐疑性が世界的に生まれ、原発を好き勝手に増設できない環境が生まれたことである。それに輪をかけるように、アメリカでは中東の石油埋蔵量を凌ぐとまで言われるシェールガスが発見された事で、オイルに纏わる国際的紛争の火種が、複雑な形状に変化しているのだと推測出来る。このような状況下で、アルジェリア日揮社員殺人事件が起きたわけであり、単に無法者テロリストによる殺戮などと解説する事は困難としか言いようがない。

 まして、日本人の人質を殺害したのがテロ組織の連中だったのか、アルジェリア軍だったのか、定かではないのである。筆者の推論の延長線では、原因はアルカイダと名乗るテロ集団の石油施設への急襲によるものだが、この国営石油会社スタロイルと同じく国営のソナトラックが共同操業する施設なのだが、日揮が請け負った部分のガス処理プラントの作業現場は、アルジェリア軍によって強固に警備されていた場所である。日揮は40年間アルジェリアでプラント工事をしていた訳で、今回のようなテロ集団に、簡単に急襲され、施設をテロ集団に乗っ取られるなど、考えられないことである。まして、日本人宿舎はミリタリーゾーンに位置していた訳で、アルジェリア軍もテロ集団により制圧された?簡単に降伏した?或いは協力した疑惑さえあるような気がする。

 アルカイダ勢力は欧米各国に対しての憎悪ほど、日本人への憎悪は激しくないと言われているが、違ってきているのかもしれない。或いは、そのテロ集団が、便宜的にアルカイダ勢力と名乗っているだけかもしれない。或いは、北アフリカの利権闘争で、英仏米がアルカイダ的勢力を利用して、何らかの目的を達成しようと企てているのかもしれない。英仏にせよ、米国にせよ、その諜報組織は国家間の戦争への関与から、グローバル化する経済利権への関与にシフトしているわけで、疑えば切りのない関連性を想起させる。

 なぜ日本人が多かったのかの疑問は解消しないが、マリで空爆を続けるフランス人の被害者が一人もいないのも不思議だ。そもそもフランス人は、当該施設と関わりがなく、誰もいなかったのだろうか。武装勢力が出した犯行声明では、マリへのフランスの軍事介入停止やアルジェリア政府に逮捕されているメンバーらの釈放を求めていたが、日本政府への要求はなく、なぜか英国人と日本人がテロのターゲットになっている。あまりにも謎だらけの事件である。まさか、日本の集団的自衛権行使の土俵づくりの為に、欧米諜報組織が企てた計画と云うのも考え過ぎの気もする。

 しかし、CIAなどは、時にはアルカイダを利用したり、滅茶苦茶憎んだり、時々のご都合で、どのようにも扱ってきただけに、どのような想像も荒唐無稽な想像だと否定も出来ない。時には自国の大統領でさえ抹殺するくらいの力を持った組織なのだから、東京地検特捜部の検事どもを、捏造捜査に走らせるなど朝飯前の作業なのかもしれない。このような合法的組織暴力装置を抱えなければ、国益の為に日々戦争が起きるのだから、必要悪と云う位置づけなのだろう。CIAのような合法的組織暴力装置がないと成立しない民主主義って、どうにも奇妙としか思えない。筆者の考えが甘いのか、極悪な為政でないと平和は保てないと云うことなのか、どうにも判らない世界になっている。

 オバマ大統領の方向性は、あきらかに伝統的アメリカの価値感を変えようとしていると思うのだが、一方では、その大統領の意思とは逆方向に事を運んでいる権力が存在しているようだ。当然、ホワイトハウスが一定の方向を示唆しても、すべての国家権力は掌握しえない現実があるのかもしれない。或る組織は親共和党であり、民主党のオバマの考えを、ストレートには実行しない勢力があってもおかしくはない。霞が関が鳩山民主党政権を立ち往生させたのも、そう考えれば納得がいく。何だか、民主主義より独裁の方が判り易くさえ思えてくるが、それではマズイと云う事も理解はしている(笑)。


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