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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

もはや他人事では済まされない

2009年12月27日 15時53分29秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 

 12月4日に京都で起こった、ネオナチ集団「在特会」による朝鮮学校襲撃事件について、もう少し続けます。ひょっとしたら年をまたいで記事をアップする事になるかも知れませんが、ご容赦願います。
 今週21日に京都の襲撃現場を確認した後、23日大阪での、この事件についての緊急報告会にも参加してきました。その報告からさせていただきます。

 この報告会は、まず12月19日に東京で、「民族差別を許すな! 京都朝鮮学校襲撃事件を問う」と題して、東京・飯田橋の「しごとセンター」という所で持たれました。「在特会」はこちらにも襲撃予告を行っていましたが、緊急にも関わらず多くの方々が参加され、「在特会」を圧倒して大成功に終わりました。この件については、既にCMLなどの市民メディアでも報じられている通りです。
 実は、この緊急報告会は、東京だけでなく京都や大阪でも持たれていました。京都・大阪の集会告知は、東京とは違い、「在特会」の妨害を警戒して、ミクシィなどの限られた場にしか流されませんでしたが、こちらも東京に違わず、会場の外にまで人が溢れ返るほどの大盛況で、成功裏に終わる事が出来ました。その大阪での緊急報告会の様子などについて、遅くなりましたが簡単に報告します。
 大阪での報告会は、23日の祝日に、大阪市東成区の玉津会館という公民館で、18時半から21時まで持たれました。私がミクシィでこの情報を知ったのは20日過ぎで、職場は既に年末の繁忙期に突入していましたが、何とか参加する事が出来ました。但し、その翌日も早朝から仕事なので、途中までしか参加出来ませんでしたが。

 当該「12.23緊急報告会in大阪 ヘイトクライムを許すな!京都朝鮮学校事件が警告すること」は、当日配布レジュメでは「在日朝鮮人人権セミナー」主催・「週刊金曜日」協賛となっていましたが、実際は前田朗さん(東京造形大学教授)が中心となって進められていました。
 その内容は三部構成で、第一部は襲撃現場のビデオ放映と朝鮮学校の校長さんによる報告、第二部は前田さんによる「ヘイトクライムとは何か」と題した講演、第三部は弁護士さんによる日本人への訴え、という流れで行われました。私は、そのうちの第二部まで参加してきました。

 第一部で冒頭に流されたのが、前回記事にもアップした、学校側から撮られた「在特会」による暴行ビデオです。ヤクザまがいの恫喝で、「スパイの子」「舐めとったらアカンぞ!」「キムチくさい」「お前らは黙って隅っこ歩いとればいいんじゃ!」「おおっ、喧嘩やるんか、やったろうやないか」等々と、聞くに堪えない暴言が、「在特会」側から発せられているのが分かります。彼らの言う「在日特権・公園不法占拠の是正」や「外国人参政権反対」などの表向きの主張も、「弱いもの虐めによる鬱憤晴らし」を誤魔化す為の、単なるネタでしかない事が、これでよく分かります。単に、それだけを主張するだけなら、朝鮮総連や行政に抗議すべきであって、何の権限も無い学校に抗議しても、只の嫌がらせにしかなりません。況してや、「キムチくさい」「黙って隅っこ歩いておれば良い」「喧嘩上等」云々などの暴言を吐く必要なぞ、全くありません。

 その後、当の京都朝鮮学校の校長さんから、襲撃事件に見舞われるまでの経過と、その後の近況について、説明がありました。それによると、その前の「在特会」による大阪・鶴橋市場襲撃事件の時点で、次の標的として京都朝鮮学校に対する襲撃予告が為されたので、学校側としても鋭意警戒を強め、警察にも警備強化の要請を行っていた矢先に、今回の事態が引き起こされた、との事でした。そして、あのような罵詈雑言を浴びながらも、学校や保護者は比較的冷静に対処出来たのではないか、と仰ってました。
 ただ、その後の事で今一番問題になっているのが、当の子供たちへのケアである。また、事件が明るみになってからは、見ず知らずの第三者・部外者が、学校周辺を訪れるようになり、学校や地域住民に不安を与えている。そういう事も仰ってました。これは、たまたま学校関係者に出くわして事情を説明出来たから良かったものの、若しそうでなければ、私もその一員になっていたという事で、非常に反省させられました。今後はこういう事のない様、気をつけたいと思います。

 続いて第二部では、前田さんによる、ヘイトクライムについての講演が行われました。「ヘイトクライム」とは、日本語に訳せば「憎悪犯罪」という意味になります。人種・民族間の差別・憎悪・対立を煽る言動や行為を指します。
 これらの言動・行為は、少なくとも欧米諸国では、ヘイトクライム規制法(米国)や人種差別禁止法(英国)によって、明確に犯罪と位置づけられています。その中でも、ドイツが特に厳しく、ホロコースト(ナチのユダヤ人大虐殺)を単に否定するだけでなく、ユダヤ陰謀説を唱えた場合は、更に重罰が科せられる。翻って日本では、戦犯政治家が戦後間もなく復権を遂げた事もあって、ヘイトクライムが「表現の自由」の名目で堂々とまかり通っている。それを規制する国際人権規約や人種差別撤廃条約の批准に際しても、日本政府は、刑事罰を課す条項に留保をつけている。

 ただ、その中でも、「在特会」の実態が明らかになるにつれて、状況は徐々に変わりつつある。特に、「在特会」が頭に乗って民主党本部襲撃事件を引き起こしてからは、少なくとも関東圏では、警察も本気で彼らへの取締りを強めてきている事もあり、「在特会」は伸び悩んでいる。先の東京での報告会で、警察や施設管理側が、それまでとは打って変わり協力的姿勢に転じたのも、その影響があるからだ。
 翻って関西圏では、関東圏よりも「在特会」の勢力は弱いものの、警察も、まだまだ彼らを「体制の番犬」として重用し、互いに馴れ合っている。「在特会」は、年明けにも、また懲りずに朝鮮学校襲撃を予告している。今後当分は、関東よりも関西が主戦場となるだろう。そういう事を仰っていました。

 その後は前述したように、私は途中退席した訳ですが、これらの事態を通して、今まで自分には見えていなかった事が、次第に見えてくるようになりました。
 私と在日コリアンとの出会いは、北朝鮮拉致問題掲示板や自身の掲示板・ブログでの交流をきっかけに始まりましたが、まだまだ、あれは大阪・生野のコリアン・タウンや京都ウトロや、映画「パッチギ」「血と骨」が舞台の、自分の周囲とはまだまだ別世界の話だ、という所も、正直言って心のどこかにはありました。
 しかし、バイト先で掲示板やブログの話もする中で、自分の職場のバイト仲間にも、元在日の帰化日本人や、在日コリアンと思しき人が少なからずいる事も、次第に分かってきました。また、朝鮮学校や韓国民団の支部が、自分の生活圏ともそう離れていない所にもある事も、次第に分かってきました。つまり、自分も、この問題と向き合わずにはおられない事が、分かってきたのです。具体的には、「在特会」の構成員・シンパが職場にも出現した時に、如何に元・現在日の仲間をヘイト・クライムから守るか、という問題が、自分にも突きつけられてきているのです。
 その時に、尻尾を巻いて逃げるのか、更には、虐められないようにヘイトの側に立つのか、それとも、虐められる側に立って彼らを守り、自分自身の中にある弱さとも闘っていけるのか。それが問われているのです。その中で、少なくとも自分は、卑怯者にだけはなりたくは無い。そう思います。
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3 コメント

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思い出は俺を故郷に誘う (修正資本主義者)
2009-12-27 17:13:50
正直、私の人生の中で決定的な位置を占めているのは解放同盟の教育への介入が頂点を極めた時期の小学校時代の思い出です
>その時に、尻尾を巻いて逃げるのか、更には、虐められないようにヘイトの側に立つのか、それとも、虐められる側に立って彼らを守り、自分自身の中にある弱さとも闘っていけるのか
プレカリさんのおっしゃる話には、当時の解放同盟の意をうけた私の担任の話ぶりが目に浮かんで仕方がありません。当時私の学習権は国語、社会、道徳、音楽の時間は教科書が「にんげん」でして算数、理科、体育の時間は教員が市役所への解放同盟の座り込み等へ動員されて大半が「自習」という状況で、大いに侵害されたものです。
>ヘイトクライム
言葉が出来た当時のアメリカでは「奇妙な果実」のような現実が現にあったわけですが、日本においてナチスやKKKのようなヘイトクライムが短期中期に再現するとは思えませんね。
労働運動などが、あまりにこういうファンタジーにかかずりあうことがないように願ってやみません。
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悲しいね・・・ (無自覚なる者)
2009-12-30 12:30:30
 私は東京都在住の在日4世の者です。在特会の常軌を逸した数々の行動・言動にはとても悲しい思いを隠しきれません。
なぜそれほどまでに在日コリアンを嫌うのか。
私のように4世ともなると、正直韓国に対しての愛国心などは特別に持ち合わせておらず、韓国の風習や文化にも疎いものです。
現在ある日本のすべてが私の礎であり、サッカーや野球で日韓戦があれば私は日本の選手しか知りませんし、日本を応援します。(もちろんどの国のアスリートにも頑張ってほしい!)

「ヘイトクライム・・・」
聞き慣れない言葉でしたが、そういった劣悪な慣習をこの世界から無くしていきたいと思っています。
私個人は参政権もなにもいらない。
今現在生きて頑張ってるみんなが幸せであってほしいと心から思い願う。(在特会の人たちだって幸せであってほしい!)

すべてのものが生かし・生かされる世界づくり

私が目指すものです。
返信する
守る方法考えてみました (onekorea)
2010-02-18 23:16:41
はじめまして。
今日、初めてこのブログを訪れましたが、幾つかの記事を読ませていただきました。様々な部分で共感でき、またすごく勉強をさせていただきました。

ぼくは在日コリアン三世の大学生です。在特会とその周辺にはびこるネット上での差別的な風潮に、朝鮮学校に通った者として大きな危惧を感じていました。

そして、12月4日の事件を機になにかしたいと思い、ブログ上にひとつの「読み物」を仕立て上げました。彼らの背景、現状、対抗策を書いたものです。稚拙な文ではありますが、読んでいただけるとうれしいです。


―以下、自作のコピペです。

12月4日、「在日特権を許さない市民の会」および「主権回復を目指す会」が京都朝鮮第一初級学校で、抗議と称し行ったことは差別と趣味性に基づく行為でした。

私は、その現場を彼ら(在特会および、その周辺)が大好きな、インターネットを介して見る事になりました。

その中で、なによりも、彼らが快楽性に基づき楽しんで行動してることを腹立たしく思ってます。

在特会の会員は8000人に及びます。また、彼らの母体といえるウェブ上の差別的風潮は、どんどん加速してます。

私は、これにものすごい危惧を感じ、2ヶ月のときをかけて、一つの「読み物」をブログ上に仕立て上げました。

それは、彼らの生まれた背景、現状、そして彼らへの対抗策を書いたものです。

この中で私が提案するのは在日を中心とした「ウェブ草の根運動」です。

キャッチフレーズは

「一つのリンクが一つの差別を無くす(仮)」

差別を許せない全ての人に読んでもらいたいです。


気合が入りすぎたため総字数30,000字と長いです。

すべて読まないと頭の中でつながらないものがあると思われますが、「こんな長いもの読む暇無い」と思う方はせめて「―ウェブマイノリティの戦い方」と太字でなってる以降の、対策部分からお読みいただけるとうれしいです。


ブログ名:とある在日コリアン大学生の自発的半強制勉強空間

URL:http://d.hatena.ne.jp/onekorea/

記事名:ファッションレイシズムとウェブマイノリティの戦い方


注意事項:
1.当ブログはコメントに際してのルールを作っています。詳しくは「はじめまして―当ブログの趣旨とルール」(カテゴリ:初めてお越しの方に内)を参照してください。

2.この記事は総字数30,000字以上となってます。暇な時間に読んでください。
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