アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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祝勝セールよりトマト値下げが先だ!

2023年10月28日 21時27分14秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 
このせいだったのか!今週金曜日からいきなり入荷商品の量が急激に増えたのは!
 
阪神優勝に続いてオリックス優勝セール。本拠地の京セラドーム近くの大阪市西区にある九条商店街の喫茶店で、「バッファローズ」のロゴをあしらった「バファ・ラテ」というカフェラテを販売するんだと。その日のNHKのニュースでやっていた。
 
九条商店街にはシネヌーヴォという映画館があり、商業ベースに乗らないような映画がよく上映される。私は、どちらかと言うと、そんな映画の方が好きなので、この商店街にはたびたび立ち寄る事がある。その時に、この喫茶店にも一度入った事がある。喫茶店の名前は忘れたが、レトロな喫茶店だった。新世界や西成あいりん地区には、そんな昭和スタイルの喫茶店がまだ数多く残っている。
 
世間は優勝セールで盛り上がっているが、我々、物流業界で働く人間にとっては地獄以外の何物でもない。はっきり言ってシンドイだけだ。当日も普段の何倍もの玉ねぎ・メークインをさばくのにテンヤワンヤだった。この時期はハロウィーンのセールとも重なるが、ハロウィーンだけではここまでの量にはならない。
 
さすがに「オリックス負けろ!」とまでは言わないが、祝勝セールにあやかれるのは所詮ブルジョア層に限られる事は指摘させてもらう。何故なら、我々、物流の下請け労働者にとっては、オリックスが勝ってもチョコ菓子を買う余裕なんか無いからだ。
 
チョコ菓子なんか買うぐらいなら晩飯のおかずを買う。それに、祝勝セールなんかやられても、大量の商品をさばかなければならなくなるだけ、シンドイだけで、自分の首を絞める事にしかならない。祝勝セールなんて今やブルジョア富裕層の道楽でしかない。
 
それに、幾らそんなセールを組んだ所で、消費がこれだけ冷え込んでしまったら、「笛吹けど踊らず」に終わるだけだ。幾らスーパーが客に商品を買わそうと、恵方巻セールだのハロウィーンセールだのと仕組んで、大量の商品を仕入れた所で、たいして売れず、セールが済んだら今度は在庫処分に忙殺される事になる。
 
先日も店でさばけないからと、大量のチョコ菓子がセンターに返品されて来た。店に置いておく場所がないのだと。だから、一旦センターに返品して、数日後に店のスペースが開いてから、また店に配送するのだと。こんなもの、二度手間以外の何物でもない。ガソリン代の無駄遣い、資源の浪費にしかならない。政府の掲げるSDGS(エスディージーズ:持続可能な開発目標)とも矛盾する。
 
 
しかも、セールの陰に隠れて物価は高騰。セールの商品は安売りするが、その他の生活必需品は値上がりしたままだ。それをそのままにしたまま、祝勝ムードで誤魔化すな!
 
チョコレートなんか食べなくても人間は死なない。でも、主要食料品の卵やトマトを買えなければ、やがてタンパク質やビタミン不足になってしまう。ハロウィーンのチョコレートなぞ品切れにはならない。いつも品切れになるのは安い農産物だ。缶コーヒーも値上がりし、分量は逆に少なくなる一方だ。チョコ菓子なんか発注する金があるなら、卵やトマトの値段を下げろ!トマト1玉を250円や300円なんかで売るな!
 
食い物の恨みを侮るなかれ。フランス王妃のマリー・アントワネットが、「パンが買えない」と訴えた農民に対して、「パンが食えなければケーキを食べれば良いじゃないか」と言い放ち、農民の怒りを買い、それがフランス革命の導火線になった故事は余りにも有名だ。(この故事の信憑性については諸説あるようだが)
 
日本でも、古くは江戸時代の百姓一揆、大正時代の米騒動、終戦直後の食糧メーデーの例でも明らかなように、食い物の恨みは時として歴史を揺るがす大事件に発展した。
 
 
 
この「食」にまつわる逸話については、私も二つほど実感した事がある。一つは、もう20年ぐらい前の話だ。生協を退職してバイト生活を始めた際に、当時は昼からの勤務シフトだったので、スーパーでお昼ご飯を買って、勤務前に会社の休憩室で食べていた時があった。
 
その時に、カップラーメン(醤油・味噌・塩・豚骨味)、お握り(鮭・昆布・タラコ・オカカ・高菜味)、揚げ物(コロッケ・唐揚げ・アジフライ等)を組み合わせれば、安い値段で買う事が出来、色々バリエーションも楽しめる事が分かった。
 
だから最初はラッキーと思ったが、やがて無性に腹が立って来た。何故なら、幾らバラエティー豊かに組み合わせた所で、所詮、カップラーメンとお握り、揚げ物では、ジャンクフードしか食えない事が、理屈ではなく肌感覚で分かったからだ。
 
しかも、似たような商品しか買えないので、スーパーの一角しか立ち入る事が出来ない。それ以外のエリアとの間には、目には見えないバリアが張られて、自分はその中に閉じ込められた気分に、次第に陥っていった。
 
まるで南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)によって狭く汚れたスラムや居留地に囲い込まれた黒人や、今のパレスチナ自治区ガザのアラブ人、西成あいりん地区の日雇い労働者のように。
 
今から考えたら、よくこんな偏った食生活を続けていたものだと呆れるが。当時は最低賃金もまだ時給900円前後で、私の月収も15万円あるか無いかの低賃金だったから、栄養なぞ二の次だったのだろう。
 
もう一つは最近の例だ。私は数年前まで西成のあいりん地区に住んでいた。その頃の年末に、あいりん地区の隣にあるスーパーで、年越しそばに入れる蒲鉾を買おうとした時の事。前日まで売り場に陳列してあった1個98円の紅白蒲鉾が、全て店頭から撤去され、正月用の迎春蒲鉾に置き換えられてしまっていた。
 
誰が1個数千円もするような迎春用の蒲鉾をそばに入れるのか?私が欲しいのはあくまで1個98円の紅白蒲鉾だ。しかし、店員に聞くと、もうそんな蒲鉾はどこにも置いていないと言う。その余りにも紋切り型の対応に腹が立ち、「これではボッタくりではないか!」と思わず言ってしまった。そうしたら、何と隣にいた見知らぬオバちゃんも、私に加勢して「そうだ!その通りだ!ボッタくりじゃないか!」と一緒に声を上げてくれたのだw
 
増税メガネの岸田や、カップラーメンの値段も分からない麻生太郎には、この気持ちは絶対に分からないだろう。だけど、貧困層にも貧困層の意地がある。いつまでも労働者の人権や尊厳を踏みにじって、搾取の上に胡座をかいていられると思ったら大間違いだ。
 
 
既にその予兆はある。さる10月22日に投開票された参院高知・徳島選挙区補欠選挙で、野党系統一候補が自民党候補にダブルスコアで大勝したのが、その良い例だ。今や岸田内閣支持率は3割を切り、危険水域に突入している。奢る平家は久しからず。今こそ声を大にして叫ぼう!祝勝セールより物価値下げと賃上げを!もしやらないなら、その時こそ「米騒動」に「食糧メーデー」だ!
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