アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

ヒロシマ2019平和の旅 参考資料

2019年08月08日 20時13分09秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

 

平和宣言

今世界では自国第一主義が台頭し、国家間の排他的、対立的な動きが緊張関係を高め、核兵器廃絶への動きも停滞しています。このような世界情勢を、皆さんはどう受け止めますか。二度の世界大戦を経験した私たちの先輩が、決して戦争を起こさない理想の世界を目指し、国際的な協調体制の構築を誓ったことを、私たちは今一度思い出し、人類の存続に向け、理想の世界を目指す必要があるのではないでしょうか。
特に、次代を担う戦争を知らない若い人にこのことを訴えたい。そして、そのためにも1945年8月6日を体験した被爆者の声を聴いてほしいのです。

当時5歳だった女性は、こんな歌を詠んでいます。
「おかっぱの頭(づ)から流るる血しぶきに 妹抱(いだ)きて母は阿修羅(あしゅら)に」
また、「男女の区別さえ出来ない人々が、衣類は焼けただれて裸同然。髪の毛も無く、目玉は飛び出て、唇も耳も引きちぎられたような人、顔面の皮膚も垂れ下がり、全身、血まみれの人、人。」という惨状を18歳で体験した男性は、「絶対にあのようなことを後世の人たちに体験させてはならない。私たちのこの苦痛は、もう私たちだけでよい。」と訴えています。
生き延びたものの心身に深刻な傷を負い続ける被爆者のこうした訴えが皆さんに届いていますか。
「一人の人間の力は小さく弱くても、一人一人が平和を望むことで、戦争を起こそうとする力を食い止めることができると信じています。」という当時15歳だった女性の信条を単なる願いに終わらせてよいのでしょうか。

世界に目を向けると、一人の力は小さくても、多くの人の力が結集すれば願いが実現するという事例がたくさんあります。インドの独立は、その事例の一つであり、独立に貢献したガンジーは辛く厳しい体験を経て、こんな言葉を残しています。
「不寛容はそれ自体が暴力の一形態であり、真の民主的精神の成長を妨げるものです。」
現状に背を向けることなく、平和で持続可能な世界を実現していくためには、私たち一人一人が立場や主張の違いを互いに乗り越え、理想を目指し共に努力するという「寛容」の心を持たなければなりません。
そのためには、未来を担う若い人たちが、原爆や戦争を単なる過去の出来事と捉えず、また、被爆者や平和な世界を目指す人たちの声や努力を自らのものとして、たゆむことなく前進していくことが重要となります。

そして、世界中の為政者は、市民社会が目指す理想に向けて、共に前進しなければなりません。そのためにも被爆地を訪れ、被爆者の声を聴き、平和記念資料館、追悼平和祈念館で犠牲者や遺族一人一人の人生に向き合っていただきたい。
また、かつて核競争が激化し緊張状態が高まった際に、米ソの両核大国の間で「理性」の発露と対話によって、核軍縮に舵(かじ)を切った勇気ある先輩がいたということを思い起こしていただきたい。
今、広島市は、約7,800の平和首長会議の加盟都市と一緒に、広く市民社会に「ヒロシマの心」を共有してもらうことにより、核廃絶に向かう為政者の行動を後押しする環境づくりに力を入れています。世界中の為政者には、核不拡散条約第6条に定められている核軍縮の誠実交渉義務を果たすとともに、核兵器のない世界への一里塚となる核兵器禁止条約の発効を求める市民社会の思いに応えていただきたい。

こうした中、日本政府には唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めていただきたい。その上で、日本国憲法の平和主義を体現するためにも、核兵器のない世界の実現に更に一歩踏み込んでリーダーシップを発揮していただきたい。また、平均年齢が82歳を超えた被爆者を始め、心身に悪影響を及ぼす放射線により生活面で様々な苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。

本日、被爆74周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。

令和元年(2019年)8月6日 広島市長 松井 一實

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1110537278566/index.html

 

広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式あいさつ

 今から74年前の今日、原子爆弾により、十数万ともいわれる貴い命が失われました。街は焦土と化し、人々の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。
 原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
 そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 核兵器によってもたらされた広島と長崎の悲劇を決して繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた努力をたゆまず続けること。これは、令和の時代においても、変わることのない我が国の使命です。新しい時代を平和で希望に満ち溢(あふ)れた時代としなければなりません。
 近年、世界的に安全保障環境は厳しさを増し、核軍縮をめぐっては各国の立場の隔たりが拡大しています。
 我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向け、非核三原則を堅持しつつ、被爆の悲惨な実相への理解を促進してまいります。核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取組を主導していく決意です。
 明年は、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年という節目の年を迎え、5年に1度のNPT運用検討会議が開催されます。この会議において、意義ある成果を生み出すために、一昨年、ここ広島から始まった核軍縮に関する「賢人会議」の提言等を十分踏まえながら、各国に積極的に働きかけていく決意です。
 私たちには、唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性を、世代や国境を越えて伝え続ける務めがあります。
 被爆者の方々から伝えられた被爆体験を、しっかりと、若い世代へと語り継いでいく。
 そして、広島や長崎を訪れる世界中の人々が、被爆の悲惨な実相に触れることで、平和への決意を新たにすることができる。そうした取組を我が国として、着実に推し進めてまいります。
 被爆者の方々に対して、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、今後も、被爆者の方々に寄り添った援護施策を総合的に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。
 結びに、「国際平和文化都市」として発展を遂げた、ここ広島市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

令和元年8月6日 内閣総理大臣・安倍晋三

http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2019/0806hiroshima.html

 

以上、今年の広島原爆慰霊式での市長の平和宣言と安倍の首相あいさつの全文を載せました。両者を読み比べると更にその違いが際立ちます。

被爆者の具体的証言から核兵器禁止条約の署名・批准を訴えた市長に対し、「御霊に哀悼の意を捧げる」だの「筆舌に尽くし難い苦難の日々」だの、大言壮語する割には市長の要望に何ら応えようとせず、言い訳に終始する安倍。幾ら「核保有国と非核保有国の橋渡し」に努めても、核保有国に核廃棄を迫らない限り、ただ「やってるフリ」をしているだけにしかならない。

幾ら虐めっ子と虐められっ子の「橋渡し」を努めようと、虐めっ子に「虐めはダメだ」と迫らない限り、虐めなんて無くなる訳がない。核廃絶もそれと同じではないでしょうか?

(追記)

安倍はやっぱりコピペ、手抜き弔辞の常習犯でした。長崎原爆慰霊式のあいさつも広島のあいさつとほとんど同じ文面でした。同じ保守系の広島、長崎市長が、被爆地の世論を背に、自分の言葉で核廃絶と核兵器禁止条約の批准を訴えたのとは雲泥の差です。安倍はやはり被爆者を見下していました。

長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典あいさつ

 本日、被爆74周年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
 そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 今から74年前の今日、一発の原子爆弾により、一瞬にして街は焦土と化し、7万ともいわれる貴い命が失われました。人々の夢や明るい未来が容赦なく奪われ、一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。
 核兵器によってもたらされた長崎と広島の惨禍を決して繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた努力をたゆまず続けること。これは、令和の時代においても、変わることのない我が国の使命です。新しい時代を平和で希望に満ち溢(あふ)れた時代としなければなりません。
 近年、世界的に安全保障環境は厳しさを増し、核軍縮をめぐっては各国の立場の隔たりが拡大しています。
 我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向け、非核三原則を堅持しつつ、被爆の悲惨な実相への理解を促進してまいります。核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取組を主導していく決意です。
 明年は、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年という節目の年を迎え、5年に1度のNPT運用検討会議が開催されます。この会議において、意義ある成果を生み出すために、昨年11月にここ長崎で開催された核軍縮に関する「賢人会議」の提言等を十分踏まえながら、各国に積極的に働きかけていく決意です。
 私たちには、唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性を、世代や国境を越えて伝え続ける務めがあります。
 被爆者の方々から伝えられた被爆体験を、しっかりと、若い世代へと語り継いでいく。
 そして、長崎や広島を訪れる世界中の人々が、被爆の悲惨な実相に触れることで、平和への決意を新たにすることができる。そうした取組を我が国として、着実に推し進めてまいります。
 被爆者の方々に対して、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、被爆者の方々に寄り添いながら、今後とも、援護施策を総合的に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。
 結びに、市民の皆様のたゆみない御努力により、「国際文化都市」として見事に発展を遂げられた、ここ長崎市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。
 原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、長崎市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

令和元年8月9日 内閣総理大臣・安倍晋三

http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2019/0809nagasaki.html

 

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