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れいわ新選組の沖縄1区候補擁立に再考を求める

2024年10月09日 21時41分06秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな

悲しむべきニュースが舞い込んできた。今度の衆院選沖縄1区に、れいわ新選組が新人の久保田みどり氏を擁立すると発表したのだ。沖縄1区は共産党の赤嶺政賢氏が唯一小選挙区の議席を保持している選挙区だ。沖縄では、この1区を含む全4選挙区で、立憲・共産・れいわ・社民の野党4党に、保守系の人達も加わった「オール沖縄会議」という共闘組織で、選挙が戦われて来た。その共闘体制が崩れたのだ。そんな事をして喜ぶのは一体誰か?自民党に他ならない。

れいわ新選組は沖縄4区にも独自候補を擁立する。こちらの候補は山川ひとし・前豊見城市長だ。2018年市長選でオール沖縄会議の共闘組織をバックに保守系現職に勝利したものの、次の2022年市長選では敗北。この時は共産党もオール沖縄会議の一員として山川氏を応援した。今回は共闘関係が崩れて、れいわ新選組からの単独出馬となった。これも非常に残念な話ではあるが、こちらはまだ「野党間で話し合いが付かなかったのだな」と理解はできる。

でも沖縄1区の場合は全く理解が出来ない。何故なら、新人の久保田みどり氏は元・保育士で、直近の豊見城市議選にも当選出来なかったのだから。地元の市議選でも当選出来なかったズブの素人が、何故よりによって、選挙区も異なる沖縄1区から出て、わざわざ野党共闘破壊の尖兵をかって出なければならないのか?

これが沖縄以外の選挙区なら私は何も言わない。もとより、どの個人や政党にも選挙に立候補する権利はある。しかし、今の小選挙区では、野党が候補者を一本化しなければ、与党に勝つ事は出来ない。だからこそ、少なくとも立憲・共産・れいわ・社民の4党は、多少不満はあっても、一番勝てそうな野党(その大半は立憲)に、出来るだけ候補者を一本化して来たのだ。

ところが、その後、最大野党の立憲民主党が、党創立当初の初心を忘れ、自民党やその別動隊の維新にすり寄る姿勢を次第にあらわにしてきた。その為に、「野党共闘」の体勢が崩れ、共産党も、れいわ新選組も、各地で独自候補を擁立するようになってしまった。しかし、その中にあっても、沖縄では今まで共闘体制が維持されて来たのだ。

それは何故か?沖縄の現実が、野党の分裂を許さなかったからだ。本土とは違い、沖縄では日本復帰後の今も、事実上、米軍の軍政下にある。幾ら米兵が沖縄の婦女子をレイプしても、米軍の許可がなければ、警察は容疑者の逮捕も出来ない。日米地位協定の壁に阻まれて。「米軍の治外法権を撤廃してほしい」「普天間の米軍基地も県内の辺野古なんかではなく県外に移設してほしい」。これはもはや保革の違いを超えた沖縄県民の願いなのだ。

その県民の願いがバックにあるからこそ、野党も分裂を免れてきたのだ。維新のような「隠れ自民」の「ニセ野党」以外は。その中でもとりわけ沖縄1区は、かつて瀬長亀次郎が活動して来た地域だ。瀬長亀次郎とは、長らく沖縄人民党の委員長として、米軍の土地強奪に抵抗し、祖国復帰運動の先頭に立ってきた人物だ。当時の沖縄県民は「カメさんの背中に乗って日本に帰ろう」を合言葉に、祖国復帰運動を進めてきた。

瀬長亀次郎は、沖縄の日本復帰後は、沖縄人民党の共産党への合流に伴い、共産党の副委員長として、当時は中選挙区の沖縄全県区で議席を保持して来た。その「島ぐるみ闘争」の伝統があるからこそ、沖縄1区では共産党、2区でも社民党が、小選挙区の野党統一候補として、民主党系だけでなく自民党や無党派からも一目置かれる存在になって来たのだ。

よりによって、その沖縄1区で、れいわ新選組が独自候補を擁立し、野党分断に加担するようになろうとは。これではもはや、れいわ新選組は、共産党だけでなく、オール沖縄会議に結集した、反基地の県民世論にも敵対したと言わざるを得ない。そんな事をして一番喜ぶのは一体誰なのか?自民党や第二自民の維新に他ならない。

確かに、れいわ新選組が野党共闘に見切りをつけたくなる気持ちも理解できなくはない。最近の立憲の自民や維新に対するすり寄りぶりについては、私にも言いたい事は山ほどある。でも、だからと言って、沖縄県民の基地撤去の願いまで踏みにじって良いという事には絶対にならない。

せっかく、「裏金隠し」解散の嘘を暴き、自民党にお灸をすえるチャンスだったのに。「万博・カジノ強行」「パワハラ知事製造元」の維新にもお灸をすえるチャンスだったのに。またもや自民党の高笑いが聞こえてきそうだ。

れいわ、沖縄1区に新人 共産「敵対行為」と反発―衆院選(時事通信)

れいわ新選組は8日、次期衆院選の沖縄1区に新人で保育士の久保田みどり氏(47)を擁立すると発表した。同区は共産党の赤嶺政賢衆院議員が同党や社民党などによる「オール沖縄」勢力の候補として2014年以降、小選挙区の議席を守ってきた。れいわの候補擁立を受け、共産の小池晃書記局長は国会内で臨時記者会見を開き、「敵対する行為だ。オール沖縄の取り組みを破壊し、断じて許されない」と反発した。

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