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ダブルワーク求人はブラック企業の巣窟か?

2019年05月05日 08時22分53秒 | 職場人権レポートVol.3

 

ブログの前の記事の中でも少し触れましたが、先日、兼業先のクリーニング工場で契約更新を拒否されてしまいました。昨年11月から仕事を始め、今まで半年間働いてきたのに、先日いきなり「このままでは契約更新できない。今後1か月間、様子を見させてもらう」と言われてしまいました。

先方が契約更新拒否の理由として上げてきたのは、私の「再洗ほぐし」作業が遅い事です。「再洗ほぐし」というのは、再洗浄にかけるシーツを、すぐに洗濯機に投入できるようにほぐし(開き)、別のカートに移し替える作業です。それ以外のアイロンかけ等の流れ作業とは違い、一人でやる手作業なので、私にとっては、むしろ一番やり易い作業でした。

但し、ホテル用のベットシーツなのでサイズが大きく、ほぐすのに手間取る事はありました。実際、社員からも「ウチは丁寧さよりもスピードが求められるので、もっと早くやるように」指摘された事もありました。しかし、それは当初だけで、その後は特に問題なく仕事をこなして来ました。時にシーツが滞留する事も少なからずありましたが、それは私だけの責任ではありません。シーツの移送時間にムラがあり、一時に集中するからでもあるのです。それなのに、そんな事は一切考慮されずに「ほぐす前のシーツを積んだカートが通路にもはみ出て、洗濯物の運搬にも支障を来している」と言って来たのです。

確かに、一人でやる手作業という事で、ラインでの機械作業と比べたら、若干スピードが落ちるきらいはあったかもしれません。しかし、そんなもの私に言わせると許容範囲内です。出勤してから退勤するまで、ずっとぶっ通しでフルマラソンの様に動き回っていたら身体が持ちません。作業の種類によって、力の入れ方に緩急をつけるのは、労働者なら誰しもやっている事です。

それでも、別に意図的にサボっていた訳ではなく、普通に仕事をこなして来たつもりです。それを、今まで通り一遍の説明だけで、作業のコツやペース配分についての具体的助言も無かったのに、いきなり無能者呼ばわりされ、私はすっかりやる気が失せました。その場では、仕方なく1か月間の短期雇用契約書に押印しましたが、ダブルワークに代わる増収策さえ見つかれば、いつでも辞めてやろうと思っています。

そんな折り、本業のバイト先で、私がシフト休みの水曜日に、他のバイトが仕分けミスを起こした事を知りました。白菜1ケースを、誤って隣の店に誤積みしてしまったのです。水曜日は、作業量が少ない代わりに出勤者も少なく、いつもギリギリの人員で仕事を回していました。普段でもギリギリの人数なのに、当日は欠勤者が2名も出て(うち1名は遅れて出勤)、そのしわ寄せで、普段は2名ずつで回している農産・惣菜PC部門の仕分けを、3名で両方かけ持ちしながら回さなくてはならなくなりました。そのさなかに、前述の誤積み事故が起こったのです。

私は、それを聞いて、兼業バイトに代わる増収策として、慢性的な人手不足状態にある毎週水曜日の午前中に、本業バイト先に応援出勤する事を思いつきました。以下、5月のカレンダーを基に、ダブルワークと応援出勤による収入額を取り敢えず比較してみます。ここでは交通費はひとまず除外して、時給額のみの比較で考えてみます。

兼業先のクリーニング工場(時給1150円)には、毎週月・火曜日の17時から20時まで3時間働いています。カレンダーに"夕方DW(ダブルワーク)"と書いた日がそうです。それを基に計算すると、5月の兼業収入は1日3時間×8日×1150円=27600円となります。他方、本業バイト先(時給1000円)で、毎週水曜日(5月8日以降)に、午前中作業と午後の作業準備(カゴ車セット等)まで含めて、7時〜13時に6時間出勤したとして、その場合のバイト収入は、1日6時間×4日×1000円=24000円となります。

実際には、兼業先も本業勤務先のすぐ近くにあり、交通費支給の二重取りを享受できていた旨味が、退職で無くなるので、もっと差は広がります。しかし、それを無視すれば、差は27600円-24000円=僅か3600円にまで縮まります。勿論、たった2万円超の増収では、月43050円の家賃を賄う事は出来ません。しかし、その不足分も、比較的忙しい週4日(月・木・金・土曜日)に1時間ずつ残業する事で、かなり賄う事が出来ます。

確かに、ダブルワーク収入と比べると若干減収にはなりますが、やれ「遅い」の何のと追い立てられる様に働かされるダブルワークと比べたら、通い慣れた職場で、いつもやってる仕事をするだけなので、応援出勤の方が精神的負担は遥かに小さいです。今までは有休を消化しなかったので、たとえ13時までと言えども折角の休日に出勤するのは億劫でしたが、今月から有休も計画的に消化する事にしたので、応援出勤もそんなに苦にはならなくなりました。

しかし、その旨を社員と所長に相談しましたが、認められませんでした。

不承認の理由は、①労基法では労働時間は週40時間までと決められている。それ以上の超過勤務を臨時で会社からお願いするならまだしも、最初からその超過労働を前提とした勤務シフトなぞは組めない。②水曜日は他の曜日よりも物量が少なく、出勤人数も最小限に絞らなければならない。この二つでした。現に、4月のセンター通過点数のデータも見せてもらいましたが、やはり通過点数は水曜日が一番少なかったです。

但し、通過点数の内訳で見ると、一番少ない水曜日も、それなりに点数はあります。しかし、他の曜日みたいに特売商品(チョコレートや農産当日仕入れ)の入荷がないので、点数が最小となっているのです。今、手元に資料が無いので、例えで説明すると、定番商品だけは、週末12に対し、水曜日以外の平日10、水曜日8ぐらいの割合でした。それが特売商品も加わる事で、週末15、水曜日以外の平日12、水曜日8と、週末の半分強の水準にまで減ってしまう。そんな感じのデータ推移でした。

だから水曜日は最小限の出勤人数に絞っているのだそうです。最小限なので一人でも当日欠勤者が出ると、途端に作業配置に穴が空きます。今週の農産PC部門での仕分けミスも、それが影響したのです。しかし、それを今更言っても水掛け論にしかならないので、応援出勤は諦め、今のクリーニング工場のダブルワークを後1ヶ月間続けながら、次の兼業先を探す事にします。次の兼業先は、畑違いの仕事ではなく、仕事のコツやペース配分も分かる同じ職種を中心に探そうと思います。

でも、今まで経験した兼業先は、どこもろくな求人ではありませんでした。最初のテレアポの会社は、ろく研修もせずに長いこと放置された挙句に、ようやくたどりついた実地研修で罵声を浴びせられ嫌気が差して退職。次の宅配便センターの仕分けも、長時間の酷使で身体が持たず、こちらから退職。そうして、ようやく見つけた好条件のクリーニング工場も、前述の様な感じで退職の瀬戸際に。

そもそも、企業が短時間雇用で兼業バイトを募集するのは、社会保険の負担を嫌っての事。雇用保険や労災保険の負担だけで済むように、兼業で使い捨ての短時間バイトを募集するのです。いくら見かけの時給が高くても、たとえ交通費全額実費支給でも、社会保険の負担がゼロなので、企業は十分元が取れます。しかし、そんな求人先ばかりになれば、日本の労働市場全体が「釜ヶ崎」みたいになってしまいます。そう考えると、兼業に過度に依存するのも善し悪しです。

それでも食べて行かないといけないので、渋々ダブルワークするのです。企業も、それを承知で雇っているのだから、多少「安かろう悪かろう」でも我慢しろと言いたいです。雇用が「安かろう悪かろう」なんだから、働きぶりも「安かろう悪かろう」で一体何が悪いのか?

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