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安倍政権の自縄自縛

2014年04月04日 20時52分33秒 | ヘイトもパワハラもない世の中を
河野談話「見直しは考えていない」菅長官 検証作業は進める考え(産経新聞)

 菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で、慰安婦募集の強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」の根拠となった元慰安婦への聞き取り調査などの再検証に関し、「河野談話を見直すことは考えていない」と述べた。
 菅氏は「確認作業はきちんと行っていきたい。すり合わせが行われたのではないかとの証言があったので、極秘の検証チームをつくって行っていく」とも語った。(以上引用)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140310/plc14031013540013-n1.htm

 今までも安倍やその取り巻き、お仲間の物言いには辟易(へきえき)させられてきましたが、それでもまだ言っている事の内容自体は理解できました。「私は賛同する気にはとてもなれないが、安倍の立場ならそういう理屈になるだろうな」という具合で。でも、ことこの上記の河野談話に関する内容については、言っている事の内容自体も全く理解できません。
 だってそうでしょう。菅は河野談話について、「見直しは考えていない」が「検証作業は進める」と言っているのですから。【見直し】も【検証】もほとんど同じ意味なのに。(以下、引用は全てコトバンクから)

けん‐しょう 【検証】
[名](スル)
1 実際に物事に当たって調べ、仮説などを証明すること。「理論の正しさを―する」
2 裁判官や捜査機関が、直接現場の状況や人・物を観察して証拠調べをすること。「現場―」「実地―」

み‐なお・す 〔‐なほす〕 【見直す】
[動サ五(四)]
1 もう一度改めて見る。また、その結果気づいた欠点を是正する。「提出前に作文を―・す」「仕事の進め方を―・す」
2 それまでの認識を改める。「今回のことで新しい市長を―・した」
3 病気や景気などが回復してよいほうに向かう。「八月の半ば過ぎになると、稲穂もよほど―・した」〈藤村・夜明け前〉


 ほら、「検証」も「見直し」もほとんど同じ意味でしょう。なのに「見直しは考えていない」が「検証作業は進める」とは???これって、コロッケを「買わない」が「購入する」、風邪ひきで会社を「休まない」が「欠勤する」、お前は「アホではない」が「無能だ」・・・と言っているのと同じではないですかwww。一体どっちやねん。もう言っている事が【支離滅裂】で理解できません。

しり‐めつれつ 【支離滅裂】
[名・形動]物事に一貫性がなく、ばらばらで、まとまりのないこと。また、そのさま。「―な話」


 こういう「アホではない」が「無能だ」という類の事を人が言う時は、大抵はどちらかが嘘なのです。本当は「お前はアホだ、お前みたいなアホは死んでしまえ」と思っているのだが、それを公衆の前であからさまに言ってしまうと、逆に自分の人間性を疑われかねないので、「君は能力がない」とか、他の言葉に置き換えて言っている場合がほとんどなのです。

 この場合は、「見直しは考えていない」なら普通はする必要もないのに、わざわざ「検証作業は進める」と言っている訳ですから、本当は河野談話を「見直す」気満々なのです。
 でも、そんな事をしたら、中国・韓国だけでなく、米国やその他の国々からも相手にされなくなるのが、安倍や菅も分かっているので、「見直しは考えていない」が「検証作業は進める」なぞという「???」な表現をせざるを得ないのです。
 そうすると、日本語というのは不思議なもので、同じ意味でも日常の話し言葉から「ちょっと小難しい言葉」に置き換えただけで、「どぎつさ」が相当緩和されます。例えば「武器」を「防衛装備品」、「死の商人」を「防衛産業」、「カジノ」を「統合型リゾート(IR)施設」・・・などの様に。

 では何故、「どぎつさ」を和らげなければならないのか。それは、本当は今でも「女なぞみんな男の言いなりになれば良い」「女なんてみんな慰安婦だ」と思っているのに、それをあからさまに言ってしまうと、もうどの国からも相手にされなくなるので、女性の人権侵害を「戦時中の慰安婦の話」に矮小化し、「当時は慰安婦は合法だった」「慰安婦は性奴隷なんかではなくただの売春婦だった」という言葉で誤魔化しているのです。

 ここで仮に百歩譲って、安倍や菅が言う様に、本当に「当時は慰安婦は合法だった」「慰安婦は性奴隷なんかではなくただの売春婦だった」としましょう。しかし、たとえそうであったとしても、「それが現代の基準からすれば人権侵害であり到底許されない事である」と本当に思っているなら、それなりに行動や態度として現れる筈です。少なくとも、「もう二度とこんな事は許さない」という言葉なり態度が自然に出てくる筈です。
 靖国神社(遊就館)の特攻美化展示や百田尚樹の特攻美化小説「永遠の0」の様な「言い訳まず先にありき」ではなく、原爆慰霊碑の「もう二度とこんな過ちは繰り返さない」という言葉や、核廃絶を率先して行うなどの行動が、真っ先に出て来る筈です。それでこそ本当の「積極的平和主義」ではないでしょうか!
 でも、安倍や菅の発言からは、そういう思いは微塵も伝わってきません。伝わってくるのは「当時は合法だった」とか「慰安婦がいたのは日本だけではない」とかいう言い訳ばかりです。

 「当時は合法だった」?「慰安婦がいたのは日本だけではない」?だったら人権侵害しても良いというのか?「必要悪だった」とでも言うのか?
 そこが問われているのでしょうが。それを安倍も菅も実は薄々感じていて、後ろめたいものがあるからこそ、こんな「カジノ」を「統合型リゾート」、「サラ金」を「消費者金融」と言い換えるようなゴマカシをやっているのでしょうが。こんな言い換えが通用するのは日本国内だけで、外国語に翻訳すれば直ぐに嘘がばれるのに。

 この様な「人権侵害に対する無頓着」こそが、今の日本政府に問われているのです。これは何も戦時中の慰安婦の話だけに限りません。また、女性だけに限った話でもありません。それが証拠に、今でも原発事故の責任も取らず福島の被災者を見殺しにしている。解雇特区だの規制緩和だのと言ってブラック企業を野放しにしている。ごく一部の不正受給だけを針小棒大に言い立て、その数十倍、数百倍もの母子家庭やネカフェ難民に生活保護も受けさせようとしない。「俺様が憲法解釈をするんだ」と言って三権分立のイロハもわきまえない輩が首相をしている。「権利主張も義務を果たしてから」とか言って、勤労や納税の義務を果たそうにも果たせない障碍者や失業者にはまるで人権なぞないかの様に思っている輩が政治をしている・・・言えばキリがありません。

 そういう昔から今も続く日本政府の「人権侵害に対する無頓着」、もっと有体に言えば「人権侵害への加担、セカンドレイプ」こそが問われているのです。「日本は本当に民主国家なのか?」と。それを安倍も菅も薄々感づいていて、後ろめたい気持ちがあるからこそ、こんな日本国内の、その中でも相当頭の程度の低い連中にしか通用しない【支離滅裂】な言い換えに終始し、【自縄自縛】の【袋小路】に陥っているのです。

じじょう‐じばく 【自縄自縛】
《自分の縄で自分を縛る意》自分の心がけ・言葉・行為のために、自由な動きがとれず苦しい立場になること。「―に陥る」

ふくろ‐こうじ 〔‐こうぢ〕 【袋小路】
1 行きどまりになっている路地。袋道。
2 物事が行きづまって先に進めない状態。袋道。「審議は―に入ってしまった」
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