アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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亡国の死神・佐藤正久

2007年08月14日 23時13分15秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権
 拙ブログの、旧掲示板2006年3月頃の書き込みの中に、こういうやり取りがありました。―バイト先の同僚から、「亡国のイージス」というテレビゲームの内容に関連して、以下の説明を求められた。その同僚曰く「くだんのテレビゲームには、僚艦を攻撃された自衛艦が、僚友を助ける為に、自艦をわざと敵の攻撃に晒す場面が出てくる。そうしないと専守防衛にならないからだ。こんな理不尽な事が本当にあるのか」と。それに対して私は「そもそも、日本が米国のイラク侵略に加担したから、そんな理不尽な目にも遭うのだ」と切り返したが、唐突にこんな事を聞かれて、軍事には素人との負い目も合ったので、切り返しに迫力を欠いた、云々と。(詳しくは同月10日付拙稿「「亡国のイージス」のシチュエーション」以後の過去ログを参照の事)
 http://afghan2004.hp.infoseek.co.jp/kakolog109.htm

 今頃何でこんな事を思い出したかと言うと、このバーチャルなテレビゲームの場面でしかない「亡国のイージス」のシチュエーションを、リアル世界で本当に実現しようと思っている人が居て、しかもこの前の参院選で堂々と当選していた、という事を知るに及んだからです。それが、当時「ヒゲの隊長」の名前で知られた、元・自衛隊イラク先遣隊長にして現・自民党参院議員の佐藤正久(まさひさ)氏なのだそうです。

 「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員)
 http://news.tbs.co.jp/20070810/newseye/tbs_newseye3630843.html

 しかし冷静に考えれば、やっぱり可笑しいわ、この佐藤という人の論理は。「正当防衛・緊急避難」だの「目の前で苦しんでいる仲間がい」て云々としきりに言っていますが、米国の方で日本を勝手にイラク侵略戦争の仲間に引きずり込んでおいて、「何故助けない」も糞もあるかい。当時の世論はイラク派兵に反対・懐疑派が多数であったにも関わらず、国会ではロクスッポまともな議論もせずにウヤムヤなまま、どさくさ紛れにイラク特措法を通してしまいました。その挙句に、内戦の泥沼に嵌り込んで、イラクから撤退する国も相次いでいる今頃になって、犯罪者の方から一方的に「何故助けないのか、人の道に反するのではないか」なぞと偉そうに言われる筋合いはありません。戦争加担を消防・救急活動一般と同列に論じようとする、その狡猾な手口が如何にも見え見えで。

 そう言えば、戦前の柳城湖事件(当時中国・満州に駐留していた日本の関東軍が、自作自演の鉄道線路爆破を口実にして、満州事変を引き起こした)の時も、一方的に外国領土に駐留して自分の方から戦争を仕掛けておきながら、「暴支膺懲」(ぼうしようちょう=先に手を出した乱暴な中国を懲らしめる)などと扇動して、国民を侵略戦争から破滅的な消耗戦に引きずり込んでいきました。死神・佐藤のやっている戦争誘発行為もそれと全く同じじゃないか。「亡国の死神・佐藤」を許すな!

 そう言うと必ず次に返って来るのが、「日本は拉致問題で北朝鮮と対峙している以上、憲法改正して軍隊を持つまでは、米国に何処までも付いていくしかないのだ」という理屈です。しかし、こんな詭弁に騙されてはいけません。この理屈こそ、「他国民衆の不幸と引き換えに自国民だけが助かれば良い」という「一国平和主義、奴隷の平和」の最たるものではないですか。「核廃絶」を通して「搾取・差別・人権抑圧のない、公正で民主的な世界の実現」を目指す国際平和運動の崇高さと比べると、その論理のジコチューさがより際立ちます。
 そして、「他人の不幸と引き換えに、自分たちだけのつかの間の安泰を確保する」というその発想ですが、その矛先が何も「他国」だけに向けられている訳ではない事は、既に今までの「負け組の不幸・不公正・犠牲の上に、ごく一部勝ち組のジコチュー平和を確保してきた」自民党政治で嫌と言うほど経験しているではないですか。「ごく一部の人たちの安泰のためには自分が犠牲されても一切文句が無い」という御目出度い人はそれでも良いのでしょうが、少なくとも私はそんなジコチューな世の中はゴメンです。

(参考資料:追記続行中)
・駆けつけ警護に容認論 集団的自衛権、有識者懇で大勢(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/0811/TKY200708110004.html
・武器使用で日本は独自に制約(同上・特集「新戦略を求めて」)
 http://www.asahi.com/strategy/0416a.html
・えっ、イラク復興支援っていいことじゃないの?(停戦委員会)
 http://www.geocities.com/ceasefire_anet/misc/iraq_fukkou.htm
・柳条湖事件(満州事変勃発)(クリック20世紀)
 http://www.c20.jp/1931/09ryujo.html
・元自衛官・佐藤正久参議院議員は即刻辞職せよ!!(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/08/post_c9d8.html
・ブロガーは連帯する!~マスメディアは連帯できないのか?佐藤正久発言への対応(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊))
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f1716eed9c119b74ec350e3429896524
・元自衛官佐藤正久参院議員のトンデモ度(とむ丸の夢)
 http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-373.html
・〔ツール〕はてなキーワード「佐藤正久」を含む注目エントリー(低気温のエクスタシーbyはなゆー)
 http://alcyone.seesaa.net/article/51349575.html
・イラク派兵で暴走しだした「軍の論理」と、「滅びの美学」を追求する「美しい国」内閣?(多文化・多民族・多国籍社会で「人として」)
 当該記事のコメント欄に「佐藤正久の行為は当たり屋と同じ」というのがありましたが、正に「言い得て妙!」です。
 http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2007/08/2007.html

 この佐藤正久発言については、与党による言論規制が効いているのか、他メディアが異様に沈黙している中にあって、ネットでは逆に世論が沸騰しています。先程、それらの内の幾つかの記事を上記に追記しましたが、その中でも極め付けは下記記事。イラク人質事件の時に個人バッシングに走ったネットウヨクは、相手が国家権力や軍隊となると、途端に黙ってしまう様です。

・[時事]ヒミツの大計画!(笑) 投稿者:佐藤正久です(猿゛虎゛日記)
>今日はTBSの記者さんに取材されましたよ! ボク(ヒゲの隊長さんね!)が昔考えた、あるとっておきの計画を教えてあげたよ! これってサイコーかも?(笑) 歴史に名前を残す大偉業のような気がする! これはやってみる価値アリだったとおもうね。そのうち日本でもニュースになると思うから、チェックしてね!<(偽・今井メールのノリで)
 http://d.hatena.ne.jp/zarudora/20070813/1186989406
コメント
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