マリリンとお父さんの2人旅。
カイロ 『サッカラ・メンフィス・ダハシュール』
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アブシンベル・ アスワン 『アブシンベル宮殿・ アスワンハイダム』
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ルクソール『王家の谷』 『カルナック神殿・ ルクソール神殿』
ここまで3泊4日です。
ルクソールからカイロに戻っていよいよ、私とティガーが合流します。
集合場所は、ギザのピラミッドが見えるホテル『メナハウス・オベロイ』
マリリンたちがまさにカルナック神殿を観光しているころ、私とティガーはエジプトへと向かうロングフライトの中にいました。
なにしろ「母と息子の2人旅」なので、「なんかあったらお母さんを助けてね、ティガー!」と言っておいたので、ティガーはなかなか頼もしく、スーツケースを押してくれたり、機内で寝る時も
「お母さんも寝ちゃったらパスポート盗まれるかもしれないから、僕がお母さんのバッグ抱えて寝てあげるよ。」
たまにはこういうシチュエーションもいいですね。
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航空会社はアリタリア。
第一ターミナルから出発します。
出発前、ティガーと時間をつぶすべく、第一ターミナルのショップをぶらぶらしていました。
目ざといティガーはおもちゃ屋さんを発見。
そしたらね、そこにいわゆる「レアもの」と言われるベイブレードがたくさんそろっていたのです。
ランランと目を輝かせるティガー。
そして、ちょうど我々が旅行中に発売されるどうしてもほしいベイブレードがその店に入荷するらしいということを店員の会話から聞きつけました。(そういうことには超敏感なティガー)
「あの~、そのベイブレードって取っといてもらえますか?」
とか聞いてんの。
結局、予約して取り置きしておいてくれることになり大喜びのティガー。
レアもののベイブレードをお探しの方、成田空港は穴場ですよ。
おっと、話がそれました。
肝心のアリタリア航空ね…。
感想は…
機内エンターテイメントは充実しているとは言えず、機内食はおいしいわけでもなく、サービスがいいわけでもなく…
だって、飛行機の楽しみって言ったら日本では未公開かまさに映画館でやってる最新映画を見ることじゃないですか。
それなのに、ほとんどが古い映画ばっかり。しかも15本くらいしかなくて、しかも半分はイタリア語のイタリア映画…。
子供向けの映画は2本くらいしかなくてゲームも種類少なくて、しかもコントローラーが作動しなかったりして…。
残念ながら、最近乗った飛行機の中では一番イマイチだった気がします…。
ティガーも、「ボクこの飛行機もういやだ…。ゲーム少ないし、映画つまんないし…。」
マリリンと夫ももちろんアリタリアで行ったのですがなぜか「JALとの共同運航便」でJALの機材で第2ターミナル出発だったんですよね。JALで行けてかなりラッキーだったと思います。
ローマでのトランジットは3時間。
ローマに着いたらおいしいピザを食べようね~ってすっごく楽しみにしていたんですけど、トランジットロビーはご覧のようになーんにもありません。
イタリアといったらピザでしょ~~?
ものすっごくがっかりして、この硬い椅子で2人でぼや~っと過ごしました。
ティガーが手に持っているのは「スプライト」
スプライトって日本ではあんまり売っていませんよね。
ティガーにとって、スプライトは「外国に来た~っ!」って言う味なんだそうです。
そういえば、ちょうど4日前にマリリンも同じ赤い硬い椅子に座ってアイス食べてる写真あったね。
マリリンとお父さんも、空港でピザ食べるのを楽しみにしてたけど、何もなくてがっかりしたらしい。
おんなじだね…。
まあ、良く考えたら、成田でも寿司屋とかそばやってトランジットロビーにはありませんよね。
家を出てからほぼ24時間かけて、ようやくカイロの空港の到着しました。
満月の夜でした。
カイロの空港では、まずビザを取得します。
といっても、お金払ってパスポートにシールを張ってもらうだけなんだけど。
インドネシアの入国時と同じような感じね。
しかし、ロビーがあまりに混雑していて、どこにそのブースがあって、その列がどのように伸びているのかもわからない。
どうやらめちゃくちゃ長い列であることはわかるんだけど、途中で枝分かれしたり激しく蛇行したりして一体どこに並べばいいのやら…。
もちろん強気な外国の人々はガンガン横入りして、あっちこっちで罵声が飛び交っています。
やっとの思いでビザを購入し、今度は入国審査の列に並ばねばなりません。
これがまた一向に進む気配がない途方もなく長い列。
でも並ぶしかありません。
すると、男の人が声をかけてきました。
見ると、手に 「えびふらい」 と私の名前が書かれた紙を持っています。
うちが手配をお願いしたカルナックから来たっていうんだけど、そんな紙切れ一枚じゃ信用できません。
だって、カルナックの日本の担当者さんから「ガイドは税関より内側は立ち入り禁止ですので、ご自分でビザと入国審査をして、ガイドと外で合流してください。」って言われてるもの。
もしかしたら、その紙切れに書かれてる名前だって、外で見かけて
「日本人の名前だ。よし、利用してやろう」
とか思って書いたかもしれないじゃない。
そんなまったくもって信用できない男に「ついてこい」と言われてついていけるはずもなく、
意地でも長い列に並ぼうとしていたら、いきなり私とティガーのパスポート持ってどっか行こうとするのよ。
えぇ~~~? ちょっと待ってよ。
めちゃくちゃ不安な気持ちで、なんとかパスポートを取り返そうと、必死で人ごみをかきわけてその男を追いかけます。
すると、「EXCLUSIVE LANE」ってとこにその男が並んだのね。
そこでふと、そういえば…
と夫が言っていたことを思い出しました。
夫もカイロの空港に着いたら謎の男に声かけられて、けんか腰でやりあって、結局その人はガイドアシスタントで、あんなに不安な思いさせられたから、私とティガーを空港に迎えに行くときにはちゃんと名前の書いた紙を持って、カルナックを名乗って不安を払拭するように、と強く言っといたから。
って…。
全然改善されていないんですけど…?
EXCLUSIVE LANEは乗務員とか、空港認定ガイドが付いてる人のみしか使えない特別なレーンで全く並ばなくていいんです。
まだその男を信用していない私は、やっぱりこの気が遠くなりそうな列に並ぶべきか迷っていましたが、あれよあれよと言う間にパスポートにスタンプが押されたので、とにかくついて行くことにしました。
ティガーは「お母さん、ほんとに大丈夫なの…?」 と涙目です。
ここで夫に電話をしました。
「私この人について行っていいの?」
事情を話すと、
「ったく、ちゃんと言っといたのに、やっぱり俺らのときと一緒だよ…」
そうなのね、ならば信用してよさそうなので、ついて行くことにしました。
それでもまだなんとなく不安だったので
「うちの担当ガイドを知ってるか。」
とか
「これからどこのホテルに向かうのか。」
とか質問してみました。
男は、ガイドのアハメドさんのことも、これからメナハウスオベロイに向かうことも、そのホテルに夫と娘がすでに到着していることも知っていたので、ここでようやく安堵のため息をついたのでした。
カイロの夜中の2時のことでした。