理由はいらない

これだけどこにでもコーヒーがあるのに、なんでコーヒー屋で食っていけると思ってるの？
って、開業前たくさんの人に言われた。
確かにそうだ、まったくおいしくないコーヒーを手に、必要とされていないものが、
供給過多の世界に突撃したのだ。
ドン・キホーテだって、苦笑するに違いない。

どうしてやっていけてるの？
って、聞かれると、謙遜とかではなく、心から答えている。
ただただ運がよかっただけ。
そう、まさにそう。
次の人生があるのなら絶対にコーヒーロースターは選びません、とも言う。

コーヒーロースターを選んだ理由をまことしやかに言うことがある。
だけど、すべては後付け。
ほんとうの理由は、ない、のだ。
ただ、コーヒーロースターになり、今もまだ、コーヒーロースターである、というだけ。
先のことはわからない。

必要とされているうちは続けます。
必要とされなくなったら止めます。
これって、理由かしら。
これも後付け、だよね。
そう、大切なことは、いつだって後からわかる、だから最初に理由なんかいらない。