5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

グーグル・オーシャン

2009-02-03 23:13:31 | PC・インターネット
経済不調のアメリカにあってもグーグルはITの雄として好調を持続しているが、今日のNBCニュースでは、ユニークなサービスのひとつ『グーグルアース』の新ヴァージョンに、海洋のレイヤー『グーグルオーシャン』を付加して発表したと報じている。

なにやら面白そうなので早速VER5をインストールして内容をチェックしてみた。

パートナーと呼ばれる30以上の国際組織のサポートがある為か、なかなかに充実内容になったいるようだ。海洋大気庁、ナショナルジオグラフィック協会、モントレー水族館、コロラド大雪氷データセンターといった著名な機関から、NGOや個人組織まで幅広いが、日本からは日本水路協会の海洋情報研究センターが参加しているのを見つけて頼もしく思った。

さて、これらのパートナーの提供するデータによって作られたレイヤーだが、現在は全部で14種類がアップロードされている。

ブラウズしながら一通り眺めてみると、《ナショナル・ジオグラフィックス》は「乱獲によって魚の消えた海」や「海の葉緑素レベル」といったテーマをクイズ形式で考えさせる仕組みだ。《クストー・オーシャン・ワールド》では「海がめの産卵」を動画で見せてくれる。

《BBCプラネットアース》では、海の生物たとえば「かくれくまのみ」のスチル写真と解説を吹き出しで見られるし、《マリーンスポーツ》のサーフィン・スポットのレイヤーではタヒチのテアフポーという初めて聞く名のサーフィンスポットがポップアップする。

《難破船》のレイヤーでは、マルタ沖に沈んだ英国軍艦マオリが、《海洋保護区》では有名なグレートバリアリーフ海洋公園が、《絶滅危惧種》ではモーレアのレモンシャークが見られるし、さらに、《生物を追跡》というレイヤーでは識別番号CASL0024SNISの牝のカリフォルニア海馬の回遊位置がわかると云った具合。

未チェックだが、生物調査、海底地形、海の現状、海洋探検といったレイヤーも提供されているから、飽きるまでには結構時間がかかりそうだ。

海洋データや生物の映像写真を募集するメッセージも出ている。海洋の不思議を3Dで説明するという目論見からして、現在の状態ではデータ取り込みがまだまだ不十分だということなのだろう。

在米の機関・組織が大多数ということで、アメリカ近辺のデータが他地域からよりも多くなるのは当然だ。グーグルとしては他地域からの素材がもっと欲しいというのは正直なところだ。

四辺を海に囲まれて、魚食文化でもある日本は、必然的に海との繋がりが強い国である。自然環境としての海だけでなく、政治的、軍事的、経済的な水域としての海を考えたとき、この《グーグルオーシャン》の意味はひょっとして、とても大きいのではないかと感じた。

ロシアに拿捕された蟹とり漁船があり、ミサイルを打ち上げようとしている北朝鮮がいて、韓国との領土争いをする竹島が浮かぶ一方で、築地には外国人観光客が一匹数百万のまぐろを撫ぜに集まり、捕鯨では世界を敵に廻して頑張る我国。

日本人得意のデジタルデータ処理で、日本近海、特に日本海側の海洋生物の《情報》をたっぷりとグーグルに提供することができれば、交渉上手の周辺の国々をじわりと押さえることが可能になるのではなかろうか。知的情報が国際政治に役立つということ。

今なら他国より一歩先に行けるはずだ。先手必勝である。
















最新の画像もっと見る

コメントを投稿