5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

寝覚めがちな五月雨

2012-07-03 22:23:43 | 自然
日中は梅雨前線が刺激された結果の強い雨が降り続いた。降り方が局部的で間歇的なのは特徴なのだろうか。なんとなく南国のスコールのようだ。地球温暖化の影響かもしれない。朝鮮半島には雨が降らず、真夏の水不足を心配しているというのだから、偏西風の流れが変わっているのだろう。降雨の隙間を狙って万歩をこなした。

「五月雨や御豆の小家の寝覚めがち」

大岡信の「折々のうた」、夏のうたの項に、蕪村のこの俳句が載っている。本文の解説によると、御豆(みずと読む)は京都にあって、淀川と木津川との合流点近くの淀東南の地名だ。WEB地図で探してみると淀美豆町という地名が見つかった。それこそJRA京都競馬場の間近である。ここだろうか。

土地勘はないが、地図で見ても河川敷きが宅地化されてような低地らしい。全体が低くて湿気ていて、さみだれ(梅雨)の季節には木津川が氾濫を起こしやすい土地柄だったと大岡も書いている。だから、その恐れから、屋根をしばしば雨が叩く季節になると、ここら一帯の小さい家々に住んだつましい人々は、眠りも浅く寝覚めがちになるというわけだ。

「五月雨や大河を前に家二軒」

これも、蕪村の有名なさみだれの句だが、大岡は、御豆の小家の哀れ深さには及ばないとしている。

ニュースによると、1時間に50ミリ以上という激しい降雨に見舞われたのは九州北部の大分や福岡。各地で川が増水して氾濫が相次いだとある。前線は停滞するため、気象庁はこれからも雨や雷に注意し、土砂災害や増水浸水の警戒を怠るなとしている。今宵、寝覚めがちなのは淀川沿いの小家だけではなさそうだ。




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