5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

今日は初伏

2019-07-12 21:38:31 | たべもの

韓国では、夏の間に三度ある「伏日」の今日は「初伏」だということで、高麗人参とひな鶏のスープ、すなわち、参鶏湯を食べる習慣がある。栄養価の高いものを食べて暑い夏を乗り切ろうということだというから、土用丑に鰻を食べる日本と似ている。

ツイートのタイムラインにはMBSの動画ニュースが「参鶏湯」の値段について取材しているが、それによると、ソウルで食べる参鶏湯1杯の平均価格は1500円程度になるという。日本と比べてみても、思いのほか高価だ。平均価だから、これよりすっと安価なものも探せばあるのだろうが。

家人は名古屋の円頓寺界隈にミシュランで評価されたなんとかいう鰻屋があるという。こちらは知らない。最近は堀川沿いの四軒道辺に仕舞屋を改築した飲み屋や喫茶店がおおく開業しているらしいから、この鰻屋もそのひとつかもしれない。まぶしと長焼の両方を一杯で楽しめ、こちらは3000円とソウルの参鶏湯と比較しても安い。女性客たちに人気だというのもわかる。

さて、今日の我が家の夕食には、鶏のスープならぬ、鶏のキモとニラを炒めた「レバニラ」が出てきた。近頃のスーパーのニラはスジが硬くて年寄たちには難物だ。中華料理屋のニラは噛みきれないなんてことはなかったということになり、プロ食材の流通と一般家庭用の食品流通はどうやら違うのではないかという結論をつけた。

参鶏湯にしてもレバニラにしても「トリを食べる」ということになるのだろうが、名古屋あたりではそうは云わない。「カシワを食べる」というのだとは、「ことばの歳時記」の金田一春彦先生。たしかに、昔の年寄たちは「カシワを食べる」とは云ったし、自分が子供の頃は、かしわ屋という看板をあげた鶏肉屋が多かったのも事実だ。「コーチンの名産地だから、それだけトリ肉にはウルサイのだろう」と先生は書いておられるが、今の年寄たちは「コーチンを食べる」などとは云わないのだ。

鶏をカシワと云うという話を金田一先生がしたのは、「レンコンを食べる」というのが一般的なのに、東京の人たちは「ハスを食べる」という変わった云い方をしているといいたいが為の例だったのだ。たしかに「ハスを食べる」ではハスの花を食べるような感覚に受け取られる。「カシワを食べる」という昔の名古屋人たちに対して他所の人たちは「柏餅を食べる」ところをイメージしたのかもしれない。

純白や淡紅色のハスの花が咲いているところを、万歩途中の裏路地の玄関横の水鉢の中に見つけることがときどきある。梅雨雨はまだ続くようだが、雨に打たれたハスの花や葉も、これまた風情があって美しい。

梅雨が明ければ猛暑の予感だ。「中伏」は7月22日、「土用丑」は7月27日に来る。



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