「ハリケーン到達までまだあるが、ミシシッピ河口のポンシャートレン湖の水位が異常に上昇している。洪水に供えよ」とNBCのキャスターが叫んでいる。数日前は、アラスカのアンカレッジで32度というありえない高温を記録したとか、ハワイでは山火事が熾って消火作業に懸命だとか、イタリアではオレンジ大の雹が降ったとか、異常な気象については連日のように世界各地からニュースが入る。
「奄美地方が梅雨明け 平年より2週間遅く過去3番目の遅さ」というのは今日の国内ニュースだ。東海地方は今日も雨模様。去年は7月9日だった梅雨明けは未だその気配すらない。気温が高く湿度も高いという体感的には最悪のコンディションとなった。梅雨末期の豪雨被害も怖い。
であるから、今日の夕刊では「異常気象の嵐」という見出しが最初に目に入った。「北極圏で記録的高温、アメリカやバングラでは洪水、欧州やインドでは熱波など、世界各地で異常気象が相次いでいる」とWMO(世界気象機関)が発表、「地球温暖化による高温や降水パターンの変化が、山火事の増加や夏の長期化をもたらしている」とも分析している。
WMOによると、地中海から北極圏までが、異例の高温と乾燥状態になっており、シベリアの6月は平均気温が、1981年から30年間の平均比で約10度も高かった。フランス南部は6月末に、観測史上最高の45.9度に達した。その影響で、6月の北極圏では大規模な山火事が100件以上発生。スエーデンの年間排出量と同じ5千万トンのCO2を一気に吐き出した。これだけ大規模かつ高緯度の山火事発生はきわめて異例だというが、たしかにそうだろう。
北極圏の寒さは知らぬが、1970年代に2回、アラスカのアンカレッジに降りたことがある。いずれも夏のこと。それでも気温は零度に近く、寒風吹きさす氷河ツアーには厚手の冬コートが必須だった。それが30度以上という<夏日>が続くようになるとは、いったい誰が考えただろうか。
一方、北米大陸は竜巻の発生が極めて多く、それが一段落したと思えば、各地でゲリラ豪雨が続く。ハリケーンの発生も例年より多そうだという予測もある。今頃、ニューオルリーンズの市民たちはカトリーナの悪夢を思い出して眠れぬ夜を過ごしているのだろうか。
バングラデシュではモンスーンによる大雨が洪水となり、ミャンマーから逃げてきたロヒンギャ難民たちにも容赦なく襲い掛かっているという。これで感染症などが発生したらそれこそ生き地獄の惨状となるのはまちがいない。
人間の暮らしの向上がいまや大きな負のサイクルになって地球の温暖化を煽りたてる。なんという皮肉だろう。そんなことを考えながら、蒸し暑い部屋でPCに向かってこのブログを書いている。
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