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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

第95回全国高校サッカー選手権大会 出場チームについて

2016年12月30日 21時26分40秒 | 高校サッカー・クラブユース
全国高校サッカー選手権大会が開幕した。
毎年全都道府県の決勝戦を日テレG+で録画放送しているので、全決勝戦(48試合)を視聴しその感想を以下のとおり示した。
なお、チーム名の横の数字は決勝戦だけを視聴して独断と偏見で示したチーム力。
チーム力の数字の見方は以下のとおり。
55~:選手権大会で戦える一定以上のレベルを有している
60~:選手権大会で1勝出来る力を持っている
65~:選手権大会でベスト8まで勝ち上がれる力を持っている
70~:選手権大会優勝候補、プレミアリーグ残留できる
75~:選手権大会優勝候補筆頭、プレミアリーグで中位に入れる
80~:プレミアリーグで優勝争いできる
85~:プレミアリーグ優勝候補
※過去5年間ずっとこの基準は変えていない。青森山田の評価点が81でプレミアチャンピオンになっているが、つまりそれは数年前に比べてユース年代のレベルが下がっているという事を示している。


旭川実業 63
 高い位置からのプレスが強く縦に速い攻撃が特徴。SB4佐藤のクロス、SB8君ケ袋のスピード、DH7伊藤のバランス感覚が良かった。

青森山田 81
 プレミアチャンピオン。優勝候補筆頭だが、他チームから圧倒的にマークされるうえ、他に比べて圧倒的に準備時間が少なくコンディションとモチベーションのコントロールが非常に難しい。今大会で本来の力を出すのは難しいか?

遠野 55
 ポゼッションサッカーとショートカウンターが持ち味。DFラインとボランチの間にスペース空きやすくDFラインの裏を取られやすい。11阿部と8青沼のドリブルが良い。

聖和学園 62
 例年通りのテクニックサッカーだが、相手のラインが高いとロングボールを放り込む事もあり。前線のポディションチェンジが多い。6藤井と14原科のドリブルが良かった。

秋田商業 64
 近年5年の秋田商業の中で一番良いチーム。テクニックある選手多い。ベスト16狙える力はある。10駒野谷のパスが正確でそこからうまく攻撃を組み立てる。

山形中央 45
 3バックシステムだが実際は5バック。ショートパスで攻撃組み合立てるが、DFラインが揃わない。10岩村のキックとGK阿部が良い。

尚志 64
 前線4人が流動的にポディションチェンジを繰り返す。SB6常盤のセットプレーのキックが良い。14影山や10加野など個で仕掛けられる選手が多い。ただ、守備が少し薄く数的優位が作れないシーンが目立つ。

鹿島学園 63
 FW10上田のドリブルが良い。中盤は7木次谷、9岡部が中盤からチャンスメイクする。守備面はバランスが崩れるシーンありセットプレー時にはマークがずれる。

佐野日大 56
 5バックでしっかりブロックを作りカウンター。攻撃は前線の3人が担当。サイドからのクロスに見どころあり。

前橋育英 67
 スタメン中2年生が6人で2年生中心のチーム。個々の能力が高くFW10飯島の決定力が見もの。

正智深谷 62
 堅守速攻スタイル。6今岡のスピードがチームの武器。そこからFW9玉城11川井の2トップに合わせてくる。

市立船橋 76
 洗練された組織守備のサッカー。セットプレーはかなり練習を積んでいて、CKはどんぴしゃのタイミングで合わせてくる。守備時は4バック攻撃時は3バックの意向が非常にスムーズ。

駒沢大高 64
 駒澤らしい高さと強さのあるチーム。2トップの攻撃力が高い。全体的に空中戦が強い。部員数は268人で最多。

関大一 70
 個々の能力が高く、なおかつ組織力も高い。10冨山と11林のドリブルが良い。守備組織はかなりしっかりしている。

桐光学園 74
 各ポディションに能力の高い選手がそろっている。SB5ダビナス、DH14田中雄、10鳥海、7西川あたりは大会の主役になれるだけの能力を持っている。SB2淡路の1対1の守備も見もの。

山梨学院 63
 前線の4人の攻撃が強力。特にエース9加藤はフィジカルが強烈。ロングスローを投げられる選手多くロングスローからチャンスを作り出す。ボランチの守備が甘いシーンが多く後半まのびするシーンが多い。

帝京長岡 64
 攻撃の連動が非常に良いチーム。テクニックのある選手が多くSB4齋藤はフットサル日本代表。ボランチ13安田が中盤底のつぶし役を1人で担い攻撃につなげる。FKやCKもチームとしてパターンが多く見もの。

富山第一 64
 ジョーカー役の2年生3人を後半順々に投入。1人ずつ投入することで、選手たちにギアを1つ1つ上げるサインとなっている。全国大会優勝した時のPKキーパーの例もそうだが、選手交代による選手のモチベーションコントロールがうまい。セットプレーはパターンが多い。10久保のドリブルが良い。

鵬学園 65
 星陵の連覇を17で止めたチーム。昨年も決勝戦で星陵を苦しめており今回の結果は決してまぐれではない。GK1的場(1年)が決勝戦でビッグセーブ連発。鋭いカウンターも見せた。1的場、2中村、9越田、13西川、15森田が注目。監督は31歳と若いが、かなりの野心家(たぶん)で全国でも「ひと暴れしてやる」と意気込んでいる。

北陸 52
 FW10三宅のスピード、SB9梅田のドリブルが特徴。松本監督はS級ライセンス所持でかつ柔道3段、剣道2段、極真空手初段。

創造学園 45
 県予選決勝はエースの前谷が不在だった。守備時のポディショニングがなかなか定まらないシーンが目立った。

中京 52
 3バックでしっかり守り、前線攻撃力のある選手にボールを託す。FW10赤堀はテクニックあり。

藤枝明誠 68
 攻撃力は全国トップクラス。元々攻撃力は高かったが、夏以降にチーム内の連携が良くなりチーム力が向上した。14藤本はクラブチーム含めて全国屈指のFW。藤本の周りを9遠野、18山田、10丹羽といった能力の高い選手が脇を固める。

東邦 63
 夏以降にチームが大きく成長。守備ブロックが分厚くなかなか崩されない。組織力が高いが攻撃力は低い。14伊の中盤の潰し、7閼伽井と10藤川のテクニックが見もの。

海星 62
 ハイプレスで積極的にボールを狩りに来る。ボールを奪えればチャンスになるが、プレスをかわされるとバランスを崩してしまうシーンが多かった。FW10三輪は高いセンスを持った選手。

野洲 58
 技術高いが中盤の潰しが弱くもろさもある。10徳田と7高取のテクニックが見もの。SB6小磯のドリブルも良い。CB3川瀬は身長はそれほど高くはないがガッツあふれるプレーで空中戦も強い。

京都橘 67
 FW7岩崎が今大会一番の注目選手であることは間違いない。その岩崎を支える選手としてキープ力あるFW10梅津とドリブルの良い11堤原がいるが、それ以外には攻撃が作れる選手がいないのが少し厳しい。

東海大仰星 64
 どんどん前線のFW目がけて蹴ってくる。スローインも両サイドでロングスローでFW目がけてどんどん投げてくる。得点の多くがセットプレー。両SBがロングスロー投げるが、SBのポディショニングはあまりよくない。

滝川第二 61
 縦に速い攻撃が見所。FW11溝田は力強い突破力がある。14持井のドリブルも良い。決勝戦は相手チームのスカウティングを綿密に行ってたのか?相手守備の隙を見事についた攻撃を見せていた。

一条 54
 チーム全体で闘える。パス交換から攻撃。SB12向井の攻撃参加で攻撃に厚みを加える。

和歌山北 54
 組織を重んじた戦い方。選手個々の組織に関する意識が高い。その分型にハマりすぎでカバーが遅く成るシーンが目立った。10和田のドリブルが良い。

米子北 73
 伝統の堅守強攻。2トップが強くパススピードが速い。サイドからのクロスが多くサイド攻撃が強い。FW11伊藤は強さのある本格派FW。MF10山室、SB2田中も非常に能力が高い。

立正大湘南 64
 例年の立正大湘南に比べるとやや小粒な感じがあるが、FW17梅木を中心に迫力のある攻撃を仕掛ける。セットプレー時は190㎝のCB4西谷に合わせる。なおGKは身長161㎝。得意のトリックセットプレーについては、今年はスローインでのトリックもあり。

岡山学芸館 58
 ダブルボランチがチームの中心。DH3野島、DH10池平、MF7西山に注目。FW9山河は前線でつぶれ役となって頑張れる選手。

広島皆実 71
 FWの3人が強力。FW13藤原はFKのキッカーを務めるが非常に正確なキックを持っている。MF7藤井は良い縦パスで攻撃にスイッチを入れる。SBは攻撃が好きで守備が甘い。

高川学園 58
 前線の攻撃陣に迫力がある。FW10山本はフィジカルが強くボールを収められる選手。そこに13伊石がうまくからみ攻撃をつくる。7長廣、20水本がそこにどれだけうまく絡めるようになるかがポイント。

徳島市立 59
 前線4人とSBの攻め上がりで相手守備を崩す。7郡のドリブルが良い。SB5高畑は積極的に攻め上がる。DFは対人がやや弱い。

高松商業 55
 目立つ個は無いが組織力が高い。組織的守備が良い。MF8青、FW11青井の突破力が良い。MF6安西がゲームメーク。

松山北 52
 3年引退済みで2年生中心。考える力と伝える力を磨く「美攻賢守」で松山工業相手にジャイキリ達成し全国大会出場を決めた。10三宅のドリブルが良い。

明徳義塾 56
 守備がウリのチーム。攻撃はロングボールをFWにあてる。全体的にまのびしやすい。決勝戦はエースFWの竹内が準決勝で脳震盪の診断で5日間の安静が義務付けられ、決勝戦は出場できなかった。

東福岡 75
 伝統の流れるようなサイド攻撃「赤いすい星」は健在。能力の高い選手が多い。九州で一番うまい選手が東福岡に集まる流れがほぼ出来上がった感じがする。九州の盟主になった。

佐賀東 57
 ポゼッションサッカー。ワンタッチのショートパスで攻撃を作りパスの意識が高い。FW9中里のスピード、MF7井出のテクニック、22小野のテクニックが良かった。

長崎総科大附 66
 ロングボールをFWにあてる攻撃。小嶺監督らしいチームに仕上がっている。3トップと10薬真寺の4人の攻撃は非常に強力。GK12湊のパントキックも地味に凄い。7宇高、11安藤、9右田の3トップは今大会かなりの上位レベル。

ルーテル学院 62
 CB10 島津からの展開で攻撃作る。FW11伊藤が縦に速く仕掛ける。7東の飛び出しも良い。決勝戦最後に決めたトリックセットプレーは見事だった。

大分 55
 パスサッカー。10永松のパスと7吉田のドリブルが良い。応援の幟は選手1人1人の名前と全体写真をプリントしたものを作成し会場に掲示していた。

鵬翔 61
 FW13宇津元がエースFWでチームの中心。8甲斐のセットプレーのキックも見もの。サイドの守備に甘さがあり個で仕掛けれられる選手は少ない。

鹿児島城西 65
 堅守とサイド攻撃が特徴。5生駒(2年)は世代別代表候補の高さと強さがある選手。MF10永吉のパス、9福島のスピードも見もの。SBはあまり上がらずDFのポディショニングにやや甘さがある。

那覇西 48
 攻撃型チームでFW7上原がその攻撃の中心。守備は全体的に甘さがある。


セットプレーについて、今大会は各チーム新たな取り組みをしているチームが多かった。その一例を紹介。
高川学園:FKの記念撮影で膝をつく選手が相手ゴールに向かって膝をつく。
広島皆実:壁の前で味方選手2人がピョンピョン跳ねてGKの視界を妨げる。
旭川実業:味方選手3人の壁が相手GKに向かって動く。
滝川第二:CK時に全員がファーサイドからニアサイドに走り込む
市立船橋:ファーサイドから走り込む。キッカーがタイミングドンピシャで走り込む選手に合わせる

各大会トピックス
福井県大会:決勝戦で敗退した福井商業のチアガールは全米ダンス選手権4連覇のチーム。チアダンスが全国屈指のハイレベルだった。
冨山県大会:双子の兄が水橋、弟が富山第一に進学し、決勝戦で共にスタメンで双子対決が実現。
宮崎県大会:決勝戦の会場は県運動公園サッカー場だが、静岡県のエコパ補助のような会場。もっと良い会場は無いのか?鵬翔が優勝を決めた直後に鵬翔応援団がピッチになだれ込むモラルの低さを披露してしまう。
山梨県大会:韮崎が久しぶりに決勝戦に進出。実況が韮崎の伝統を必死に伝え韮崎贔屓の放送になっていた。放送局の公立贔屓、私立敵視が顕著だった。
栃木県大会:決勝戦進出の宇都宮短大附の応援団が、前日の雨で濡れた会場の全座席を試合前に拭いた。
東京都大会:帝京が久しぶりの決勝戦進出。帝京は1年生に良い選手が多い。ブラジル人留学生の1年生がスタメン(9番)。FC東京JY出身の1年生が8番と10番。今後名門復活の兆しを見せた。
兵庫県大会:解説はヴィッセル神戸の渡辺千真。緊張してシドロモドロになりながらも、しっかり事前に様々な事を調べ上げ、一生懸命視聴者に伝えようとしていた姿勢が印象的だった。渡辺は将来良い解説者になるかも。
新潟県大会:新潟明訓の1年生稲見のロングスローがハイレベル。解説者は「高校を越えてJリーグでもトップレベル」と発言。
奈良県大会:五條高校が選手権予選4年連続準優勝。実況も「何が足りないのか?」と同情。
大阪府予選:阪南大高の応援団幕が印象的「最後は人間性」

最近は、スタメン紹介の時に全国的にフォーメーション図を示すようになった。数秒だけ示されるフォーメーション図で視聴者が皆スタメンフォーメーションを把握できることは無いが、やること自体はとても良い事だと思う。因みに未だフォーメーション図を示さなかったのは、愛媛県・東京都・長崎県・熊本県・千葉県・京都府のみだった。

最も良かった実況:埼玉県大会の上野晃氏(フリーアナウンサー)
最も良かった解説:福岡県大会の戸田和幸氏(元日本代表)

3年前はスピードに魅力のある選手が多かった。
2年前はロングスローを投げる選手が多かった。
昨年は高校サッカー戦国時代終焉を感じさせる名門校復活の兆しがあった。
今年もロングスローを投げるチームは多いが、他に今年の特徴は、FWに魅力のある選手が多い事が特徴かなと思う。
青森山田の鳴海と佐々木
前橋育英の飯島②
米子北の伊藤
山梨学院の加藤②
鵬翔の宇津元
松山北の三宅①
海星の三輪②
徳島市立の郡
桐光学園の西川
滝川第二の溝田
帝京長岡の陶山②
立正大湘南の梅津
東福岡の藤井と佐藤
高川学園の山本
鹿島学園の上田
野洲の高取②
東邦の藤川
京都橘の岩崎
藤枝明誠の藤本
パッと思いつくだけでこれだけの選手の名前が挙がってくる。
個人的には、現時点でこの中の1人にすぎない藤枝明誠の藤本が、ごぼう抜きして大会№1FWの座をハッキリさせるべき大会だと思っている。

最後にもう一つ今大会の特徴を上げると、個の特徴を前面に出すチームが少なくなり、組織力を前面に出すチームばかりになったと思う。そのあたりはまた時間があれば別記事でじっくり書いてみたいと思う。

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