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「伸びしろ」とは?

2016年02月04日 23時26分48秒 | その他
Professional-view Baseball ブログより転載



 アマチュアの選手、特に中学生、高校生の選手を評価するとき、「伸びしろ」があると表現することがある。この「伸びしろ」の正体はなんなのだろう?元プロ野球スカウトの日野茂氏と元大洋ホエールズ・西武ライオンズの清水宏悦氏の話を聞いた。

【伸びしろがある選手】
 たとえば二人の選手がいる。Aという選手は守備、打撃の技術もあり、どんなプレーでも器用にこなす。プレーの完成度は他の選手より頭一つ抜けている。チームの求める戦略にも対応でき、レギュラーとして欠かせない選手だ。
 Bという選手は、バッティングをやらせるとトスバッティングでも空振りをするくらいの粗さが、あたった打球はチーム随一の飛距離。また守備練習でもミスは多い。ただし送球だけは頭一つ抜けて速い。
 プロのスカウトが見たとき、A選手もB選手も目に留まるが、だいたいの場合、B選手の評価には「伸びしろがある」とコメントがつけられる。このように当たったら飛ぶ、投げさせるだけなら速い球を投げる選手を「伸びしろがある」と評価するのだろうか?
 答えはNOだった。


【100%を出そうとしているか】
 日野氏はいう。Aという選手も、もちろんプロ野球に近い選手と言える。ただしAという選手が練習や試合のプレーで100%のスイングをしているか、100%全力の守備や送球をしているかどうかが評価のポイントになる。
 逆にBという選手がこの100%の力のフルスイングや速い送球を継続して出来ているのならば、その選手を「伸びしろがある」と評価するとのことだ。


【環境によって】
 この100%でプレーするという事が、できそうでできないようだ。ZEROベースボールアカデミーで小学生、中学生教える、清水氏は、「最近の子は全力でプレーするのが恥ずかしいと感じる所がある」と話す。そして「走らせても1番になろうとしない」という。
 またA選手のようなタイプは、頭の良いタイプの選手が多く、「このくらいの力でやれば良い」という事がわかっているので、なかなか100%の力を見せない。清水氏は「そういう選手も、時々100%の力のものすごい力を見せる。だけどそれを続けない」と話す。
 これは所属している野球チームの方針にも関わってくる。小学生、中学生の大会もトーナメント戦が多く、必勝の戦術が必要となる。そのためには、ランナーをサードに進めて足を使って1点というようなプレーが求められ、逆方向へのヒットや送りバントなどの能力が、100%のフルスイングによるホームランよりも重宝される。

 なかなか見せる事のできない100%の力だが、プロのスカウトやコーチはその力を見ようとしている。そのことは選手も知っておく必要がある。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)