Rhythm Technique Fightingspirits

藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

聖和学園に見る日本サッカー界のガラパゴス化

2014年12月28日 13時53分42秒 | その他
聖和学園のサッカーはテクニック重視のポゼッションサッカー。足元の技術を徹底的に磨き上げ、選手個々がドリブルで仕掛ける技術を持っている。ボールポゼッションに大きなこだわりを持っていて、必ずと言って良いくらいDFラインからショートパスをつなぎ、意味の無いロングボールを蹴ることが無い。
その為、DFがクリアをするシーンというのがほとんど無い。DFに相手FWがプレスをかけてきてボールを取られそうになる危ない場面でも、簡単にクリアせず、無理にショートパスで繋ごうとする傾向があるチーム。
個人的には「こだわり過ぎ」というのが個人的な感想。ショートパスをドリブルにこだわるというより「ロングボール全否定サッカー」になってしまっていると感じた。

今大会の選手権出場チームはポゼッションスタイルのチームが多い。しっかり守ってカウンターを仕掛けるスタイルのチームは、大谷室蘭・京都橘・日大藤沢・中津東・遠野くらいか?
全国的に海外サッカーの流行の影響でポゼッションスタイルを目指すチームが増えている傾向があり、日本全国で似たようなサッカーをやっているチームばかりになっている。
関東に行っても、関西に行っても、九州に行っても、やっているサッカーはみな似たようななサッカーで日本全国金太郎飴状態。
足元の技術に秀でた選手が多く、フィジカルコンタクトの強い選手が少なくなっている日本サッカー界は、世界的に見たらガラパゴス化が進んでいると言って良いのではないかと思う。
U-17日本代表チームの取り組みにそれが良く表れている。
近年吉武監督が率いたU-17日本代表は、GKとCB2人、残り8人がボランチの選手という極めて珍しいチームで圧倒的なポゼッションスタイルのチームを作っていた。
これは、足元の技術に秀でた選手が日本中に非常に多い事を受けて、その日本の若手選手の長所を最大限に活かそうとした結果生まれたチーム編成だったと思っている。
もちろんこんなボランチが8人のチームなんて世界中で日本だけ。日本サッカーが世界の中でガラパゴス化が進んでいると言って過言ではないと思う。

「周りがみんなやってるから当たり前で普通のこと」と思っているかもしれないが、既に世界の中では特異な進化を遂げ始めているという事には気が付かないといけない。
日本人は「周囲と同じことをやることが正しい事」だと誤解しやすい民族だから。



【参考】ガラパゴス化とは?
独自の進化を遂げる事。他の島との接触が無かったために独自の進化を遂げたガラパゴス諸島の生物となぞらえた用語。
また、携帯電話のガラケーは「ガラパゴス・ケータイ」の略で、世界のモバイル・IT事情とは別に、日本独自の進化を遂げた日本製の携帯電話のことをいう。