Rhythm Technique Fightingspirits

藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

選手権大会各都道府県予選決勝戦録画放送視聴しての感想

2014年12月22日 00時18分47秒 | 高校サッカー・クラブユース
日テレG+で放送された各都道府県予選決勝の録画放送を観戦。各チームについての個人的な評価点と一言感想、またその他感じたことを書き記した。

各出場校については、録画放送を見ただけの感想なので評価点など間違いだらけであることはご容赦。あくまで参考値という事で。
高校サッカーで勝敗を分ける要因は、チーム力5割、メンタル3割、運と体調2割。今回紹介している評価点が「チーム力」のこと。
因みに今年見た高体連チームで80点以上の評価点がついたチームは1つも無かった。この3年間は年々ユース年代のレベルが下がっていると感じている。高体連チームで80点以上のチームが1つもなかったのは初めて。(昨年度は流経柏のみ)特に最近は個性のある選手が少なくなってきている気がする。

評価点の見方は例年通り
55点以上:選手権全国大会で1勝するのに必要最低限のチーム力を備えている。
60点以上:守備組織・選手個々の技術に関して、全国大会で戦える一定以上のレベルにある。
65点以上:選手権全国大会ベスト8以上を十分に狙うことが出来る。
70点以上:選手権全国大会優勝候補、プレミアリーグで残留争いをする力がある。
75点以上:選手権全国大会優勝候補筆頭クラス、プレミアリーグ残留する力がある。
80点以上:プレミアリーグで優勝争いをする力がある。
85点以上:プレミアリーグ優勝候補。
90点以上:90点以上の評価点がつくチームは、5年に1チームあるかどうか。

参考までに今年度見たチームの中で評価点が最も高かったのは清水Yで84。
ただしこれは、怪我人やトップチームによる引き抜き(監督含む)が無いベスト状態での数値。
今年の清水Yは90以上を狙える非常にポテンシャルのあるチームだったが、怪我や上からの引き抜きによってチーム力が伸びなかった…


【チーム名・評価点・寸評】
北海道大谷室蘭 68 堅守が武器のチームだが、中盤でパスをつなぐ力もある。DF3深井のカバーリングは一見の価値あり。2トップは速さがありスーパーサブがベンチに控えていることも強み。

青森山田 72 選手個々の能力は過去3年で最低だが、今年のチームは選手自身がそれを自覚して一丸となって良くまとまっている粘り強いチームに仕上がっている。春先は3バックだったが4バックに修正した様子。セットプレーからのヘディングが武器。

遠野 56 チーム全体でハードワークしてプレスをかけて粘り強い守備が出来るチーム。全体をコンパクトに保ちプレスをかけ続ける事が出来れば簡単に失点はしない。攻撃は1トップの7岩渕が前線でためを作るキーマン。

新屋 50 中盤から丁寧にパスをつなぐチーム。攻守の切り替え時にしっかりプレスをかけセカンドボールに寄せられれば2回戦進出が見えてくる。

聖和学園 58 テクニックを前面に押し出すポゼッションサッカー。DFからパスをつなぐ拘りがあり、絶対に意図の無いロングボールは蹴らない。だから「クリア」が無い。その為対戦相手からはDFラインのボール回しを狙われプレスをかけられていた。

東海大山形 57 しっかり跳ね返すことが出来る堅い守備が持ち味。高さのあるチームでセットプレーからのヘディングに迫力がある。

尚志 63 つなぐポゼッションサッカー。DFラインからボランチがボールを回しゲームを作り、前縁の4人が流動的に動き回り攻撃を仕掛ける。個々の技術がありポゼッション出来るチーム。

第一学院 65 ダブルボランチを中心としたポゼッションスタイルのサッカー。セットプレーはサインプレーが多い。GK1佐藤はレベルの高いGK。

矢板中央 66 守備がしっかり組織されたチーム。個の能力の高い選手がいて「今年が勝負の年」。11森本と2星が能力の高い黒人ハーフ。6今泉と3川上も能力が高い。

流経大柏 76 選手個々の能力は全国トップレベル。9月にチームをガラッと変えて、守備を立て直した。選手層の非常に厚いチーム。

昌平 65 10和田と9野村が中心のポゼッションスタイルのチーム。DFは落ち着きがありしっかり跳ね返すことが出来る。県大会決勝で見せた9野村のオーバーヘッドは各県大会決勝戦の中でベストゴール。

國學院久我山 61 スピードに乗った流れるようなパス回しが魅力の「美しいサッカー」を目指すチーム。昨年に比べたら個の能力は低め。前線から積極的にプレスをかける。

三鷹 58 目立った個の能力の高い選手はいないが、ミスの少ない良くまとまったチーム。現学校名での出場は今大会が最後。

日大藤沢 63 しっかり引いて守って跳ね返すことが出来るチーム。CB2人は空中戦に強い。10田場が途中から入ってくると中盤つないで10田場のドリブルで仕掛けるチームに変わる。

前橋育英 72 選手個々の能力が高いチーム。狭いところをパスを通し中央突破を仕掛ける攻撃が多い。U-17代表が2人。10渡辺の仕掛けは脅威。14鈴木はボールを散らしてバランスを取る仕事に従事。14鈴木が目立たなければ前育ペースの試合。

山梨学院 65 ロングボールをFWに当ててポストプレーから攻撃を展開するチーム。目立った能力の高い選手が特にいなく、チーム一丸となってまとまっているチーム。しっかり守って、しっかり蹴って、しっかり体を張れるチーム。

都市大学塩尻 51 双子の鮎沢兄弟が攻撃の中心。しっかりボールを動かして攻撃を組み立ててくるチーム。

開志学園JSC 67 ポゼッションからサイドに展開する攻撃スタイル。選手のサッカーIQが高く攻撃のイメージが多彩。プレーの内容にかたよりが無く綺麗で見ていてお手本になるようなサッカーをするチーム。

水橋 58 SB6堀田やMF11水原のサイド攻撃が武器で、キッチリつなぎながらピッチをワイドに使うサッカー。ベンチにスーパーサブとPKキーパーがいる。

星陵 74 パス回しが早く攻撃が連動している。選手個々の能力も高い。2トップ、ダブルボランチ、両SBが特に強力。

丸岡 53 エースFW7長倉がボールを持つことで攻撃のリズムが生まれる。昨年は背の高い選手が多い超大型のチームだったが、今年はどちらかというと小柄なチーム。

静岡学園 72 今大会唯一3バックシステムのチーム。

中京大中京 63 選手個々の能力が高い。司令塔タイプの選手が多く使われる側の選手が少なく、チーム内のバランスが悪い。10富田のドリブルは非常に強力。

岐阜工業 58 例年ロングボールの多いチームだが今年のチームはどちらかというとショートパスをつなぐ印象。球際の競り合いが厳しく守備組織も整備されている。ロングスローを投げる選手が2人。

宇治山田 60 中盤からのハイプレスでボールを奪いショートカウンターを仕掛けるチーム。攻撃は25結城と7四ツ谷のサイドアタックがメイン。ボランチのプレスとボール奪取が生命線。DFラインは高い。

草津東 63 素早い攻守の切り替えからのサイド攻撃が武器のチーム。目標は「全国制覇」を公言。5山本翔の中盤での潰しが強力。

京都橘 71 堅守速攻が代名詞のプレミアリーグで鍛えた守備からのカウンターサッカーが強力なチーム。守備が安定していてカウンターにはスピードがある。

履正社 73 ワイド攻撃が武器のチーム。10牧野と5安田が攻守の中心だが周りの選手のレベルも高い。計算できるスーパーサブもベンチに控えていて、足りないのは経験値だけか?

郡山 60 例年は夏で3年生が引退するが18年ぶりに3年生が選手権まで残った。県トップレベルの進学校。センター試験の得点も試合結果に加えたら優勝候補筆頭。

初芝橋本 62 2トップが強力でGK1立川は注目の選手。ドリブルやロングボール、縦へのスピードに高い能力を持った選手が多い初芝橋本期待の世代。

滝川二 59 ボランチの10千葉がチームの中心。この選手を軸に中盤の底からつないでくる。

作陽 68 6吉森を中心にボールをよく動かす組織力の高いサッカー。6吉森と12下村は作陽っぽいプレーヤーでプレー内容に根拠がある。FKはリスタートが早い。選手個々の能力は低め。

米子北 68 ボランチからサイドに展開してFWに合わせるのが攻撃パターン。10定本は身体能力の高い左利きストライカー。11松本のクロス、8山崎のテクニック、6小張のプレスなど能力の高い選手が多い。

立正大淞南 70 ポゼッションスタイルで4バックはしっかり守れる。選手層が非常に厚い。トリックセットプレーはもうやらなくなった。16藤井が中盤のキープレーヤー。

広島皆実 68 今年の皆実は前線に能力の高い選手が揃ったチーム。FWと2列目の4人はそれぞれ1人で仕掛けることが出来る。ビルドアップ時はショートパスではなくロングボールで前線の選手に放り込んでくるシーンが多い。

高川学園 62 ポゼッションスタイルでアタッキングサードではパスをワンタッチでつなぎ相手DFの裏を突く。SBが積極的に攻め上がる。20岡田はスピードがあり裏を狙う。

香川西 55 例年通りのサイド攻撃が主体のチーム。FWがサイドに張る。選手個の能力は例年より若干下。サイド攻撃にはチームのこだわりを感じる。

徳島市立 61 ポゼッションスタイル。去年が1,2年生中心のチームだった為、今年はそのまま2,3年生中心のチーム。選手個々の能力が高め。10中峰を中心に「目標はベスト8」

松山北 53 ポゼッションスタイルのチーム。例年は夏に3年生が全員引退するが4人の3年生が残った。「美攻賢守」がスタイル。

明徳義塾 52 しっかりつなぐサッカー。1年生がスタメンに5人の若いチーム。監督が明徳義塾中学サッカー部の監督で、あの明徳義塾が今年度から本格的に高校サッカー部強化に力を入れてきたという印象。

東福岡 75 強さとスピードは大会トップレベル。能力の高いウィングがチームの武器。技術のある選手が中盤にいてゲームを作ってサイドに展開する。総体の全国制覇チーム。

佐賀東 63 DFからしっかりボールをつないでくるポゼッションサッカー。10川内が攻撃の中心で両SBが積極的に攻め上がる。

長崎総大付 62 ポゼッションスタイルのつなぐチーム。10安藤のドリブルは一見の価値あり。GK21松村は良い選手。DFラインから中盤がどれだけ落ち着いてつなぐことが出来るかがカギ。

秀岳館 60 ショートパスを小気味よくパスをつなぐスタイル。J内定が2人。

中津東 56 堅守速攻型のチーム。GK21久保は良い選手。DFラインが深くカウンターは基本ロングカウンターになる。

日章学園 64 ハイプレスからの素早い攻守の切り替えで攻めるチーム。10村田はプリンス九州の得点王。9河野のドリブル突破も魅力。

鹿児島城西 70 FW10岩元とDF5上夷の2人が攻守の中心。身体能力の高い個性のある選手が多いチーム。選手の距離感が長くロングボールで個の能力の高い選手を走らせるシーンが目立った。

前原 55 ショートパスをつなぐスタイルで攻撃力のあるチーム。前線3トップが強力。

【各都道府県予選を観戦した感想】
年々地域のレベルの差が無くなってきているという印象が強い。評価点で言うと60~65のチームが非常に多い。レベルの高い選手はどんどんクラブユースに取られ個の能力が高い選手がそろっているチームが少ない一方で、全国に優秀な指導者が増えたことでサッカー不毛の地が無くなり評価点の低いチームがほとんど無くなった。
今大会も団子状態の全国大会と見て良いと思う。
昨年は堅守速攻型のチームが多かったが、今年はポゼッション型のチームがほとんど。見事なまでに昨年とは対照的な地区予選結果となった。
一昨年はスピード自慢の選手が多い全国大会で昨年はロングスローを投げる選手が多い全国大会だったが、今回は優秀なGKが多い全国大会という事になると思う。
第一学院の佐藤、初芝橋本の立川、東福岡の脇野、中津東の久保、長崎総大付の松村、開志の子安、立正大湘南の響庭など優秀なGKが多い大会。また、米子北、作陽、明徳義塾、静学、青森山田は地区大会で1年生が守護神をつとめており1年生守護神が多い大会でもある。なお、クラブユースに目を向けるとFC東京、鹿島Y、横浜FMYも1年生が正GKで出場しており、今年の1年生はGKの当たり年といえる。


【各都道府県決勝戦トピックス】
青森県大会:未だ青森山田の1強状態だが、野辺地西が徐々に力をつけてきた印象。
福島県大会:富岡は来年度の新入生は無し。今の1年生が最後でその後はしばらく休校になるとの事。
福井県大会:福井県の決勝戦は、延長の後に再延長がある。
岩手県大会:盛岡商業の応援にはブラスバンドが無い。声が通るようにするため。←選手権の雰囲気が無くなるので個人的には反対!
群馬県大会:TV中継で選手紹介が無い。
長野県大会:TV中継でゴールシーンのリプレー映像が無い。
兵庫県大会:怪我をしてベンチスタートの主将をひたすらつるし上げ、無理な人間ドラマを作るTV中継。
高知県大会:明徳義塾が本格的に高校サッカー強化に力を入れ始めた様子。
栃木県大会:TV中継の選手紹介が非常に丁寧。
新潟県大会:TV中継の選手紹介が、試合前の校歌斉唱時に1人ずつ紹介する。
三重県大会:TV解説が四中工よりの話し方。
島根県大会:立正大湘南の1強状態だったが、大社がかなり力をつけて2強状態になってきた。
熊本県大会:先制点後、応援団が喜び前のめりになり過ぎスタンドの手すりを壊してスタジアム内に多数の生徒が落下する事故が発生。大きな怪我人は出なかった様子だが明らかに問題。
埼玉県大会:県予選決勝戦の会場は全国大会決勝戦の舞台の埼スタ。「いいの?」と疑問に感じた。これは東京都予選決勝を国立でやるようなもの。高校野球の兵庫県大会決勝戦も甲子園球場ではやっていない。
千葉県大会:流経柏対市船の決勝戦はチケット売り切れ。開門を10分早める。
山口県大会:高川学園のユニフォームの色が水色からオレンジに変更。監督も多々良学園のOBに変わり、多々良学園が復活した印象。
福岡県大会:九国大付はGK登録の長身選手をパワープレー要因として後半にFWでサプライズ起用。
広島県大会:「堅守強攻」の広島皆実は普段守備練習をやっていない。攻撃の時に守備の陣形を整える練習をやっていて、それが切り替えの速さに繋がっている。
鹿児島県大会:神村学園の応援席の応援席に掲げられていた言葉「常笑」

【TV中継について】
各都道府県の県予選決勝戦のTV中継について、最も良い放送をしていたと思った実況と解説について紹介。

実況:埼玉県大会の上野晃アナ。
視聴者を飽きさせない軽妙な語り口、次から次へポンポン出てくる情報、ボールを触ってる選手の名前を言う基本もしっかり抑えていたうえ、解説の知識を引き出す質問の仕方も絶妙。ベテランの味が出ていた。

解説:奈良県大会の大阪商業大サッカー部総監督の上田氏。
教育者としての視点からの解説は聞いていて勉強になった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする