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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

ジャブラニ

2010年06月22日 20時11分17秒 | その他
お笑い芸人などが冗談で「デンマーク戦は最低でも3点差以上で勝て!それでカメルーンがオランダに勝てば日本が1位通過だ!」と言う人が1人位いても良いんじゃないかと思う。カメルーン戦の後に比べて少し盛り下がった感がする今日この頃。



【W杯公式球ジャブラニについて】
今年2月のゼロックススーパーカップの会場に歴代W杯の公式球が並んで展示されていた。
昔のボールから新しいボールになるに従って、表面のデコボコが少なくなりどんどんツルツルになっているが良くわかった。
前回のドイツW杯の公式球からボールの縫い目が無くなった。パネル同士を特殊な接着剤と熱で接着する技術が採用されたことによりボールがより真球に近い形になった。これによりいわゆる「無回転」ボールがプロ選手の間で頻繁に蹴られるようになった。
真球に近づいたことで無回転ボールの変化が大きくなったことがその原因だが、逆を言えば縫い目が無くなったことによってカーブがかかりづらくなり、無回転ボールを蹴るようになったと言った方が正しいと思う。
前回のドイツW杯の公式球よりさらに真球に近づいた今回の公式球「ジャブラニ」については中村俊輔が知人に「カーブがかかりずらい」と話している。
余談だが中村俊輔が以前TV出演した時(シドニー五輪より前だったと思う)にFKの蹴り方を説明した際に、よりカーブをかけるためにボールのへその部分(空気入れの穴)を蹴るようにボールを設置していると言っていた。
今回の南アフリカW杯では未だにカーブをかけたFKからの得点がこれといってない。

野球に例えて言えば、ボールの縫い目が無くなって、ピッチャーが皆ナックルを投げるようになったといえばわかりやすいか。
因みに野球の公式球の縫い目の数は「108」と決められている。97年3月11日に放送された「たけしの万物創世記」で野球の変化球の仕組みを取り上げたことがあったが、この「108」という縫い目の数が変化球の変化を生むうえで非常に理にかなった数(多すぎず少なすぎず)だと説明していた。


ボールの縫い目は、ボールに回転をかけたときに空気抵抗を生むための重要なポイントだと思っている。ボールに回転をかけることで、キッカーはより正確なキックが出来るようになる。
しかし、今はより真球に近いボールを生み出す方向へボール作成の技術が向っている。
私はボールを真球に近づけることには反対だ。
ボールに回転をかけて空気抵抗を生むことで、一流のキッカーはcm単位の精度でロングボールを蹴り分ける。
それこそがキッカーの腕(足?)の見せ所だ。
回転がかかりづらく、外的影響(風等)を受けやすく不規則な変化をともなうジャブラニでは、より質の高いプレーを求めるのが難しくなってくる。

FIFAの偉い人たちが採用を決めたボールなのだから、ボールのポテンシャルは高いのだろうとは思う。
しかし、縫い目を無くし真球に近づける技術を採用した理由が、「手縫いの手間を省いた機械化と量産化」であったなら、それは非難すべき事だと思う。




前回のW杯で「無回転FK」という言葉が流行した時にインターネットの掲示板で「どうやったらブレ球のFKが蹴られるようになりますか?」という質問があった。
それに対して「新品のW杯公式球を買うことです」と答えたことがあった、懐かしい思い出。