レビュー一覧は、こちらから。
まだ蘇生措置をしている最中に、葬式の話など、人情の欠片も無いヒョニルです。
死亡宣告をと言われたソッカンも、とても言えません。
その場にいた皆が、その言動に失望しました。
でも、結局、患者は息を吹き返すことはありませんでした。
患者の息子がテスの腕に触れ、心臓マッサージを止めさせました。
医者として何も出来なかったことに、皆が無力さを感じたことでしょう。
ソン教授がとうとう我慢できなくなって、ヒョニルに猛抗議しました。
何故そこまでするのです・・・と。
意外な言葉だと言う風な表情のヒョニル。
「医療はサービスです。お金持ちを優遇するのは当然のことです。金にならない患者は二度とテサンでは受け入れません。」
と言い放ったよ
嫌なら出て行ってくださいとね。
ドンジュンは、父に文句を言いました。
「胸部外科ク・ヒドン科長。見損なったよ。科長なら理事長に物申すかと期待したのに。」
そしたら、
「お前が教授になったら、楯突いてやる。」
と、ク・ヒドンは言いました。
ク・ヒドンも情けないことは十分分かってましたし、正直なところ、ヒョニルの言葉に反感を抱いてもいたでしょう。
「以前、父さんは僕に言った。“救った患者より亡くした患者を覚えとけ”って。」
そんな立派な言葉を息子にかけてたのね。今では信じられませんが。現にク・ヒドン、忘れてましたよ、言ったことを。
「頑張れよ、ク科長。」
ドンジュンはそう、父に声をかけました。彼も大人になったね。
テスは、ソン教授とソッカンとでお酒を飲みました。
ソン教授はヒョニルへの苛立ちを隠さず話しました。テサンが変わってしまったと嘆きました。
ソッカンが抗議しない事も苛立っていました。以前なら抗議した筈・・・と。
ソッカンは、亡くなった患者には、もう助かる見込みが無かったと言いました。そんな患者のために、スタッフは付きっ切りで看護しなくてはならないと。ソン教授も含めて皆が疲弊すると。
君は本当に変わったな・・・とソン教授は悲しそうに言いました。
「変わらなければ、何も得られません。」
と、ソッカン。
心の底から見損なった・・・と言って、ソン教授は帰って行きました。
「これが理想のテサン病院ですか。」
と、テス。
「ああ、これが理想の姿だ。」
とソッカンが言うと、テスも本当に失望しました。
ヒョニルはどんどん病院のグローバル化を進めて行きました。
ソッカンはヒョニルから紹介された患者しか診なくなりました。
スタッフたちは、病院内の雰囲気が悪くなっていくのを肌で感じていました。
テスとスヨンは、ヒョニルとソッカンを何とかして止めたいと考えていますが、なかなか方策は思い浮かびません。
ハン候補の心臓移植までの時間はどんどん短くなっていました。
ある日、ユンソという10歳の女の子が救急外来にやってきました。
両親はろうあ者で、幼いユンソがきちんと症状をウジンに伝え、母親にも手話で伝えました。
しっかりしている子です。
ウジンが検査した結果、急性心筋炎だと判明。状態はあまりよくありません。
投薬治療を始めましたが、病状が改善しなければECMOを使う事になるし、それでもだめなら、心臓移植しかないと主治医は言いました。
待機リストには既に載せてあると。
ある日、入院生活が退屈になったユンソは、病院の中をうろうろ。
そしたら、迷ってしまいましてね。偶然出会ったソッカンに道案内を頼んだのです。
途中で、そっとソッカンの手を取ったユンソ。
ソッカンも拒みませんでした。ユビンの手を思い出したようです。
そこが心臓外科の病棟だったので、ドンジュンやスンジェたちとも親しくなりました。
可愛いユンソを、皆、可愛がりました。
その頃、ソッカンはヒョニルに呼ばれていました。
ハン候補のライバルが現れたと言いました。つまり、心臓を奪い合うライバルと言う意味です。
それが、なんと、ユンソ。
適合性の検査結果や血液型等がハン候補と一致するんだそうです。だから、同じ心臓を移植できるということです。
ソッカンは少なからずショックを受けました。
娘のユビンも同じ急性心筋炎でした。年恰好も近いです。そんな子から、心臓を奪うなんて・・・。
また、自分は罪を犯し、幼い命を危険に追いやってしまうのかと。
“時期が重なるなんて、運の悪い子だ”とヒョニルは言いました。
その運は自分たちが勝手に操作した結果なのに・・・。
ユンソの病状が悪化しました。
スヨンが心臓マッサージをし、ドンジュンがテスの指示でECMOを準備。
ソッカンもユンソの病室に急ぎました。
ところが、そのソッカンをヒョニルが引き留めました。ECMOを使うなと。
ECMOをつけると、ハン候補より移殖の優先順位が上がってしまうからです。
「いっそ、死なせてしまえ。」
なんてことをとソッカン。
そして、ヒョニル自らユンソの病室に入って行きました。
そこでは主治医が心臓マッサージを続けていて、テスとスヨンがECMOをつける準備をしていました。
「やめなさい」
と、ヒョニルが叫びました。
「誰も従いません。出て行ってください。」
と、スヨン。
「助かる見込みがないだろ。誰が損失を埋める?」
と、ヒョニル
「損失ですって?死にそうな患者に必要なのは、最後まで全力を尽くす医師です。ユン・ヒョニル理事長、それでも医師ですか」
スヨンがきっぱり言いました。
主治医も、看護師も、ヒョニルを見ました。呆れたのでしょう。
そこにドンジュンがECMOの機器を運んで来ました。
無事につけることが出来ました。
スヨンはユンソの死を願うヒョニルの言葉から、ユンソがハン候補のライバルだということを察しました。
適合検査結果等もチェックし、確信しました。
このままテサン病院にいては、ユンソの命が危ないとテスは思いました。だから、転院させようと考えたのですが、ヒョニルが先手を打ってました。
何と、手のひらを返したようなにこやかさでユンソ母に約束してました。
入院治療や移殖手術にかかる一切の費用を全て無料にすると。
そして、主治医をソッカンにすると。
転院の承諾を得ることは出来ませんよね。そんな好条件は捨てられませんもの。
心臓の行方はソッカンの手に委ねられるわけです。
でも、ソッカンはヒョニルの指示に従うしかありません。
テスとスヨンは悩みました。
ソッカンも悩んでいました。
ハン候補の移殖手術が終了したら、ソッカンの夢である小児心臓センターの設立を理事会に諮るとヒョニルは言いました。だから、何とかしろということです。
ハン候補は予備選で勝利しました。
移殖手術まで時間がありません。
ドナーあっての手術だと思うんだけどそんな都合よく現れないと思うよ、普通は。
でもね、ドラマでは現れるんですよ
連絡を受けたスヨン。テスと共に、ユンソと母親に報告しました。
母親は涙を流さんばかりに喜びました。
ところが、直後に血液検査の結果が悪くて、今回の移殖は見送りになったと告げられたのです。
その心臓がハン候補に行くと聞いたテスとスヨンは予想通りだと憤りました。
「もう他に方法は無い。」
と、テスが言いました。既に何らかの計画を立てているようです。
テスを呼び出したソッカン。
ハン候補への移植手術を手伝ってくれと言いました。
ユンソは?とテスが聞くと、
「私が助ける。」
と、ソッカンは言いました。
あの時も、母に教授の心臓をくれると言いましたが、約束を破りました・・・とテス。
「選択は君に委ねる。私に出来るのは約束だけだ。」
とソッカンが言いました。その言葉の意味、手術を手伝うがどうかだけじゃなく、もっと深い意味があったと、後になって分かりました。
助手に入ります・・・とテスが言いました。
そして、移殖当日になったのです。
この作品の最初のシーンに戻りました。
テスは、ドナーから取り出した心臓を持ったまま、姿を消しました。
ユンソの姿も集中治療室から消えました。
テスが捕まりました。
ところが、ケースの中は空。心臓はありません。
心臓はユンソの手術室に運ばれていました。
運んだのはソン教授。
執刀はスヨン。
スタッフも控えていました。
愕然とするヒョニルの前にテスが現れました。