島の医者になって、た頃もあった

70代男の日記風ブログです。新連載「京都へ、京都から」も始めました。

奈留島百人一首29

2013-06-14 | 奈留島百人一首
  
 29. 心あてに 折らばや折らむ 初霜の
            置きまどはせる 白菊の花

               凡河内み恒(オオシコウチノミツネ)(9世紀後期~10世紀前期)
 「あてずっぽうなら折ることが出来ますが、初霜が降りて、どれが霜やら菊やら見分けがつかない!」
   「そんなことあらへんで~」と、突っ込まれるような歌ですね。
 でも、難しい名前と読みのオオシコウチノミツネ、36歌仙で、紀貫之等と共に「古今和歌集」の撰者の一人です。
     【「み」を出すと3回エラーが出てしまい、腹立たしいですが平仮名にしています】
 
 29. 酒のあてに 食べなや食べむ 塩辛の
            置きまよいはせず 白飯の上
 
              あてに・や・む・の・置きま・はせ・し・の  13字 同じ
 「島の人からいつも自家製の塩辛を貰いますが、これが目茶苦茶美味い!!!
普通の男ならこの塩辛をあてにして、焼酎かビールを飲みますが、私は迷うことなくこれを白飯の上に置いて、パクパクと食べるのですよ!」
と詠う、よだれが出てくるようで、奈留島の名物を巧みに入れた、なかなか上手に変換できた一首でしょ!
   しかし、この塩辛は本当に美味しく!
    尿酸値は高いが、そんなことはどうでもいいです。いただきます!!

      返事
花水木さん:やはり花水木さんの言うように、スカスカが正しいですね。
    高校の国語で小便を「ションベン」と大きな声で読んで、皆に笑われ、
先生に注意された記憶がよみがえりましたが、
私はなんか国語の基本がしっかりしていない人間のようです。
喜珍さん:「他山の石といたします」
    と私が返事するのは、なんか誤った使い方のような気もしますが?
コメント (3)
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奈留島百人一首28

2013-06-12 | 奈留島百人一首
  
 28. 山里は 冬ぞ淋しさ まさりける
           人めも草も かれぬと思へば

                  源宗千朝臣(ミナモトノムネユキアソン)(?~939)
 「山里はいつも淋しいが、冬になればなおのこと淋しさが身にしみる、訪れる人もなく草も枯れ果ててしまうと思うと、淋しいですねえ」
と詠う宗千は、第15番の作者光孝天皇の孫にあたり、36歌仙の一人ですが、あまり出世はしなかったようです。
  
 28. 奈留島は シケぞ淋しさ まさりける
            パンも新聞も かれぬと思へば

         は・ぞ淋しさ・まさりける・も・も・かれぬと思へば   21字 同じ
 海が荒れて定期船や貨物船が欠航すると、一日で店の棚から商品がなくなります。
特にパン売り場の棚は、このようにスケスケになることが多いですし、新聞が来ないのは淋しい限りです。
私は長崎新聞と土日の競馬の時だけ九スモ謔チていますが、長崎新聞には明日のテレビ欄もあってシケの時は便利です。
  
大型台風が近づいて来る予報があると、島の人々は痛い目にあった経験があるのか、早くから家の周りを片付け、窓や戸を塞いで万全の体制をとります。
したがって、風が強くなってから急いで屋根に上がってけがをしたりする、日本本土ではよく起こっているような事故は起こらず、台風中に外来患者が来たりすることもありません。

     返事 
花水木さん:ブログでも、基本的にはあたり障りの無い文にしようと思ってしまう、
     私も大雑把な奴と言われていますが、これでも同じく小心者です。
喜珍さん:腐りにくい水という噂は、
      昔の船乗りにとっては、大事なことだったんでしょうね。
コメント (1)
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奈留島百人一首27

2013-06-10 | 奈留島百人一首
  
 27. みかの原 わきて流るる いづみ川
              いつ見きとてか 恋しかるらむ 

                  中納言兼輔(チュウナゴンカネスケ)(877~933)
 中納言兼輔は賀茂川の堤に大きな邸宅があったので堤中納言とも言われた藤原兼輔のことで、紫式部のひいお祖父さんにあたります。
 「みかの原からわき出て大きな川になったいづみ川、そのいづみ川という名のように、一度も逢ったことがないのに、どうしてこんなに恋しいのでしょうか」
 私の京都の家の横を流れる小川もいづみ川と言って、いずれ下鴨神社の境内に流れていきますので、このいづみ川のことだと思っていましたが、この歌のいづみ川はもっと大きな木津川のことでしたよ。
  
 27. 海岸に わきて溢れる 夏井井戸
             だれが飲んだか 推理ふくらむ 

                  わきて・る・か・らむ  7字 同じ 
 奈留島の夏井と言う場所の海岸に、この写真の小さな井戸が有ります。
本当に海岸すぐ近くなのに、良い真水が出たらしく、昔夏井に停泊した船は便利で良い水なので、この井戸から水を汲んだそうです。
遣唐使船も中国までの飲料水として、南宋貿易の朱印船も船中の飲み水として、この井戸の水を積み込んだようですので、空海もこの水を飲んだかもしれませんし、伊能忠敬はまちがいなくこの水で喉を潤したと、色々想像します。
 そんな気持ちがうまくまとまった、同じ字は少ないですが、この歌も良し。
  
 奈留島も昔は水の確保が困難で、あちこちに井戸があって、今もそこに祠があって祀られている場所も少なくありません。
 その中で夏井の井戸が一番有名で、この水を使うから夏井は奈留島で一番美人が多いといわれていますし、臨終末期の水としても、古人はこの水を希求したと言われています。
 井戸の目の前2mはもう海、写真のように相ノ浦湾の出口にあたる海岸です。
それなのに真水が出るのも不思議ですね。
      返事
花水木さん:私は和歌に詳しいわけがありません、高校古文は苦手でした。
    和歌は自分の心情がばれてしまう感じですし、また私情や恋心が入っていないと和歌とは言えない様なので、
    素人の和歌は恥ずかしいですね。
    そのてん俳句はドロドロした私情を述べなくてもいいから、
     今俳句をやる素人が増えてるような気がします。
喜珍さん:戦後は反動で、この額田王の歌が三角関係の歌との解釈がはやったのですかね、
     私もそんな風に教育を受けた覚えがあります。
コメント (2)
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奈留島百人一首26

2013-06-07 | 奈留島百人一首
  
 26. 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
           今ひとたびの みゆき待たなむ

                 貞信公(テイシンコウ)(880~949)
 「小倉山の紅葉葉よ、お前に物の心があるなら、今度ここに醍醐天皇の御幸があるまで、散らないで待っていてくれよ」と詠う貞信公は、24番の作者菅原道真の怨念によって病死したと言われる関白藤原時平の弟で、右大臣までになった藤原忠平(フジワラノタダヒラ)です。
忠平は人望のある政治家で、道長に連なる藤原氏全盛の基礎をきずきました。
 それがなるほどとうなずけるような歌ですね。
  
 26. なるの里 窓のさくら葉 心あらば
            今ひとたびの 面会待たなむ

           の・葉・心あらば・今ひとたびの・待たなむ  19字 同じ
 奈留島にある唯一の老健施設「なるの里」の庭には、桜の木がたくさん植えられ、春の満開時は近くの宮の森公園と併せて、桜の名所になります。
 「今日も家人が満開の桜の下面会に来てくれたが、又次の面会まで桜は咲いていてくれ、いや、桜が散らぬ間に次の面会に来てくれることを願っていますよ」
  
 入所者の気持ちになって詠みましたが、なるの里はどの家からも近いので、毎日ぐらい面会に来る家人もいるそうです。
 すんなりと変換できた、楽な歌でした。

   返事
花水木さん:サネカズラという名は、なんかいやらしい気がするのは僕だけですかね。
喜珍さん:老婆心ながら、大友皇子は天智天皇の子供で、後の弘文天皇です。
    百人一首1番を詠んだ天智天皇は中大兄皇子です。
     私の想像ですが、天智と天武は兄弟ではなく、なんか親友ぐらいの関係だったような気がします。
    それで光仁天皇になって、皇統は天武から再び天智系に戻ったのではないかと考えています。
コメント (2)
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奈留島百人一首25

2013-06-05 | 奈留島百人一首
  
 25. 名にしおはば 逢坂山の さねかづら
              人に知られで くるよしもがな
                   三条右大臣(サンジョウノウダイジン)(873~932)
 三条右大臣は藤原定方(サダカタ)のことで、和歌や音楽に優れた上流貴族です。
邸宅が三条にあったので、こう呼ばれたそうで、息子の朝忠(アサタダ)の歌も44番目に出てきます。
 「逢坂山のさねかづらが、会って寝るという名を持っているなら、さねかづらをたぐるように、誰にも知られずに会いに行く方法が有ったら良いのになあ」
訳してみてももひとつ訳が下手なのか、上と下の関係が理解できませんでした。
  
 25. 奈留瀬戸ば 小田河原鼻 展望台
             人に尋ねて くるもよしかな

               な・ば・人に・て・くる・も・よし・かな  13字 同じ
 奈留島と久賀島の間の狭い海峡は奈留瀬戸と言われ、潮の流れも速く、奈留から福江に向かう高速船のニュータイヨウがこの奈留瀬戸の出口あたりを横切りますが、風も浪もない時でもここではいつも船底を浪が叩くのがよく分るぐらいの瀬戸です。
 以前はありませんでしたが、奈留島に今回帰ってから訪ねると、丁度奈留島のヘリメ[トの近くに、九州自然歩道の世界遺産教会群巡礼コースとして整備された小田河原鼻展望台が出来ていました。
  
 ここからは久賀島と奈留瀬戸が一望できます。
写真中央をよく見てください、風もないのに白波が立っているのが分りますか?
 最後順番を並び替えただけで「来るも良しかな」とうまくまとめた、光景が目に浮かぶような(写真があるからでしょー!!)一首でした。

   返事
花水木さん:私もカラオケは苦手です。
     歌は下手で唄えないし、下手な人が知らない歌を唄うのを聞いていると、我慢できない時があります。
喜珍さん:漁協の前の家には、電気自動車でないアイミーブが停まっていますね。
大雪男さん:早くも2位に落ちましたね。
      それでもいいんです、いいんですよ!  上出来です!
コメント (1)
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