マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

三谷菅原神社の紀元祭・神縄掛祭

2014年08月09日 07時36分28秒 | 桜井市へ
桜井市の三谷でカンジョウナワ掛けが行われる。

12月初めに掛けられたカンジョ場は9日に降った雪が田畑に残ったままだった。

午後3時ぐらいだったら山影に隠れるわずかな光で映えるだろうと思っていたこの日は2度目のカンジョウナワ掛け。

紀元祭の神事を終えたヤド隣組の二人が2月のカンジョウナワを掛ける。

12月の房はカシの木であったが、2月はシキビ。

ここにも神仏混合の名残がある。

2度目のカンジョウナワを掛ける前に村の春祭りの紀元祭こと祈年祭が行われる。

建国記念日の村行事である。



この日の祭典はトシホジと呼ぶ年祝い祭。

42歳になった初老の厄祓いや還暦・米寿祝いも兼ねている。

カンジョウナワは12月の山の口座の行事と同様に、予めヤドおよび隣家の手伝いさんが作っておいた。

拝殿に奉って祈願する。



祭典を終えれば、祈願したカンジョウナワを12月に掛けた同じ場所に運んでいく。

祈祷されたカンジョウナワを抱えているのはヤドの息子さんだ。

30年ぶりに村へ戻ってきて「何がなんだか判らない浦島太郎だ」と話す。

村行事に慣れ親しまそうと懸命に動きまわる。

村の先輩に教わりながらカンジョウナワを掛ける息子さんだが、ツナに房を取り付けるのは先輩だ。

取り付けやすいように工夫しているから助かると話す。



12月の房は葉付きのシラカシであるが、2月のカンジョナワはシキビである。

南側の木に巻き付けて引っぱる息子さん。



外れた幣を付ける場も判らず、12月に掛けたカンジョウナワを手本に調える。

青空になった天を見上げて誇らしげな顔をみせる。



三谷のカンジョウナワは垂れ房の間隔が広い。

三つの房とも写真におさめるのは困難だ。

前年12月に掛けたカンジョウナワが重なる部分はここしかないと思ってシャッターを押した。



こうしてカンジョウナワ掛けを終えた。



三谷ではこれらを含めて神縄掛(かみなわかけ)祭と呼んでいる。

掛け終われば、もう1組あった垂れを直ちに川へ流す。



12月もそうされたが、「なぜにこのようなことをするのか判らない」と云う。

穢れを流すような在り方にまたもや宿題をもらった三谷の行事であった。



三谷の春祭りは3月初めにも行われると話す。

モミマキもある祭りは御田祭だ。

松の芯にモミを包む。

サクラの木で弓も作るというからケイチンであろう。

かつては本物の牛を連れてきて耕す所作をしていたと云う。

機会があれば是非とも拝見したい春祭りである。

三谷の行事を斎行された橋本宮司は大字笠も兼務されている。

笠には一月ドーヤもあれば三月ドーヤもある。

秋にはマツリドーヤもあって東・西ドーヤが勤めるそうだ。

年に六トーヤのマツリがあると云う。

マツリは家で祭るトーヤ行事。隔年になったようだ。

その他にもある笠の村行事。

この年の2月初めは「トシホジの祭」で年祝いの行事。

おそらく三谷と同様の42歳になった初老の厄祓いや還暦・米寿祝いのようだ。

2月の行事はもうひとつある。

19日に近い日曜日に行われるケイチンである。

それはおそらく蟇目祭(ひきめさい)であろう。

(H26. 2.11 EOS40D撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。