マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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貰い物の手造りコンニャク

2017年08月12日 09時42分21秒 | もらいもの・おくりもの
地蔵盆に奉納するシンコを作っていたご婦人がいる。

この年に訪れた向丹治の住民である。

先代が作った木枠に型押しをして色付けをする。

その場で話していた毎度の祝いのときに柿の葉寿司も作って神社の夏祭りに供えるということであった。

この日は山の神が行われる。

その日に伺おうと思って一枚の写真を持っていった。

始まる前に訪れた家は呼び鈴を押しても出てこられない。

諦めて山の神行事を取材した。

それから2時間も経過する。

お出かけであれば戻っているかもしれないと思って再訪問。

付近に車を停めようとしたときにご婦人が戻ってこられた。

ラッキーな時間だった。

ありがとうのお礼に先日に作ったコンニャクを持って帰らんか、である。

自家製のコンニャクは歯ごたえがまったく違う。

十年以上も前に味わったことのある自家製コンニャク。

よばれたのは黒滝村の道の駅だった。

口のなかで歯ごたえコンニャクの記憶が残っている。

ご婦人が作ったコンニャクは蒟蒻玉を買うことからだった。

いろんな作物を畑で栽培しているが、コンニャク玉はない。

育てるには3年もかかる。

玉の大きさからいって3年物が好まれる。

そうなのよと目の前に取り出してくれた蒟蒻玉はまさに3年もの。

大きさでわかる。

玉から自作するには3年以上も待たなければならない。

3年間も悠長に構える時間はないと判断されて売り物を買った。

それで作った試しのコンニャク作り。

茹でて潰すことから始まるコンニャクはアクが強い。

茹でただけならエグくて食べられるもんではない。

それを解消して凝固するには道具が要る。

一つは消石灰や灰汁(藁灰・木灰の汁)である。

いまどきは消石灰や灰汁ではなく、炭酸ナトリウムとか炭酸ソーダを使う人もいるらしい・・。

ご婦人が作ったコンニャク作りにもう一つの道具があった。

消石灰でもなく、炭酸ナトリウムと、炭酸ソーダでもない。

キハダである。

知り合いの製材所から入手したキハダ(ヒノキ材であろうか)をアク抜き・凝固剤として利用したという。

味比べは二種類ないとわからないだろうと云われて二品を受け取った。

ありがたい貰い物は今夜のおかずになった。

料理をしたのはかーさんである。

皿に盛った二種類のコンニャク。

右は成形して作られた石灰アク抜きのコンニャク。

左はキハダを利用したコンニャク。

成形はせずに手で握って丸く固めた。

造りで食べるのが一番と考えて辛子酢味噌でいただく。

石灰で作ったコンニャクは舌触りが良い。

ザラザラ感もあるし、つるっと感もある。

食べなれているスーパーで買ったコンニャクとはまったく食感が違う。

スーパー製品はツルツル感だけである。

エグい感はないが、独特の味がする。

その点、自家製のコンニャクはエグ味もなくさっぱりしていた。

これは美味いと云ってパクパク食べるかーさん。

もう一品のキハダで作ったコンニャクもいただく。

よく似ている食感であるが、堅さが違い。

歯ごたえたっぷり感のあるコンニャクである。

味はそれほど変わらないように思ったコンニャクは自然食品。

味気はないが辛子酢味噌に交わって旨いのである。



かーさんはそれだけでは物足りないと考えてラ・ムー京終店で買ったワカメ入り天ぷらと炊いた。

こちらのコンニャクは石灰コンニャク。

造りでは柔らかかったが、煮物にすれば堅くなる。

シコシコ感があって、炊いた出汁が混ざって一層美味しくなった。

(H28.12. 7 SB932SH撮影)


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