マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大野町の涅槃講

2011年05月03日 08時26分32秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市東山間の田原の里では各地域で子供の涅槃講が営まれている。

大野町は14軒、十輪寺を中心に東西に行き交う道沿いに連なっている。

集まる家はその年の当番のトーヤ家。

秋祭りのトーヤでもある。

この日は一日中その家で遊ぶ。

昼夜の食事は子供が好きなカレーライスをよばれる。

かつてはイロゴハンだったそうだ。

トーヤ家では昨日に神社の茗荷天満神社の祈年祭でたばってきた松苗をウルシ棒に挟んだお札が置いてある。

たまたまの巡り合わせだがそれは各家に配られるもの。

お札には「御年大神」と墨書されている。



この松苗とお札は田植えのころに水口に挿す。

いわゆる水口祭である。

お札は一般的にはゴーサンと呼ばれる祈祷札。

五穀豊穣を願うお札だが仏事でないことから神さんのお札となっている。

集まってきた子供たちは7人。

外孫も入っているそうだ。

全員が揃ったら十輪寺に向かい歩いていった。

本堂は建て替え工事が始まったばかり。

本来ならば堂内に涅槃の掛け図を掲げて拝むのだが改築中につき仮の部屋へ。

毎月17日に営まれている大師講の掛け図がある。

「今年は涅槃図が掛けられなくて申しわけないです」と寺のご婦人。

仕方がないが持ってきた山盛りにしたシロゴハンを供えて手を合わす。

対象の子供たち、上は小学生から下は0歳児まで。

人数は少ないが一緒になってその日を遊び過ごした。

(H23. 3.27 EOS40D撮影)