マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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奈良阪虫送り

2008年07月29日 07時55分51秒 | 奈良市へ
奈良県内では主に山間部で行われている虫送りの行事。

奈良市内の町中、奈良阪町で行われる虫送りはたいへん珍しい。

陽が沈むころ、奈良豆比古神社の氏子らで構成される奉行衆らが同寺本堂に集まってくる。

祭壇には太い青竹が三本、両脇にはシデが結ばれた笹が供えられる。

虫送りに用いられる拍子木、鉦に加えて木魚を並べられて始まった。

なむあみだぶつと念仏を唱えて虫送り祈祷の法要。

焼香を済ませると提灯を先頭に拍子木、鉦、竹持ちのカシラ、二人の笹持ちと続く行列は南に向けてお練り。

南の端まで行くとくるりと回り、今度は北へ向かいとんど場となった同神社境内駐車場へ到着する。

昨年までのとんど場は道路を隔てた畑地だったが、先日の春日大社付近の土産物屋で火災があったことから、安全性を考えてやむなく駐車場に替わった。

到着すると笹、竹を燃やす間も拍子木と鉦を打ち続ける。

三本の竹がポン、ポン、ポンと音を立てて終える虫送りは、その後「虫送りしましたでー」と大声挙げて町中にふれ回る。

その間、絶え間なく木魚を叩き祈祷のお経をあげていた西福寺本堂。

戻ったお練り衆は虫送りを終えた報告をすると、一同はなんまいだーぶつと唱和する。

少なくなった農耕行事のひとつであるが、これからも続けていきたいと奉行衆らは語った。

(H20. 7. 6 Kiss Digtal N撮影)