マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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春日の申祭り

2008年01月24日 08時48分43秒 | 山添村へ
寒風吹く今日は気温4度となった申の日。山添村春日の春日神社では恒例の申祭りが営まれる。

正午近く、春日、菅生の役員や氏子らは同神社に集まり秋の豊作に感謝し年越しを迎える申の日の祭礼。

五十個ずつ盛られた鶴の子柿、柑子蜜柑に白餅。

豊穣で豪華な膳は柿膳と呼ばれるが、本来名は神膳とも。

御幣木飾りやハツ(マグロ)、タイを神殿に供えられると厳粛に大祭神事を始められる。

これらの神饌は撤饌の後、集落センター直会座敷に運ばれる。

二人の料理人は黙々とハツ、タイの順で切りさばいていく包丁式。

直会の御馳走はこれに加えて五種を串に挿した串肴が運ばれる。

リンゴ、チクワ、カマボコ、サトイモ、コンニャクの順でどこから食べてもいいという。

昔々ではひとつずつ串に挿して、それを畳の間に挿していたそうだ。

直会は、境内に設えた能舞台で翁舞が始まると同時に行われる。

宮座当家の一人は、カワラケ皿二枚を入れた竹の目籠(ヒゲコとも呼ぶ)を持ち、もう一人の当家は酒宴の酒を入れて回る。

ハツ、タイに串肴をいだたきながら能鑑賞。白い翁が白い衣で舞う演じる舞台の静けさとは違った様相の酒宴の場。

菅生春楽社が演じる能楽は次々と続けられ、弓矢祝言榊ノ舞、語り八島、子供狂言しびり、柿山伏、高砂キリ住吉明神で幕を閉じた。

舞台中央に据えられた神の依代の大榊は、訪れた冬の瞬風を受けてしなやかに揺らいだ。

(H19.12.16 Kiss Digtal N撮影)