岩沼市議会は議会最終日に「安全保障関連法の廃止を求める意見書」の審議中、このような発言がありました。「中国（中華人民共和国）は３,０００発のミサイルを保持し（中略）日本に向けられている」自民党公認の沼田健一議員が発したものです。この発言は事実に基づいた発言なのだろうか。訂正がありませんでしたから、会議録に残りますよ。
中国軍事力のミサイル保持数は極秘情報であり、３,０００発保持しているかは沼田議員の想定でしかありません。しかも、日本に向けられていると断言されたことに唖然としました。岩沼市議会議員政治倫理条例には、事実に基づいたものでなければ発言することを以下のように制約しています。
≪岩沼市議会議員政治倫理条例≫第３条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。その中に (７) 確たる事実に基づいて発言及び情報発信を行うものとし、事実の不十分な表示及び誤った解釈等により個人、企業又は団体の名誉を傷つける行為をしないこと。と明記されています。
沼田議員の発言は事実に基づいていない発言です。事実の不十分な表示ではありませんか。ミサイルが日本に向けられていると、堂々と発言したことはとても事実と思えません。過去に新聞記事でさえ事実に基づかないことがあるから、発言を控えるようなことを言われたことがありました。私たちの発言に過剰な制約を科しているにもかかわらず、今回の発言は何なのでしょうか。
沼田議員は常日頃から、私と大友健元議員が発行した「いわぬまアシスト」には難癖をつけ「うそばり書いている」と、はばかりませんでした。「どこが嘘か」と聞けば「全てが嘘だ」と言いがかり、これまで議会運営委員会などで度々議論になっていました。
条例に記されている「個人、企業または団体の名誉を傷つける行為」でないとはいえ、このような暴言が真実なら大変な国際問題に発展します。自民党公認の立場で沼田議員は安全保障関連法案に関する意見書のことで発言したのです。この発言で騒ぎが多きくなったら、中国や日本政府にどのように説明し責任を取るのだろうか。
岩沼市議会で残念なことは、沼田議員らが提唱した倫理条例が遵守されていないのである。
