オバサンの入院生活に動きがあった。いよいよかな？
まだ日にちは決まらないが、どうやらリハビリ専門病院へ転院できそうだ。
と言うことは、そこまで「回復の兆しが出てきた」と受け取っていいのかな？
相変わらず声は出にくいようだが、言おうとしている事は伝わってくる。
いちばん辛いのはお尻が痛いことらしい。懸命に訴える素振りがいじらしい。
今の病院は治療が主な病院であって、リハビリ専門病院とは違う。
リハビリもやってくれるが、専門病院ではないので出来る事には限界がある。
来週には移れるらしいからね、辛いだろうけど、もう少しの辛抱だよ。
赤子に話すように、顔を近づけて諭すように語りかける夢さん。
コックリと頷く彼女はまるで童女のようだ。心なしか目が潤んでいる。
うんうんそれでいい、長いこと頑張ったんだもんねおかあさん。
ノエル君ちで合宿中のメグは、食べっぷりも良くて、すこぶる元気らしい
うんと食べて散歩も行って、ノエル君のママに抱っこされて昼寝だって
ふたりを抱っこしてママはたいへんだ いびきを掻いてぐっすりだって
メグが行ってからノエル君も甘えん坊に戻ったらしい ボクのママだぞ！
メグは意外とチャッカリ屋さんで、平気でノエル君の背中に乗ってベッタリと
ノエル君も平気で気にもしていないらしい 仲良くしてくれてありがとうね
あれれ！ノエル君だったのか？ メグが君の服を借りたのかと思ったよ
しかしよく似てるねぇ！まるで本当の兄妹のようだよ よろしくたのむね
うん分かってる ボクもねメグが来てから楽しいよ まかせとけって！
病院の社会福祉士の女性から電話が有った。病院からの電話はドキッとする。
今後のリハビリテーション病院への転院などについてお話したいと言う。
話を聞く前に家内の様子を見に行った。今日は俯いたままで全く元気がない。
介護士さんに聞いたら、リハビリにも行きたくないと断ったらしい。
相当気持ちが落ち込んでいるようで、何を訊いても満足な答えはない。
気の強い性格の彼女のこと、いま置かれている状況は悔しいに違いない。
最初の手術から１５日。日々症状が変わるように見えるが、何故なんだろ？
社会福祉士との話の中で、主治医の許可が出れば、転院して早くリハビリを
始めた方が良いとの事だが、症状が安定していない現状での転院は心配だ。
リハビリ専門病院への入院は１５０日くらいになるらしい。まだ先は長い
病院を出て歩きながら２嫁に言われた「お父さんが落ち込んだら駄目でしょ」
「グラウンドゴルフにも行きなさい」「気分転換」これは命令だそうだ。
週３回のGゴルフはあれ以来休んでいる。そんな気分になれないんだよね。
ノエル君ちにお世話になっているメグが、１嫁ちゃんに連れられて帰ってきた
と言っても、一時的な帰宅でまだ当分の間はノエル君ちでご厄介になります
懐かしがって飛びついてくるかと思いきや、なんと「あんた誰？」てな感じ
「おいおい、そりゃあないだろ」でもね元気そうでジイちゃん嬉しいよ
毎日しっかり食べているようで、首の辺りは少し太くなったような感じ
ずっとカットにも行けなかったが、もう少し元気になれば連れて行ってくれるって
よかったなメグ、オマエは幸せなワンコだな ノエル君によろしく言ってね
今日は大好きな、2孫に抱っこされて良かったね
それにしてもオマエ、ボサボサ頭で”やまんば”みたいだな(笑)
昨日は言葉を発することは無く、問い掛けには微かに頷くだけだった。
本当に分かって頷いているのか、問い掛けに対しての只の動作なのか分からない。
殆ど無表情で虚ろな眼差しは哀れでならない「どうしたかあさん」無念さがこみ上げる。
脳内の網の目のような血管の、血の流れの良し悪しが影響するのだろうか？
毎日のように変化する症状は、希望を持たせたり、はぐらかされたりの繰り返し。
本人はそれを意識として感じているだろうか？分かっているとしたらそれは辛い。
検査では認知症は無いとの事だが、今起こっている事は理解できているのだろうか。
血管がボロボロで、次々に詰まりを引き起こす、などという事も有るのだろうか？
素人が憶測で色々考えても仕方が無いが、素人なりの感覚と言うのもあるからね。
メグはノエル君の家で元気に過ごしている
１嫁ちゃんが、毎日LINEでメッセージと画像を送ってくれる
朝も晩も自分でしっかり食べているようだ すごい変わり様
やはりノエル君がガンガン食べるので、メグも刺激を受けているのだろう
散歩も２回、ノエル君と一緒に行くとの事 リッパなウンチもするそうだ
ビデオで見る、元気に歩く姿はまるで別の犬のよう ひとが変わった？
ノエルです メグの事はボクが面倒見るから安心してね
妹みたいなものだから、うんと食べさせて健康にして帰すからね
前回の手術で脳内血管の（はくり？かいり？）が起きた箇所について。
１週間経過を見た後、きょう予定通り検査が行われ、引き続いて手術。
追加でステントを入れたそうで、素人目にも流れが良くなったのが分かる。
手術後ICUで面会した時には、昨日よりずっと受け答えがはっきりしていた。
手術の効果が直ぐに表れたのだろうか？明日には一般病棟へ戻れるそうだ。
血液の流れが良くなり、リハビリをしっかりやれば、良い方向に向かうらしい。
何日か後？には、リハビリ専門病院への転院も視野に入れているとの事。
なにやら明るい兆しが見えてきたようだよ。もうひと頑張りだねオバサン。
妻が突然の脳梗塞に倒れてから１週間が経った
ママの居ない我家の変化にメグは気付いているだろうか
メグはママが退院してくるまで、長男宅にお預けの身と決まった
言わば拒食を治す合宿、長男も１嫁も頑張ってくれるそうだ
あちらにはプードルのノエル君がいる メグよりもずっと体が大きい
いざ預けるとなると、寂しさよりもメグは大丈夫かと不安が先に立つ
この小さな体で環境の変化に耐えて行けるだろうか？
オマエさぁ、あっちの家へ行ったらちゃんと食べなきゃダメだぞ
オマエの欠点はただ一つ、しっかりご飯を食べない事だ
ノエル君は男だし元気がいい オマエも見習ってうんと食べて元気になれ！
病院のベッドでママは毎日オマエの事を心配しているに違いない
この事はママには内緒にしてある 元気になって帰ってくるんだぞ
面会時間の前に、病院内の「患者相談支援センター」に行ってきた。
ご近所の民生委員から、センターに連絡をしておいた方が良いと言われての事。
まだ先行きの事は分からないながらも、おおよその流れは知る事が出来た。
病室にリハビリ担当の介護士さんがいた。大きな声で呼び掛けるのだが起きない。
「午前中に車椅子でリハビリ？をしたから疲れたのかしら」何回呼んでも同じ。
介護士さんが去った後、暫く時間をおいて声をかけたがやはり反応が無い。
じっと顔を見る。無理に起こしても可哀そうなので一旦引き上げて自宅に戻る。
午後６時過ぎに2嫁と行った時も、声を掛けると、たまに微かに頷くていど。
余程疲れたのか、それとも何処かが痛いのか？眉間の皺がとても気になる。
今日は、昨日一昨日とは明らかに違って、声を発することは全くなかった。
明後日は検査と再手術？の予定。どんな結果が出るのか心配だ。
日曜日とあって、息子家族が仕事の１孫（１番目の孫）を除いて勢ぞろいした。
病院に向かって歩く、孫達の後ろ姿の成長ぶりは目を見張る思い。
振り返ってジイサンを待つ若い笑顔に、残念ながら足がついていけない。
笑うな！「なんてこったい！」いつの間にこんなに差がついたんだ？
昔はみんな、ジイちゃんが抱っこしたり、手を引いたりしたんだぞ。
また病室が変わっていた。今度は女性の４人部屋、やっと落ち着いたようだ。
他の患者さんに迷惑を掛けてはいけないので順番にベッド脇へ。
昨日に比べると少し元気が無いように見受けた。大分疲れているようだ。
「車椅子なんか乗りたくない、死んだ方がまし」たどたどしい口調で訴える。
それでも皆と久し振りに会って余程嬉しかったのだろう。目尻に光る涙の筋。
