連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

居候の恩返し?

2014-04-25 | Weblog
「やっぱり来てるわね」  暗くなった玄関先の軒下を見上げてオバサン。ホッ
夢さんも、暗くなった頃を見計らっては、外に出て見上げている。

今迄の塒(ねぐら)が使えなくなったツバメ君。 もう来ないのではと思いきや。
今度はドアのすぐ脇の玄関灯のてっぺんに塒を移した。

あれから三晩続けて来ているし、他所に行く気などさらさら無いようだ。
同じ軒下で雨も入らないし、最初からこの場所にすれば良かったのに・・・・

どうせなら、もう少し居心地がいいようにしてやりたいと思う夢さん。
「それは止めた方がいいわよ 巣でも作られたら大変よ」 オバサン即座に却下。

「家で飼ってるわけじゃないんだから、どうなるか分からないでしょ?」
たしかにそうだ。 仕方がない 「糞の始末はおれがやるよ」 もう慣れたし。

まず倉庫から脚立を出して、玄関の石段を上がって脚立をセット。
バケツに水を汲んで雑巾を絞る。 おっかなびっくり脚立に上って糞の掃除。

糞を擦り落として雑巾で拭く。 ひっくり返らないように慎重に。
終わったらそろそろと脚立を降りる。 床の掃除をして最後に使った物の片付け。

この一連の作業だけで、結構いい朝の運動になる。
近頃はとんと運動不足気味の夢さん。 ツバメ君に感謝だね。

仮の宿?

2014-04-23 | Weblog
「降らないと思うけど、もし降っってきたらお願いね」 
夢さんに留守中の指示を与えて、オバサンは両親の墓参りに出掛けた。

玄関先の頭の上にツバメが毎晩やって来る。
昨年も来たのだが、それは直ぐにいなくなった。同じツバメなのかな

今のところ、巣を作る気配は無いのだが・・・「相手がいないんじゃない」
オバサンは毎朝糞の始末がたいへん。低い所はいいのだが高い所は手が届かない。

そんな時は脚立を使って夢さんの出番。ドアの格子の間にこびり付いた糞は手強い。
せっかく来てくれたのに無下にはできないとは思えども・・・・

他の場所ならいざ知らず、頭の真上ときてはどうにも困った。
さんざん迷ったあげく、ツバメが止まれないように造作をする事にした。

材料を買ってきた夢さん、とりあえず鉋で板の角を削りテープで壁に貼り付けてみた。
結果は上々。な~んだ何も思い煩うことなくあっという間に完成した。

あれこれ買ってきた材料は殆ど使わずじまい。簡単だったな。 
夕方やって来るであろうツバメ君さぞ驚くだろう、足掛かりが無いのだから。

出来れば昼間のうちに下見に来るといいんだよね。
暗くなってから、新しい塒(ねぐら)を探すのは大変だろうからさ。

オバサンは何と言うだろう。可哀そう?仕方がない?どっちかな?

雨の午後

2014-04-03 | 6人の孫
降りしきる雨に、押し込められるかのように自室に籠る夢さん。
窓越しに見上げる空はどんよりとした鉛色。まだまだ雨は止みそうもない。

玄関の開く音がして、オバサンが買い物から戻ってきたようだ。
程なくしてオバサンが階段を上がってくる気配。

トントントントンと軽やかにとは、ずっとずっと以前の話で。
今はそれなりの、貫禄有る足音をさせてオバサンが上がってくる。

「よっこらしょよっこらしょ」オーバーだな夢さんそりゃ悪いよ。
「チョコ買ってきたわよ食べる?」手にはオバサンの好きなチョコボール。

「この間あの子達が全部食べちゃったのよ」孫達のことらしい。
「今忙しいの?」いやそんな事ないよと、パソコンを閉じる。

「あれ見せてくれない?」それだけで意味は通じる。あーいいよ。
いくつも有るDVDファイルの中から、オバサンが選んだのは「 三人組 」

2孫が2歳、4孫が1歳、犬のマリが5歳の頃のもの。
当時ビデオに凝っていた夢さん。DVDも沢山作ったし、あの頃が懐かしい。

「ちょっと待っててね」お茶を淹れてオバサンが戻ってきた。
「おとうさんコーヒーは駄目よね?」最近はもっぱらお茶がいい夢さん。

サイドテーブルを真ん中に、椅子に並んでビデオに見入る。カリッポリッカリッ
幸せそうなオバサンの横顔。作っておいて良かったな夢さん。