連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

じゃれ合い

2014-03-25 | Weblog
背中が痒くて、風呂上りにオバサンにクリームを塗ってもらう夢さん。
昼間ちょっとした事でオバサンと喧嘩をした。「もう口をきかないから!」 
「あぁいいよ、静かでいいや!」別に困りゃしないよ。
ありゃまずかったな夢さん。自分じゃ塗れないだろ?  

仕方がない・・・パジャマを抱えてオバサンのところへ。
「塗ってくれない?」ボソッと声を掛ける夢さん。ん?返事が無い。
台所で洗い物をしているオバサン。聞こえなかったのかなそんな筈ないな。 
傍に行ってもう一度声を掛ける。「これ塗ってくれない?」やっとこっちを向いた。

顔色を窺いながら背中を向け、腰を屈めて中腰になる。ちゃんと塗ってね。   
なんか何時もより荒っぽい感じ。おっとっと、つんのめりそうになる夢さん。  
「はい、いいわよ」声と共に背中を平手でバシッ!痛いだろこの!

でもあれは機嫌が直った証拠だな。そりゃそうだろオバサンの事だもの。  
口をきかないでなんか居られる訳ない。やっぱり笑ってる方が可愛いんじゃない?

ひとりランチ

2014-03-18 | 一人の時間
ピポピポピ ピポピポピ オバサンからだ。
昼飯の合図にしては早すぎる時間、何か用かな?  
「行ってくるわね」えっ??なんだっけ・・夢さん意味が分からない。

「〇〇さんと出掛けるって言ったじゃない」ああ、そうだったそうだった。
そういえば、昨日だったかそんな事言ってたな。忘れてたよ。
「サラダ作ったわ。パンに挟んであるから食べてね」

オバサンが出掛けたのを見計らってリビングをのぞいてみる。ほんとだ。
皿に盛り付けたサンドウィッチ。ポテトサラダがはみ出しそう。
カップとスプーンに並べてスープのスティック、それにヨーグルトとオレンジ。
オレンジは皮まで剥いてある。いいのにもう・・・  
脇の小皿に薄皮饅頭。この白い薄皮饅頭は夢さんの好物。何時の間に・・・

自分が出掛ける時には必ず夢さんの好物を一品添えてある。もう勘弁してくれ・・・
ここまでされると一寸しんどいと言ったら罰が当たるかな?
「こんなに食えるわけないよ」と思いながらも何時も平らげてしまう夢さん。

戦後の食糧難を生き抜いてきた身には「勿体ない精神」が染みついている(笑)
「食べちゃおかな」と思ったが、いくらなんでもまだちょいと昼には早すぎる。

庭に出て木々の若芽を見てまわる。例年より芽吹きが遅い様な気がするが?
あちらこちらに雑草の緑がたくましい。今年も同じ顔ぶれの連中だ。

プライド

2014-03-11 | 家ごはん
「今日のは上手に出来たと思うわ、どうかしら?」自信ありげなオバサン。
さばの味噌煮は、身の照り具合といい、煮汁の加減といい、見た目もすごく美味しそう。
「どれどれ・・・・あーいいね」味噌と鯖の絡み具合がすごくいい。美味いよ

「これって煮る前に骨を取ったらどうなのかな?」オバサンの顔が急に険しくなった。    
「骨なんか取ったらバラバラになっちゃうでしょ」「バカね!」と言わんばかりだ。
「ゆっくり食べればいいでしょ、急ぐ訳じゃないんだから」皮肉かよ
「お箸を使って骨を取るでしょ?それも指先の運動になるんだって」
「なんでも自分で出来るようにしなきゃ駄目よ」なんでそんな話になるんだ 

魚の食べ方なんざぁ、お前さんに講釈されなくたって分かってるよ
だいたいなんだよ、呆けるだの、指の運動だのって、そんな歳じゃねぇや!

とは思えども、そこはそれ、大人の対応をする夢さん。
「そうだな、段々そうなっていくのかな」だと。あきれるぜ

ひじきの煮物はオバサン得意。人参、油揚げ、大豆、ささ身など具だくさん。 
中でもコロっとした鳥のささ身と、ふっくらとした大豆が入っているとついニッコリ。
時々、鳥のささ身がちく輪に変わる事がある。これはこれで美味しい。   

菜の花のおひたしは色が鮮やか、これも夢さん大好き。「みんな高くて嫌んなっちゃうわ」
家計をやりくりする主婦の本音が出た。大雪が降った後だしね。感謝してますよオバサン。

あいつに義理立て?

2014-03-05 | 柴犬・マリ
BS放送の「世界ネコ歩き 」を見るたびに、可愛いネコの仕草が心を掻き乱す。
「飼ってみたい?飼いたい?お前はどうなの?」「おとうさんこそどうなの?」
こちらの真意を探るかのようなオバサンの視線を感じる。本音はどっちなんだい・・・

犬のマリが死んでから一年。「あいつに悪いよ・・・・裏切るようで」
いやマリだって分かってくれるよ。「そうかなぁ・・・・」「怒るわよきっと」   
色々な思いが頭の中を駆け巡る。二人になっちゃって寂しい事は寂しいけどね。

子供の頃は犬も猫も家に居た夢さん。いじめて引っ掻かれた事もある。
「ネコはあっちこっち破くぞ」可愛いだけじゃない事も分かっている。
だけど二人で炬燵に入ってテレビを見ている時などにふと思う。
こんな時、傍にいたらなぁ・・・・犬でもネコでも・・・・・

マリの時と同じで、可愛くて可愛くて、またオバサンのめり込んじゃうかもしれないな。
「あーあ、駄目だ!駄目だ!」現実に戻って頭から邪念?(笑)を追い払う。

マリが死んだあの時、「もう生き物を飼うのは止めようね」って約束したからな。
「私達が先に死んじゃったら可哀そうじゃない」う~んそれだよね・・・・